2009年08月23日

業者の報酬(仲介手数料)

宅地建物取引業法では、業者が不動産取引の媒介または代理をした場合において受けることのできる報酬の額は国土交通大臣の定めるところによるとしています。業者はこの定められた金額を超えて報酬を受けてはならないとしています。(宅建業法46条)

一般的な名称としては仲介手数料と呼ばれる宅建業者の報酬。この報酬に定めがあることはご存知な方も多いと思われますが、報酬を受領できる上限が定められているまでであり、必ず定められている報酬額の受領、支払いとなるものではありません。

数年前、大手賃貸業者が不動産賃貸の取引の場面で、グレーゾーン的な取り扱いを行い処罰されました。内容は、依頼者の承諾を得た場合のみ賃料の一ヶ月分を受領できるという規定であるにも関わらず、承諾の部分をきちんと説明せず、依頼者の無知につけ込んだというもの。

不動産売買の取引の場面でも、やはりグレーゾーン的な取り扱いがなされております。規定では、報酬の上限を定めているだけに留まるが、報酬額が定められていると依頼者に説明しているもの。

「報酬(の上限)が定められています。」(の上限)の部分を、口に出すか出さないかで、意味が大きく異なります。一度、(の上限)の部分を加えたり外したりして読んでみてください。

このように、数年前までは、賃貸の場合:賃料の一ヶ月分、売買の場合:価格×3.15%+6.3万円、が当然の報酬として、決まり事のように強制的に取り扱いが行われていました。

この報酬に関して、近年、業界側から新しい流れが起きています。ネットや広告などでも宣伝され、目にした方も多い方と思われますが、賃料の0.5ヶ月分、仲介手数料半額、などが代表的なものです。

賃料の0.5ヶ月分、というのが始まったきっかけは、処罰を受けたことを逆手にとって、規定通りやりますと告知したもの。もともと規定通りなのですが、従来の感覚があるため、半額になったように錯覚してしまいます。

この流れは、不動産売買の分野にも及んでおります。仲介手数料を報酬上限の半額とする業者や、なかには仲介手数料無料とする会社まで現れました。

仲介手数料を半額にする業者の思惑は、薄利多売で売り上げを伸ばそうという営業的な部分と従来の報酬のあり方に疑問を持って改善しようとする社会的な部分が混ざり合ったものです。

ただし、仲介手数料無料という業者の思惑は少し異なります。通常の仲介を行い報酬が無料ならばボランティア,慈善事業となってしまいます。営利企業ですから、どこかしらか報酬を得るわけで、この場合は売主側から報酬を受領しています。

売主から報酬を得て、買主からは得ないというケースのほとんどは、新築分譲住宅での取引になります。この場合、業者から見れば、報酬を得る売主(分譲業者)が真の顧客で、買主はその相手方としかなりません。

言葉を換えると、仲介業者は売主の味方となります。しかも、買主は一度きりになることがほとんどだが、分譲業者は繰り返し顧客となるリピーターになることもあり、意識が売主側に強くなるのは心理的に致し方ない。(売主と仲介業者のプロ軍団対一般消費者という図式になる)

買主側としては、仲介手数料無料というメリットの裏には、このような状況を把握しておく必要があります。ただし、このケースがダメというものでありません。理解して対応して下さいというまでです。

数年まで弁護士にも報酬規定がありましたが、現在は報酬規定は廃止されております。宅建業法では一般消費者は無知だから報酬の上限を定めておかなければ業者にむしり取られしまうとしていますが、これだけ情報が出ている仲介手数料より、弁護士報酬の方がもっと馴染みがないと思う。その弁護士報酬が自由化できたのだから、宅建業者の報酬も自由化できないということはないでしょう。

宅建業者の報酬も、一律に上限だけを定めるものではなく、弁護士報酬と同様に、着手金、契約成立の報酬、実費など細分化して各業者が取り決められるようにした方が良いのではないか。これだけ業者間の競争が激しくなり、情報も公開されていることで、無知につけ込まれるということもないのでと思われます。

この報酬に関しては、金額の方に目が行きがちなのは仕方ない。私だってお金の部分は気になります。しかし、一番大事なのは金額ではなく、報酬の取り決め,打ち合わせの手順です。

不動産情報→業者へ依頼→不動産購入→報酬という流れが大半である現状では、報酬の取り決めをする際は、不動産購入が決まっており逃げられない状況になっている。業者から提示された報酬額が合意できないなら買えなくなる。

報酬の取り決めも含め業者へ依頼→不動産情報→不動産購入という流れにならなければ、報酬の金額だけを変えても、不動産取引の現場は変わらないのでしょうね。

このあたりが健全化されるのは、いつになるのでしょうか。今回の総選挙で、民主党のマニフェストには、仲介の両手取引禁止が記載されております。この両手取引禁止は、かなり奥深い面があり、これを実行する際は、不動産取引そのものあり方が変わるのではないかと思います。

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posted by preseek_shibata at 10:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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