2018年05月25日

加速する住宅過剰社会への対応

南柏駅から弊社までのバス通り沿いに、食品会社の倉庫がありました。解体工事が始まったと、防護柵に設置された看板を見ると「共同住宅」という用途とマンション業者の名が記載されていました。

弊社から徒歩5分程度のところに、百本を越える大木の林がありました。今までは近隣住民の抜け道として通行されておりましたが、ある日、通行禁止の柵ができ、林の伐採作業が始まり、先日、不動産会社の看板が立ちました。おそらく、分譲住宅の開発が行われるのでしょう。

この他にも、南柏駅から徒歩10分の子どもの広場(公園)が閉鎖されて、宅地開発工事が始まり、廣池学園(麗澤大学)の脇の林も新築マンションの工事が始まりました。社宅の跡地は、宅地造成工事が完了し、これから建物の新築工事が始まります。

あちこちのミニ開発現場も合わせれば、いったい、どれだけの数の新築分譲住宅・新築マンションが供給されるのでしょうか。

ある程度の世帯も人口もあり、生活利便性も有しているとは言え、都心部と違い、人がどんどん流入してくるほどのパワーはこの地域にありません。

近年、東葛エリアでは、つくばエクスプレス沿線が人を吸収して街が発展していましたが、それでも、大量供給の流れで駅前の新築マンション販売は苦戦しています。

人口減少社会、景気後退の状況にありながら、住宅過剰社会、大量供給が続くというちぐはぐな状態になっています。しかも、新築マンションで2000万円台から、新築分譲住宅は郊外だと2000万円を切る価格帯で販売されます。

この結果、不動産市場は崩壊しつつあり、思うように(価格)売れないため、売却を諦めて放置される家も増えています。不動産を所持すると税金や維持管理費が必要となります。このため、俗に「負動産(ふどうさん)」と呼ばれる所以です。

長期的に見ると、住宅を保有している団塊世代の方が高齢化により、施設に移住する、お亡くなりになるなどして、その住宅が子世代に引き継がれますが、これが若い世代に負担となることもあり、若者を中心に非正規雇用が増えていく社会では重荷になってしまいます。

唯一好調だった不動産投資も、立て続けに起こったシェアハウスの不正融資(不正販売)から、不動産投資への融資が厳しくなってくると、逃げ道は塞がれます。

今後の住宅・不動産についての考え方は、次の二つです。

一つは、購入や保有の場合、クルマと同様に生活に必要な消費財と考え、資産性(売却時の金額)は考えない、ということは、自身の収入などの状況を見て負担にならない価格の住宅にする。クルマで燃費にこだわるように、住宅でも維持費(光熱費も)を重視する。

もう一つは、住み替えや余剰住宅の場合、持っている不動産は早期に処分する、多少安くなっても早めに確実に売れることを重視する。

先日、NHKスペシャルで「縮小ニッポンの衝撃 労働力激減 そのとき何が」という人口減少社会・高齢化社会の特集が放送されました。住宅も含めた社会全体で、この問題をどうしていくのか、分れ道にいるのかと思います。

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posted by preseek_shibata at 16:51| Comment(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月14日

これだけの危機的状況でも政治や行政は無知無関心

何かの前触れなのか、販売部数を伸ばすための煽りきじなのか、先週、今週と、不動産市場の危機的状況を特集した記事が、多くの週刊誌に掲載されました。各誌が取り上げた特集記事の概要をご紹介させていただきます。

■週刊新潮20180517号特集記事 夢の「タワーマンション」からまっ逆さま 住民が悲鳴をあげた「修繕費が足らない」

タワーマンションは通常のマンションよりも大規模修繕工事の費用がかなり割高になる。

住居利用がメインで所有者の危機意識が高いマンションは現在から対策を練られているが、投資目的の割合が多いマンションでは、修繕積立金の値上げが思うようにできず、将来の修繕に不安を抱え、スラム化や、売却・賃貸の流通性を維持できない危険性を孕んでいる。

■週刊ポスト20180518号特集記事 65歳すぎてからのまさか。老後資産の万が一をどうする「完全マニュアル」

(想定)マンション価格が大暴落 中古マンションの相場は下がっているが、もっと下がらないうちにと慌てて売却するのは危険。

高齢者向けの施設は、住居費や生活費が思ったよりも高額となることがある。入居(売却)を先延ばしにすることができれば、その間の住居費が浮き、マンションの価格下落分を吸収できる。

■週刊エコノミスト20180515号 固定資産税を疑え「高すぎる」評価額に要注意

毎年4月から5月に届く「固定資産税等の納付書(決定通知書)」この評価額が実態(実際に売れる金額)とかけ離れている。

実態よりも低く評価されている分には、固定資産税等の税額も低くなるため問題ないが、地価下落の現在、実態よりも評価額が高いケースも多い。固定資産税は市町村が一方的に決めるため、評価額の決め方も不透明であり、いわば言い値で納めなければならない税金になる。

■週刊現代20180526号 逃げ遅れれば、あなたのマンションもタダ同然に ついに始まった「高級マンション」投げ売りから暴落へ 東京五輪までは値下がりしないは大ウソだった

いま不動産業界は崖っぷちにあり、いつ暴落してもおかしくない状況にあり、すでに誰が最後のババを引くか、押し付けあう段階に入っている。人口減少により需要が細り、団塊世代が亡くなり始めると空き家が大量に供給が増えるので、いずれ大崩壊が訪れるのは間違いない。今はその序章。

具体的には、東京湾岸、品川などの港南に、武蔵小杉など、不自然なほど供給過剰になっており、急激な人口増加にインフラが追いついていない地域が危ない。

■週刊ポスト20180525号 通勤地獄に耐え続けたのに、郊外に買った夢のマイホームが不良債権と化した団塊世代の悪夢

郊外の住宅地は高齢化と人口減少で空き家が増加中。持ち家の価値は下がる一方で、売却しようにもなかなか売れない。老後に思わぬ落とし穴が待っていた。しかし、今後は良質な物件が買い手市場で買えるため、これからの世代は恵まれた環境になる。

各誌で掲載された記事の詳しい内容をお知りになりたい方は、特集記事をぜひご覧になってみてください。

それにしても、このような状態になっているのは、政治・行政の無策・失政と言ってもいい。現在、中古住宅の流通を促進しようと細かい手だてをしているが、焼け石に水という状況。新築の総量規制をするなどの思い切った手を打たなければどうしようもない、というところまで来てしまっている。

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