2008年10月22日

手付金を放棄しても値下がりを待つべき?

◇マンション市況

ここ数年の地価や資材高騰により新築マンションの販売価格は大幅に上昇しました。この結果、販売価格と購入者の資金力や購入意欲との乖離が大きくなり、売れ行きが落ちました。さらに、昨年のサブプライムローン問題に端を発した金融引き締めによる資金調達の厳しさが、分譲業者を倒産へと追い込んでいます。これが上司の方が仰る“マンション市況”です。

今後の市況を考えても、物価高による家計圧迫(住宅ローン負担力の減少)、景気後退による収入減少などから、需要が伸びる見込みも薄く、分譲業者としては在庫となっている売れ残り物件を、価格を引き下げてでも早く売ろうとしています。

既に、一部の新築マンションを除いて、表面的に見える値下げ販売・内々での値引き・家具やオプションのサービスなどの実質的な値引きなどは行なわれており、特にご相談頂いた“郊外”では値引き合戦の様相さえ見えております。

手付金は解約する権利を得る(解約手付)もので、期限内であれば買主側は手付金の放棄をすることにより、契約を一方的に解約することができます。今回の場合では、10万円を失ってしまうことにはなりますが、現在のマンション市況などを考えれば、10万円以上の値引きなどを得ることは可能性が高いと思われます。

なお、よほどの事情がない限り、契約後に、他の部屋や区画などの値引き販売が行なわれたとしても、取引条件に合意して結ばれた約束(契約)を変更することはできません。これは不動産取引を含め一般的な商取引にも言えることですが、正常な判断のできる者が示した“意思”を尊重するものであり、契約内容が後々ころころ変更することが可能になると、社会が成り立たなくなってしまいます。

ただし、せっかく販売することができた部屋を解約されるのは分譲業者も望まないことから、手付解約の申し出をした際、何かしらの提案(値下げなど)を提案してくるかもしれません。分譲業者の出方次第ではありますが、実質的には値引き交渉は可能と言えます。(注:分譲業者が解約をあっさり受け入れることもありえます。)

◇マンション購入の判断

値下がり傾向にある市況のときに、購入を判断するのは難しいものになります。購入者側の共通の心理として、少しでも安く買いたいと思うのは当然であり、もう少し待てば安くなるのではないかと考えてしまうからです。

しかし、マンション購入の目的は、購入したマンションを転売して儲けるものではなく、無理のない負担で、快適で安心した生活を過ごすものです。安く買おうと不動産の市況を優先して、家庭や生活などの状況から購入する適切な時期を逃すことは本末転倒な結果に成りかねません。

また、安く買うことを優先するあまり、立地を悪くしたり、建物のクオリティを落としたりすることも、生活や購入後の資産価値にも悪影響を落としかねません。安く買うことができても、毎日の通勤が大変になったり、不満を持って生活するくらいなら、購入を見送るくらいでもいいのかもしれません。

さらに、資産価値が減少することは、気分的に良いものではないことに加え、いざという時に売却して住み替えをしたり、住宅ローンの返済に充てることを想定すれば、なるべく避けるべきです。

資産価値が高く維持できそうな不動産、快適な生活を送れそうな住まいは、現在のような市況でも、あまり価値を落としておらず、価格などの市況ばかりに目を奪われてしまうと見過ごしてしまうこともあります。

今回購入したマンションがどのようなものなのか、ご相談された方のご家族の生活と相性が良いのか。ここを考慮した時、このマンションのこの部屋がベストとご判断できるのであれば、他が高い安いなどの市況から離れて購入されても良いのではないかと思います。(あくまでも無理のない負担の範囲でという条件つき)

◆ポイント

・マンション市況は悪く、値引き合戦の様相を示しており、手付金を失っても、購入費用を抑えられる可能性が高い。

・すでに契約済みでも手付解約を申し出ることで、契約条件の見直しを得られることも。(ただし解約してもいい覚悟で)

・マンション購入の目的は、安く買うことではなく、購入した後の生活である。

・市況よりも、生活と住まいの相性、資産価値を優先させる。

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posted by preseek_shibata at 16:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産QA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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