2014年07月23日

投資センス次第でチャンスも

消費税増税から三ヶ月が経過し、直接は影響しない(非課税の)中古住宅(戸建て、マンション)でも影響が出ているようである。

東日本不動産流通機構(通称レインズ)の月間レポート2014年6月に、次のような数値データが出ている。

・2014年6月の成約件数は前年同月比マイナス10.7%と3ヶ月連続で2ケタ減(中古マンション、首都圏)

・2014年6月の成約件数は、前年同月比マイナス7.6%と5ヶ月連続で減少(中古戸建て、首都圏)

・2014年6月の成約件数は前年同月比マイナス11.1%(中古マンション、千葉県)

・2014年6月の成約件数は前年同月比マイナス13.7%(中古戸建て、千葉県)

レインズ:月例マーケットウオッチ http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_201406_summary.pdf

あくまでも、アベノミクス期待で盛り上がっていた昨年との前年対比であるため、これをもって低迷というまでではないが、消費税増税を挟んで傾向が異なることから、潮目を変えるきっかけにはなったのではないか。

特に住宅ローンを利用しない購入者層の割合が高まったということを裏返せば、現役世代が住宅ローンの借り入れに躊躇しているという傾向であるとも言え、これは、消費税増税を代表とした家計負担の増加や将来不安からと思われる。

マンションに関しては、新築物件の供給量が減少したり、価格が高騰することにより、中古が見直されて需要が流れてくることも予想されるが、戸建てに関しては、新築建売住宅の投売りのような価格下げと大量供給が続く限り厳しいかもしれない。

また、マンション、戸建てともに、需要(人気)の傾向をつかめている不動産とそうでないもので、価格や売れ行きにも影響が出てきそうである。

主な需要(人気)要素を列記してみると、人気の沿線や駅、人気エリア(高利便性)、駅から近い、都心へ近い、地域の力(教育や福祉)、物件そのものの魅力、など。

人口の減少、住宅余りの将来は、より一層、この傾向が強まることが予想されることから、これから購入する方は、この要素を優先していくと、資産価値の維持に繋がる。

結婚しない単世帯、離婚、子供が独立した後の高齢者世帯(単身、夫婦のみ)が増加する傾向から、広さの重要度は減少し、広くて遠い、よりも、狭くても近い、という方が良いかもしれない。

今後の景気動向、不動産価格の調整具合などにより、今後の市況が変わってくるが、もし、消費税増税第二弾が実施されると、弱っているところに追い討ちをかけられ、さらなる低迷へと続く。

なお、投資センスがある方は、安く変えるチャンスがきたと、市況が弱ることを前向きに考えるようです。虎視眈々と時期を見ているかもしれません。

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2014年07月21日

資金贈与よりも資金貸与

不動産取引を業者側から見ると、反響(問い合わせ)、案内(現地)、申込(交渉)、契約、決済という接目がある。さらに付随するさまざまな業務があるが、その主なものは住宅ローンに関するものである。

住宅ローンを借りて購入する場合、現地見学からお申込までの段階で資金計画の話が入り、申込の際に仮審査、契約後に本審査、決済前に金銭消費貸借契約という業務が必要となる。

7月から8月に決済(予定)される方を見ると、全9件のうち、住宅ローンを利用された方は3件、住宅ローンを利用しないで購入される方は6件と、実に3分の2の方が現金での購入であった。

当然、住宅ローンに付随する業務(とストレス)が軽減されるため、営業担当者としてはとてもうれしい。

業務もストレスも軽減できることから、それをお客様と分かち合うために、弊社では住宅ローンを利用されない方には請求する報酬を軽減しております。

それにしても、住宅ローンを利用されない方が増えてきたなと感じていたところ、本日の日本経済新聞に、それと関連した記事が2件掲載されていた。

「米国では住宅購入のほぼ3分の1が現金払い――。」(以下、記事概略)

米国の中古住宅販売に占める現金払いの割合は、30%台で高止まりしている。

「10〜15%が通常の割合で、今の水準は極めて高い。過去4年間で顕著になった現象だ(エコノミスト)」

「14年4月の現金払いは住宅販売全体の37%。過去最高を記録した11年1月の46%には及ばないものの、リーマン・ショック以前の平均である25%を大幅に上回る(調査会社)」

現金払いの主役は、住宅価格の上昇を見込んで良い物件を購入し売却益や賃貸収入を得る投資家や富裕層と老後の生活用に購入するシニア層。

「子供が独立したので、もっと小さな家に住み替える」「気候の良い地域に移住して、老後を楽しく過ごしたい」、そんな高齢者が住宅ローンに頼らず、現金払いで持ち家を買っているのは日本でも同じ。

まさに、日本でも同様の現象が起きているのか。団塊の世代(?)の退職が本格化している。さらに似ているのは、現役世代や中低所得層の活力がないこと。

景気に左右されやすい投資家や潜在的な住宅供給層となる高齢者から、現役世代やボリュームゾーンの中低所得層の底上げがないと、安定した市場とはならないのではないかと記事では書かれている(米国のことだが日本も同様)。

