2017年06月07日

人手不足の売り手市場、家余りの買い手市場

来春卒業予定の大学生を対象にした採用面接が先週解禁されたというニュースが流れていました。人手不足を背景に売り手市場(学生優位)の状況になっています。

NHKの番組では、若い女性が2人、双眼鏡でオフィスビルを眺めている光景が放送されました。これは、夜景ツアーではなく、応募先がいわゆるブラック企業なのかどうかを確認しているもの。近年は、収入や出世、仕事のやりがい以上に、休暇、残業の少なさが評価を上げる傾向にあると言われます。

就職先の選定で「休暇、残業の少なさ」を求めているということは「自分の時間」を求めているということで、これが住まい選びになると「通勤時間の少なさ」を求め、少しでも「自分の時間」を増やしたい、という希望になります。

昭和期は、地価の上昇に伴い住まいが郊外へひろがった「ドーナツ現象」が起こりました。平成に入り、バブルが崩壊することにより地価が下がり、さらに、容積率の緩和などの規制改革で供給力を増えたことが拍車をかけ、若い世代の生活スタイル・住まい探しのトレンドから「都心回帰現象」が起きています。

この結果、郊外の不動産市場では、現在も続く分譲住宅(戸建てマンションとも)の大量供給に、昭和期からの大量の住宅ストックで家が余り、空き家が増加し、さらに、構造的な世帯や人口の減少と、住宅購入層の流れなども合わさった需給関係から、買い手市場の状況になっています。

「格差社会」という言葉が生まれてからどれくらい経ちましたでしょうか。

先週日曜日に放送されたNHKスペシャル「見えない“貧困”〜未来を奪われる子どもたち〜」では、先進国のなかでも日本の子どもに夢や希望を持てない子が圧倒的に多いということが報じられておりました。

そうした中、不動産でも格差が歴然としてきたように思われます。先のように、家余りの状況が悪化することが確実な中、今後、さらに不動産の格差が広がり、売り手側の競争は激しくなることが容易に想像できます。

これから購入される方、現在すでに所有されている方は、このベクトルを考えて、不動産を考えなければなりません。

これを具体的に一言で言えば「立地がすべて」です。このような結果がいいのかどうかは別としまして、お金という現実を考えると、これを外すことはできません。

現実の中古住宅市場を見てみれば分かります。新築時に購入した金額からどの程度の割合で減価しているか、大きくは都心と郊外、中程度で市の中心地と郊外、小さくは駅からの距離で変わります。

同じ金額で、利便性が高い地域の中古住宅(例:土地建物各2000万円)と郊外の新築住宅(例:土地1000万円・建物3000万円)であれば、10年後、前者の方が確実に評価が高くなっています。

これから購入される方は、同じ予算なら利便性が高い地域を、すでに所有されている方(郊外)は、格差が広がる前に今後の住まいを検討してみることをお勧めします。

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2017年05月27日

劣化し始めると都心部は怖い

不動産も東京の一人勝ちの様相となっていますが、どんなことでも良い面もあれば悪い面もある、ということで、東京・都心部へ流れ込む皆さまへ、都内の問題点もお伝えしたいと思います。

1. 首都直下型地震の災害リスク

都内だけではなく首都圏全域でリスクはあり、都内だから都心だからとリスクにさらされるわけではございませんが、それでも特有のリスクもあります。都心部と千葉県の中間に位置する下町部、近年の埋め立て地では地盤が悪いとされ、近隣よりも大きな揺れに襲われることが予想されております。また、下町部では「木密(木造住宅が密集)地域」が被害を大きくなり、埋め立て地では液状化現象も想定されております。

2. 水害リスク

これも下町部でリスクが高くなります。下町部は海抜ゼロメートル地帯が多く、毎年のようにゲリラ豪雨の被害が発生しています。東京湾からの津波というのはそれこそ想像しづらいのですが、豪雨による河川決壊などが起これば、下町から都心部(地下鉄、地下街)へ大規模な被害を及ぼし、衛生面なども考えると、その後に使用できるようになるまで相当な日数が必要になると考えられます。

3. 高齢化問題

地方の過疎が象徴的なため意識しづらいですが、都心部では地方以上の高齢化が懸念されています。近い将来、東京では3人に1人が高齢者となります。高齢者の4割は借家で一人暮らしと言われ、貯蓄の乏しい高齢者が増加すると、高齢者難民の大量発生も考えられます。また、受診率が高い高齢者が増えると医療の対応力も低下することも考えられます。(介護系も対応力不足が懸念)

4. インフラの老朽化

東京五輪から50年が経過し、高度成長期に建設された道路、橋、トンネル、ライフラインなどの劣化が進み、既に耐久年数を超えているインフラが増加しているのは、近年の道路や橋・トンネルの崩落事故、大規模停電、河川の決壊などから想像しやすいと思います。

