2017年09月13日

不動産売却での差別化戦略

新築のマンション、建売住宅が大量に供給される状態が続き、空き家、空き地も増加して家余りの状況の中、好条件で売却するためには、競合物件に対して差別化する必要があります。

主な差別化は次の通りです。

1. 建物のインスペクション

買主様が中古住宅に持つ不安の中でもっとも多いのが「建物への不安」です。新築が必ずしも安全というわけではありませんが、それでも新築は中古に比較すると建物ついての不安が少ないと考える人が多いようです。

しかし、実際の中古住宅は相当にしっかり作られているものが多数あり、新築以上の耐震性を有する場合すらあります。それをきちんと事前に調べて提供することで、買主様は安心の取引が出来るのです。それがこの「インスペクション」という建物診断制度です。

このインスペクションを行うことで、買主様は購入後にどの部分を修理したりリフォームしたりすれば良いのか?という判断が可能となり、購入後の不安の一つである「リフォームにいくらかかるかわからない」という問題が解決します。

2. 瑕疵保険加入

新築住宅を購入する場合、買主様は売主である不動産会社から建物の保証を受けられます。つまり購入後に何か不具合が見つかったら売主が直してくれるのです。

しかし、中古住宅では売主が個人であるために、引き渡し後に保証をするのは無理です。仕方のないことではありますが、それでは新築の方が安心だと思われても仕方ありません。

そこで、国は中古住宅にも一定の基準をクリアすれば売買後最長5年間の保険を付ける制度を創りました。この保険に入ることで、買主様は引き渡しを受けたあとに発見された雨漏りや傾きといった隠れた瑕疵(欠陥)が保険で保証されることになるということです。

3. 耐震基準適合証明書の発行

住宅ローン減税は住宅購入者にとって欠かせない支援制度です。新築だけでなく中古住宅でも利用できます。しかし、住宅ローン減税には築後年数要件が定められており、要件をオーバーする中古住宅は住宅ローン減税の対象外となってしまいます。

空き家の増加が社会問題となり、中古住宅の流通を促進するという行政施策と矛盾する制度ですが、政治を動かすのは現実的ではありません。

この築後年数要件を緩和する方法があります。2の瑕疵保険加入にすることでも要件を満たせますが、加入不適合の物件も多く、その場合、耐震基準適合証明書付きの住宅つまりは耐震性能が確保された住宅であれば対象にしても良いという方法もあります。

4. 土地建物の状態を改善する

不動産を購入しようとする方、特に自宅用の場合、理屈や条件よりも印象の方が強く影響します。古かったり、汚れている状態の建物や部屋を見て、リフォームすればきれいになる、その工事費用分は安いからいいと頭では分かっていても、見学段階での印象が悪いとスイッチが入らずに見送りとなってしまうことが多くあります。

デートするとき、男女問わず、中身がいいから、磨けば光るからと言っても、不潔だったり、だらしない印象を抱くと、やっぱり交際には進みづらいのと一緒で、住宅を売る時も、見た目、印象が大事になります。

居住中の場合は整理整頓、清掃を行う。空き家の場合で状態が厳しい場合はリフォームする、部屋の状態に問題がなければ展示場のように飾る(ホームステージング)、土地の場合は古家があれば解体をする(庭木を手入れ)、残置物があれば撤去する、など、印象を良くするために手を入れます。

なお、お金をかければその分だけ上乗せという単純なものではございませんので、不動産業者と打ち合わせをしながら実施してください。不動産業者によっては、売却代金での清算に対応してもらえて、先に費用負担がいらないというケースもあります。

これらの方策を取っても売却が難しい場合は、価格などの条件を変更する、売却を依頼する会社を変える、依頼方法を専任から一般にする、という判断になります。

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2017年09月12日

離婚による不動産売却

10日前ほどより、とある中古戸建てのご見学希望を売主側の業者へと申し出ておりますが、なかなか売主からの承諾が得られず、保留状態が続いております。見学してもらわなければ売却そのものができませんが、なぜ、このような状態になるのでしょうか。

答え「現在居住しているのは離婚協議中の妻、所有者の夫は家を出て別居している。夫は早く売りたいが、妻は売却に非協力的で見学希望に応じてくれない」

夫婦で購入した不動産(戸建・土地・マンション)はどうすべきか? 離婚の際に悩む大きな問題のひとつではないでしょうか?

