2017年10月07日

地価崩壊、これからの不動産に関わる社会問題

週刊東洋経済(2017.10.14)特集「生産緑地、相続激増、人口減少・・・地価崩壊が来る(http://toyokeizai.net/articles/-/192086)」をご紹介させていただきます。

ポイントは、土地や建物を購入する需要が減少する、供給が増加する、という需給関係により、下落傾向へと進むというものです。そのような状況が見込まれるなか、不動産戦略をどのように考えればいいのか、この特集記事が教えてくれます。

1)郊外から始まる没落カウントダウン 2020年代は「地価崩壊時代」へ

人口減少が進む中、空き家問題が年々深刻になっている。さらに、2022年、生産緑地が宅地化されて市場に大量に出回ることが予想され、不動産価格の下落は避けられない。さらに2025年、団塊世代が後期高齢者に入り、相続事案が増加し、相続不動産の売却が増加する。

街の衰退に危機感を抱く自治体は立地適正化計画の策定を進めている。この計画により、街の機能が継続される地域と後回しにされる地域に区分され、立地条件が悪い地域の不動産は価値が落ち(売れない)、お荷物となることで、所有者が不明の土地や建物となって、これが社会問題を深く大きくさせることになる。

土地の「2022年問題」は起こるのか

生産緑地指定から30年経過すると、市区町村に買い取りの申請ができ、その最初の年が2022年になる。市区町村は財政的な問題から買い取りが申請されても多くは買い取らず、買い取られなかった土地は市場に出回ることになる。

この問題に対して、この秋の臨時国会で対策法案の審議が予定されていたが、解散のためご破算になったため、より現実味を帯びてきた。

2)疲弊する街で土地が捨てられる 私有地の2割はすぐに持ち主がわからず

崩れかけた危険な空き家があるのに所有者がわからず、自治体も指導ができない、こうした事例が全国で起きている。所有者が突き止められない最大の要因は、相続人が登記がなされないこと。売れないこと、価値が低いため、相続人に負担が多く、実入りがないために相続登記が行われない。

土地や戸建てだけでなく、マンションでも同様の問題が発生している。所有者が不明の住戸が増えれば、日常的な維持管理や修繕に支障もきたし、さらに、建替えなどの必要な決議が行えずに、駆逐したマンションが街中に増えることとなる。

3)人口縮小時代の備え方、相続 相続土地急増の大衝撃

土地や建物が、相続から売却へと進むことが予想されるなか、相続と不動産に関する5つの鉄則が紹介されています。使わない土地建物は売却、売却は地元の会社へ依頼、売れない土地は活用もムリ、お金がないのに活用はしない、生前に処分する。

4)過去の開催地が立証 不動産に五輪効果なし

オリンピックのようなビッグイベントがあれば経済効果で不動産価格が上昇する、というのは業者の思惑(営業)であって、閉会後も継続的に人口や所得が増えるという構造面が変わらない限り、不動産市場が成長することはない。(投資的には開催地決定までだった)

5)10年後を見据えた失敗しない土地(立地)選び

マンションは駅徒歩7分まで、ハザードマップで危険な地域は外す、立地適正化計画の居住誘導区域にする、子育て支援などのサービスや独自の経営戦略を持つ自治体にする。

概要を書くだけでも大変なくらいのボリュームがあり、現在の不動産(住宅)にまつわる問題をすべて網羅しているのではないかと思います。

これから家を買う方、現在所有している方、売却を検討している方、相続が予想される方、皆様に有益な特集記事ですので、ぜひ一度、お手に取ってみてください。

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posted by preseek_shibata at 15:14| Comment(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

負動産、死有地、ゴーストタウンから逃れるために

不動産を負動産、私有地を死有地、と、良いか悪いかは別として、良い得て妙な言葉が定着してきました。

現在、朝日新聞で「負動産」をシリーズで特集しており、本日の週刊現代は「死有地」の特集記事が掲載されておりました。

激変2028年のニッポン第三回「死有地」が日本列島を覆い尽くす。所有者不明の空き家や山林が急増中。すでに国土の2割が放置されたままに。

人口減少により表面化した空き家問題だが、その根は想像よりもはるかに深い。誰の土地かわからないから、相続人も行政も手を付けることができない、まさに「死んだ土地」が街にあふれていく。

このような書き出しで記事が始まりました。概要は次の通りです。

所有者が亡くなったとき、相続人が相続登記を行うが、これが義務でないため、登記簿上の名義が故人のまま、ということがある。(現場の実感では、かなり多い)

さらに、相続人が亡くなると代襲相続が行われ、相続人の数がどんどん増えていき、資産管理の収拾がつかなくなった結果、塩漬けになった不動産が大量に出現してしまう。そしていま、このような「死有地」が全国的に急増している。死有地の総面積は九州全土を上回る広さ。

これは、地方の過疎化に苦しむ地域だけでなく、都市部でも同様である。街中で所有者がわからず、道路整備がままならない場所が増え、これが災害時には緊急車両の進行を妨げ被害を拡大したり、復興時の街づくりに支障をきたすことになる。

今後、さらなる問題を引き起こすと懸念されているのがマンション。築数十年も経てば老朽化し、修繕や建て替えが必要となってくるが、所有者が不明の住戸があれば、合意を取ることができないばかりか、なにもできずにゴースト化することさえあり得る。

このような死有地や管理・修繕が行き届いていないマンションなどは資産価値としてタダ同然、維持費や税金がかかることを考えれば負債でしかない。このため、相続登記を行うことがためらわれ、悪循環に陥る。

所有者不明の土地やマンションが急増したのは、やはり人口減少にともなって全国的に地価が下落し続けることにある。人が減れば産業も衰退し、街の魅力が減少して、さらに人が出ていき減少するという負のスパイラルが続く。

自治体では、生活に必須なインフラの維持管理修繕が必要だが、所有者が不明な土地では実施することができず、さらに、人が住まない(少ない)エリアでは整備が行われないこともある。こうして、ゴーストタウン化が進んでいく。

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結局のところ、大きくは人口問題(少子高齢化社会への対応)、不動産・住宅市場では需給のコントロールができなかったばかりか、宅地開発や建物の新築を選挙や政治資金の兼ね合いから促進させた政治行政の無策のしっぺ返しです。

現時点でも、根本的な点に踏み込む気はさらさらないようで、このような政治行政の無策のつけが、国民、生活者へしわ寄せてくることになります。(政治は自身の保身のみですから、今回の総選挙が特徴的)

不動産から家計全般まで、自身で自己防衛していくしかありません。知りません、わかりません、めんどくさい、が、いつか自分に跳ね返ってきます。

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