5. 格差問題と治安悪化

近頃、都心部の有名な歓楽街などでは治安・風紀が悪くて歩くのも怖いのではないでしょうか。ホームレスや外国人の増加も一因でしょうが、積極的にアウトサイダーへと進む若者が増加しているのは都市部独特な現象だと思われます。また、空き家の増加も治安の悪化に影響を及ぼしており、賃貸物件が多い都心部ではよりその傾向が強まると思われます。

6. 子育て支援不足

昨年、保育園の待機児童問題を象徴する事件として「保育園落ちた、日本死ね」がありました。都心部へ人口が集中と女性の社会進出(家計の所得不足と都心部の物価高を支えるための必要性)などが相まって、保育園の入園希望が殺到し、入園できない待機児童が大量に生まれました。働きたくても働けないという社会問題となっております。

ざっと思いつくままに列記し、学術的に研究したわけではありませんので、言葉が不正確だったり、他にも問題があったりするかもしれません。また、都内、都心部だけではなく、他県でも同じような問題は抱えているかもしれません。(ただ、東京都といえども、これらを解決するには財政負担がきついか)

不動産の売買を携わっているなかで思う率直な感想は、同じ問題でも地方(私の場合は千葉県)だと深く検討しますが、都心部で買うとなると便利さに心を奪われ、これらの問題を見て見ぬふりをしがちな方が多いかな、というものです。例え、都内、都心部でも、リスクをないがしろにせず、しっかりご検討して頂きたい、千葉よりも数倍も高いのですから。

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2017年05月26日

空き地・空き家が増加する現状の自己防衛策

2017年版の土地白書によると、空き地の面積は10年間で1.4倍に増えた。空き地は、相続・贈与で取得した世帯が約7割に上り、このうち約3割が「今後も空き地のままにしておく」とのこと。

自治体を対象にしたアンケートでは、空き地が周囲に及ぼす影響として、景観の悪化、ごみの投棄、害虫の発生を挙げられている。空き地が存在することで「地域イメージが低下する」ことが懸念され、地域経済全体への影響も苦慮されている。

空き家を含む空き地問題の根っこには、世帯数を大きく上回る住宅のストックがある。

日本の新設住宅のうち住宅があった場所に建てられる再建築率は1割に満たない。ということは、新しい住宅を建てれば建てるほど、空き地を増やしていることになる。

結果的には、住宅建設を促進しつつ、空き家・空き地対策も実施しなければならないという矛盾した状況にある。これは行政のマッチポンプで、国民市民よりも行政の権限拡大を狙う背景があるのでしょうか。

現在、空き地、空き家の対策の一環として、立地適正化計画による住宅地の選別を実施しようとしています。

街が広がりすぎて、空き地や空き家が増えて、虫食い状態にある都市のままだと、生活者としても行政としても、暮らしづらく負担も大きいということから、街をコンパクト化を進めるものです。

乱暴に言い換えれば、居住誘導区域外の空き地や空き家は見捨てる、という感じでしょうか。

千葉県で先駆的に取り組んでいるのが流山市です。

流山市立地適正化計画(概要)http://www.city.nagareyama.chiba.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/032/815/rittitekiseika-gaiyou-a4.pdf

立地適正化計画趣旨(サイトより)多くの地方都市において、これまで郊外開発が進み市街地が拡散してきましたが、今後は急速な人口減少が見込まれ、拡散した市街地で居住の低密度化が進み、生活サービス機能の維持が困難になることが懸念されています。また、今後は、更に高齢者の増加が見込まれており、健康で快適な生活や持続可能な都市経営の確保が求められています。こうした背景を踏まえ、平成26年8月に都市再生特別措置法が改正され、市町村は、住宅及び都市機能増進施設(医療施設、福祉施設、商業施設その他の都市の居住者の共同の福祉又は利便のため必要な施設であって、都市機能の増進に著しく寄与するもの)の立地の適正化を図るため「立地適正化計画」を作成することができるようになりました。

この計画を不動産の立場でお伝えすれば、これから買うなら・これからも保有するなら少なくとも居住誘導区域、できれば都市機能誘導区域にすべきであり、この区域以外は早めに売却する、資産価値を考えないで購入する、ということになります。

根本的な空き地・空き家対策には、住宅や宅地の総量規制が必須となりますが、おそらく業界よりも政治や行政から実施されることはないと思われます。

そのため、資産を維持ができるよう、被害を小さくするために、不動産の選択が重要になり、この肝が立地であり、その基本が立地適正化計画(その考え方)になります。

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2017年05月24日

不動産を放棄することはできない

今、空き家の増大が問題になっております。管理が行き届かない建物は朽ち果て、周辺に被害を及ぼしそうな危険な状態になります。先日、地元の南柏駅近くで、線路を越える陸橋から見える小規模ビルが朽ち果てていて、気になっていたら、「特定空き家」に指定され、「行政代執行」にて解体されました。

この解体費用、現時点では柏市が負担しましたが、所有者へ請求されますが、そもそも金銭的に余裕があれば、建物は適切に維持管理されている可能性が高く、また、売却するなりしたはずですが、ここまで至ってしまったということは金銭的な余裕もなく、解体費用も支払うことも難しいのではないかと推測されます。