そのままどちらかが居住を続けるのか、その場合、残った住宅ローンは誰が払っていくのか、不動産(戸建・土地・マンション)は誰の名義にするのか(財産分与)、売却して清算するのか、悩みはつきません。

住宅ローンで自宅を購入した場合、支払い期間が長期にわたるため、ライフスタイルの変化によってさまざまな影響がでます。近年増加傾向にあり、その一つが離婚です。

現在、不動産を売却する背景(理由)には、一般的な住み替えの他、社会問題となっている空き家・空き地などの相続関係、離婚や家計問題(ローン返済苦)による所有困難の3つに大別されます。

離婚による不動産の売却の場合、まずは、不動産(戸建・土地・マンション)の名義や住宅ローンの内容がどのような状態になっているか整理するところから始まります。それに加え、預貯金などの資産も合わせて、家計全体の現状を確認します。

その状況を踏まえながら、家族の生活事情(子供の学校)やライフスタイルなどから、現金をどう分けるのか、自宅を売るのか、どちらかが継続して暮らすのか、その際、住宅ローンをどちらが負担するのかを決めていきます。

ここで厄介なのは、不動産が夫婦共同の名義の場合と、住宅ローンを借りる際に夫婦どちらかが連帯保証人に入っていたり、連帯債務になっている場合です。

不動産をどちらかの名義にする場合は不動産の対価を支払えるのか、どちらの一方が住宅ローンを単独で返済していく場合は返済を続けられるか(金融機関が許容できるか)、この他に養育費などの問題も絡むと複雑です。

もし、ご家族の事情に支障がなく、住宅ローンの残高が売却想定金額を下回る場合、売却して金銭で清算する方が得策に思えます。(手持ち金を使い不足分をカバーできる場合も)

不動産を売却しても住宅ローンが残ってしまう場合には、売却をせず、夫婦のどちらかが住み続けて住宅ローンの支払いを続けるという選択肢になります。

それでも、売却をせざる得ない状況もあるかと思います。その場合は残ってしまう住宅ローンの支払いをどうするのかという点を検討する必要があります。

冒頭の例ではないですが、離婚が原因で売却する場合でも夫婦の協力が必要になります。購入するときは前向きな行動のため協力しやすいものです。

離婚の場合はそこがなにかと難しいため、業務から離れるかもしれませんが不動産業者が夫婦(元夫婦)の間に入ることもあります。結婚よりも離婚の方が数倍大変という言葉の通りです。

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2017年09月10日

資産価値が落ちづらい不動産とは

格差、二極化、勝ち組負け組など、どの分野でも明確に評価が分かれるようになりました。不動産市場でも同様の傾向になったと言われるようになって、今ではそれが当たり前のように定着しました。

社会問題となっている「空き家の増加」、「所有者不明の不動産」、「荒れた未利用地」、「売れない負動産」など、格差、二極化を表す事がや言葉が表面化してきました。

不動産市場にて、わかりやすく言えば、価値が落ちない・売れる不動産、価値が落ちる・売れない不動産です。

この分かれ道、どちらに属する不動産になるかの要素で一番重要になるのは「立地」です。極端ですが、立地で8割は決まると言われます。

買う時は、自分の生活や趣味、好み、事情などで立地を選ぶことになります。このまま暮らし続ける、売らないのであれば、格差や二極化は表面化しません。

そして、いざ売ろうとしたとき、自分自身が選んだ立地が、多くの方から支持されるか、誰からも見向きされないのか、買う時は自分自身の評価ですが、売る時は他人からの評価になります。

具体的に値下がりしない立地の例を出しますと。

・都心に近い、中心市街地に近い、駅に近いなどの利便性が高い地域

・古くからの由緒や定評のある住宅地、いわゆるブランドエリア(街の発展経緯から利便性が高い地域と相まっていることが多い)

・災害に強い地域(水害、地震、土砂崩れ、液状化など)、例としては台地、平坦地

また、立地に連動して、同じ予算なら新築よりも中古の方が土地(立地)の割合が高くなるため、中古を選ぶと自然と価値が維持されやすい地域を選ぶことになります。

さらに、経年劣化による評価減が少なく抑えられることから、購入時の評価が維持されやすくなる側面もあります。

現金で買う、売ることは想定しなくても大丈夫、という余裕があれば、不動産の購入にそこまでシビアになる必要もございませんが、家計防衛に意識を置きながら不動産を購入する場合は、いざとなったら売れる、売りやすい、価値が落ちづらい物件を選んでおくことをお勧めします。

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2017年09月09日

競売・任意売却の対象にならないためには

毎月送られてくる競売情報誌を眺めていると、競売までに至った原因(収入減など)はわかりませんが、一般的な住宅が多く見受けられ、そのほとんどが住宅ローンの支払いが不能になってというものです。

一般的な不動産の流通市場では「任意売却物件」も増えてきており、これは競売以上に住宅ローンの支払い不能が理由となっております。

住宅ローンの支払いができなくなるのは、第一に本人の責任も大きいですが、不動産の状況や住宅ローンの仕組みそのものにも問題があると思います。(だからと言って、返済ができない理由にはなりませんが)

シンプルな話として、家を売って返済できれば、毎月の返済ができなくなっても救われます。

買うにも売るにも諸経費がかかりますので、このくらいの資金力がなければ買ってはいけないのでしょうが、そこさえ担保できれば、いざとなったら売ればいい、という状況になっていればいい。

そのために考えておくことは次の通り。

1)不動産価格が横ばい、もしくは、返済が進む程度と同じ程度の下落幅で維持されていく。

かつての高度成長期やバブル期のように、経済要因で価値が維持されるのであれば何も考えなくていいのですが、相変わらずの下落傾向と今後も下落要因が多いことから、購入する時から、価値が下がりづらい不動産を買うこと。

このためには、土地については需要が維持される利便性が高い地域にすること、建物については経年劣化による価値の下落額を小さくするためそもそもの購入額を小さくしておく(新築よりは中古、ある程度落ち切りながらも残存期間が残る中古がベスト)。

2)住宅ローンの返済が滞ったら、不動産を売る(手放す)ことで返済が完了する仕組みの住宅ローンにする。

海外で一般的なノンリコースローンタイプの住宅ローンに仕組みが変わってくれれば、購入側では特に考えなくてもいいのですが、日本の住宅ローンは不動産の下落リスクは所有者が背負うことになるため、自身で考える必要があります。

売れれば返済が完了するようにするためには、住宅ローンの借りる金額を小さくしておくことで、不動産の価値が残高を常に上回るようにしておく、そのために自己資金を準備する。

もしくは、どんなに苦しくなっても負担できるくらいの返済負担としておく、このためにも自己資金を準備する。自己資金が厳しい場合は、借入金額を少なくしておくことです。

この1と2を考えると、土地を買って新築注文住宅を建てる、というのは、かなり余裕がある富裕層(高所得が長期に渡り続く所得者)が対象となります。(新築マンションは利便性はクリアも建物の割合が高く、やはり富裕層向け)

利便性が高い地域で土地を買い、経年劣化により価値が減少する建物にお金を投下し、住宅ローンの返済が安全帯に入るほどの自己資金と収入があるということですので。

逆に言えば、土地を買って注文住宅を建てられるというのは、それなりの所得層であるという証しかもしれません。

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2017年08月28日

タワマン暴落から始まる下落連鎖

前々から言われていて目新しい話題ではありませんが、週刊現代にタワーマンションの暴落に関する特集記事が掲載されましたので、ご紹介させていただきます。

見出しは「全国民必読 中国人「タワマン爆売り」で不動産大暴落が始まる。湾岸エリアはすでに大異変。豊洲のタワマンからは1棟で20件近い大量の売り物件が・・・。デベロッパーは赤字転落、RIET(不動産投資信託)市場も崩壊、いますぐ逃げないともう間に合わない」と衝撃的な書き方は週刊誌だからでしょうか。

記事の冒頭では「被害者は湾岸タワマン生活を謳歌する住民だけではない。2020年の東京五輪を前に始まったマネーの大脱走は序章。湾岸発の不動産パニック劇は間もなく、日本列島全体に悲鳴を響かせる」と記事への関心を引き寄せます。

個人的な感覚では、都心部を中心とした好調さに翳りが出るのはあるとしても、日本列島全体がパニックということはないと思います。都心部以外では、不動産価格は以前より下落傾向であり、下がる余地も少なく、下がることに心理的な衝撃はないからです。

記事の概要は次の通りです。

・スペックとして問題ない(というか素晴らしい)住戸でも、売り出してから半年以上経っても一向に買い手がつく気配がない。それはこのマンションは中国人が多く所有し、その中国人が売りに転じているからである。

・中国人の爆買いはすでに終わり、将来性のない日本よりも値上がりが見込めるアジア諸国へとシフトしている。今後、税制などのタイミングにより売り出し物件は急増し、タワマンの市場は崩壊する。

・恐ろしいのは、一度値崩れが始まると、それが大きなうねりとなって売りの連鎖につながっていくこと。中古が下がれば新築も下がり、都心が下がれば郊外も下がる。

・これからは逃げ遅れた被害者が続出していくことになり、まっさきにやられるのが不動産投資をしている人たち。そして、不動産下落の渦は一般市場へと波及し、銀行などの金融機関は不良債権が増加し経営悪化、日本経済全体が低迷することになる。

以上。

タワマンを買える人は、それなりの収入があるから、売る必要性さえなければ生活は維持していけると思います。ただし、その収入が下がったときには、売れない、返せないという悪循環に陥って、最悪のケースも。

郊外で一般的な住まいを購入する方でも、収入が下がっても、不動産価格が下がっても、支障が出ないくらい相対的な負担が小さい物件を購入すべきです。

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