このままであれば公費(税金)の負担となります。行政としては、住宅用地の固定資産税軽減の特例を外して税負担を重く(通常通り)し、早期に解体するように促しますが、今回の例のように、特定空き家に指定されるような建物の多くは金銭的に厳しい状況になっていることが多く、固定資産税の増加だけで解体するまでには動けないというのが現状です。

ここで、その不動産が売却できれば、空き家があるままなら買主が解体を行われ、土地として十分な価値があればその費用から解体を行うことができることから、この問題を解決する道筋はあります。

困ってしまうケースとして、建物を維持管理する負担が重い、解体する費用を捻出できない、しかし、売れない、という不動産です。不動産の一番の特徴は、放棄すること、思い切っていえば棄てることができないところにあります。

昔はこれが、いざという時、土地が残って資産になると言われていましたが、現在、ただ土地だけ残っても資産になるとは限らない。立地がいい(利用価値がある)土地(それに伴う建物)しか売れないというのが、今後さらに加速していきます。

もし、それでも、売れない、維持できない不動産を処分したい、と考えた場合、その機会(チャンス)は相続時のみとなります。

その不動産を含めて相続財産すべてを、相続人全員で相続を放棄して、不動産を国に差し出すという方法です。これは、相続などにより所有者のいない不動産は国庫に寄贈するという法規定によります。

これにより、取り敢えず、所有者の負担はなくなり、空き家の解体も行われて、街もきれいになって、危険も回避されることになります。

しかし、このようなケースが増大し、国に使い勝手の悪い、使い道のない、不動産を大量に押し付けてしまったら、財政負担は増大し、回りまわって税負担の増大につながってしまうことも考えられます。

この問題に関して、特効薬になるような方策はないと言われていますが、今、検討されているのは、特定空き家対策として、自動車と同じように新築時や固定資産税の上乗せとして「建物リサイクル料(解体費用)」を徴収しておくことです。

それでも、根本的には、土地にしても、建物にしても、すでに大量に供給され、ストックもあることから、生産調整を行うところから始めなければ改善しないのではないかと思います。

特定空き家問題、維持管理や固定資産税の負担増大は、現に始まってしまっております。生産調整、建物リサイクル料などが始まっても効果が出るのは、10年、20年以上も先の話しです。

これから購入される方は、いつでも売れる不動産を選び、売れる状況(負債を小さく)にしておくことです。資産ではなく負債として重くなりそうな不動産を、すでに所有されている方は、売りづらくなる前に処分することをお勧めします。

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2017年05月22日

マンションの現状と未来

AERA(20170529)マンションを守る「ルポ:無関心でボロボロに」「築20年以上がお得」」「大特集:マンションを長生きさせる」を読みました。

マンションの抱える問題や今後の展開、マンションの買い方を幅広く網羅し、マンションを所有されている方、これからマンションを購入される方は必読の内容になっております。

各記事の概要のみ、ご紹介させていただきます。

1.無関心でボロボロに。居住者の高齢化や運営管理への無関心などにより荒廃しているマンションを数件取り上げています。記事の内容もさることながら、現状を映したカラー画像は衝撃的です。また、リゾートマンションの厳しい状況も報告されております。

2.修繕積立金が悪徳悪質コンサルや業者に吸い上げられています。この結果、十分な修繕が行われず、また、必要以上の出費で修繕積立金の残高が減少し、将来の維持管理に支障が出てきます。コンサルや業者の他に、管理会社や管理組合の役員などが、不正不当な利益を得ております。

3.老朽化の危機に立ち向かったマンション(成功例)を取り上げております。組合などを立て直し、管理が行き届く仕組みを作って、健全な運営へとつなげております。透明化とコミュニティがとても大事なことがわかります。

4.マンションを購入する際、築20年以上の物件を購入するのがお得だと紹介しています。補足:住宅ローン控除や諸税の優遇などから「築15〜24年」がベストな時期になります。

5.華やかなタワーマンションに潜む大規模修繕問題を取り上げています。工事の難易度が高いこと、実験的な工法で建てられている、施工側にも修繕の実績がない、工事費用が高い、住民や所有者の合意が得づらいなど、課題が山積されています。

6.まるでディズニー、夢の国マンションと題し、楽器演奏可、猫付き(飼育可ではなく付いてくる)など個性を競うマンションを紹介。

7.賃貸物件の新築ラッシュに潜む危険。無責任なアパートローン、サブリースにより、建築分譲会社とオーナーのトラブルが急増している、そして、今後さらに急増する危険を指摘。

8.相変わらず続く悪質リフォーム業者の実情を覆面座談会で暴露しています。最近の裏事情が紹介されております。

以上が同誌で特集された概要です。詳細は、同誌をご確認いただければと思います。

個人的な感想としては、マンションは相変わらずのババ抜き状態で出口戦略(いつ処分するか)が大事になる、タワーマンション、新築マンションは贅沢品で余裕資金で買うこと、今後はさらに人付き合いが難しくなる時代になることから、最終的な住まいは戸建ての方がいいのかな、というところです。

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