さらに「親族内ローンで銀行から600万円以上を取り返す裏技」と題し、高齢者にも現役世代にもお得になる方法を紹介されていた。

具体的な手法や、誰かが得するということは誰が損するといった内容は割愛するが、政治や業界の営業で当然となっている「親から子への資金贈与」を中心とする考え方よりも、よっぽど健全ではないか。

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2014年07月13日

低金利だけど不動産価格は伸びない訳

去年の7月には0.8%台だった長期金利が、今年1月に0.7%を下回り、6月からは0.5%台で推移している。景気が悪かったと言われる5〜10年前でも1.5%前後(これでも低金利だが)だったのだから異常である。

一時期、アベノミクスで、景気回復・インフレ予想されたが、期待までに留まり実態としては望めないと市場が判断した結果かもしれない。

金利が下がると不動産価格は上昇するのが常である。

一般住宅であれば、住宅ローンの金利が低くなることにより返済負担も減少し、その分、借り入れ金額を増やすことができるためである。

借り入れ金額が増えれば、自然と購入予算も増加する。

投資物件であれば、株は不動産と同じグループとして、別グループの預貯金や債権の金利が低いことと比較し、不動産や株の相対利回りが良くなり、多少利回りが低くても購入される。

利回りが低くても売れるということは不動産価格は上昇する。

投資物件に関しては、原則通りの動きを示しているようである。以前なら、最低でも表面利回り10%が基本ラインだったが、現在は、表面利回り10%を超える物件をほとんど見かけない。

見かけないということは、表面利回りが10%を超える物件は瞬間蒸発のように売れているか、価格を上げて利回りを下げても売れるということである。

これに比べ、一般住宅物件は原則通りの動きを示していないようである。特に郊外では顕著である。

都心などの好立地なエリアは投資の要素も加わるのか、またはこれからのトレンドであるため、原則通りの動きとなっているようである。

郊外では、金利が低く返済負担を軽減できても、それを借り入れ金額の増加へとつなげるものではなく、そのままの金額で返済負担軽減のメリットを享受する。

例えば、毎月の返済負担を10万円以内で購入しようと計画していた場合、3,000万円(毎月99,378円、金利2%・35年返済)の借り入れ予定となる。

金利が1%になれば3,500万円(毎月98.799円、金利1%・35年返済)まで予算を伸ばせるがこれをせず、借り入れ金額3,000万円を変えずに毎月返済84,685円と軽減できる方を選択する。

金利が低いから予算を伸ばそうとするより返済額を抑えるという選択をすること、この考えは購入者としては正しい。

ただ、以前なら、500万円の予算増加による土地や建物のクオリティアップ(駅に近づく、広くなる、設備が豪華になる、高層を選べる、など)を選択する方も多かった。

目の前に良いものを見せられたら、それによる満足度や快適性向上への欲望は抑えられなかったものである。

しかし、現在の購入者層は堅実で、その欲望を抑え、確実に金銭的なメリット・リスク軽減を選べる。悟りの境地に至っているのではとさえ思える。

消費を嫌悪する(無駄遣いはしない)、恋愛も旅もしない、さとり世代という言葉が流行語になったが、それよりも根底には、消費税増税などの負担増加と景気低迷による閉塞感、将来不安などがあるのではないか。

低燃費の車種が販売上位に並ぶクルマの世界が、その象徴であり、さらに、高級外車が売れていることは都心の不動産は売れているという側面も似ているかもしれない。

また、世界遺産に認定されれば押し寄せるなど、日本全国著名な観光地は高齢の旅行者で混んでいる様相は、高齢化時代の象徴であり、不動産市場としては所有者・売り手が多い需給関係になったことが窺える。

短期的には表面的なアベノミクスと消費税増税の反動とも思われるが、潜在的に、買い手が圧倒的に多い高度成長期の揺れ戻しが起きているのではないか。

ある大手建材会社では、金利負担を工務店持ちでリフォームを提案するようである。

そこまでしてもリフォーム工事を獲得したいというのは、現役世代の新築需要に見切りをつけ、高齢者需要にシフトせざる負えない住宅市場になったということである。

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2014年07月08日

平成26年の路線価から見えること

路線価とは、国税庁が毎年7月1日に土地等の評価額の基準として公開しているものです。

これは、相続税や贈与税においての土地等の価額は時価ということになっていますが、現実に申告する際、時価を把握することは容易ではありません。申告の便宜と課税の公平を図る観点から土地等の評価額の基準を示します。

路線価とは言葉の通り、道路に評価の基準となる価格を設定し、評価対象地が接する路線の路線価に、必要な画地調整率を乗じて評価額を算出します。

路線価は、土地の価額がおおむね同一と認められる一連の土地が面している路線ごとに評価した1平方メートル当たりの価額です。

路線価及び評価倍率は、毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算定した価格の80%により評価しています。

路線価での計算方法の基本は、接する路線価×地積で評価額を求めます。例えば、路線価200,000円/1平米に接する100平米の土地なら、200,000円×100平米=20,000,000円(2千万円)となります。

平成26年1月1日時点の路線価が、先日(7/1)に発表されました。

全国平均では6年連続の下落だったが、下げ幅は前年より縮小し、東京都を始め中心都市では上昇に転じ、地価の底打ち傾向が強まっている。

ただし、アベノミクスと消費税増税前の駆け込み需要で盛り上がった平成25年の傾向が反映されたもので、消費税増税後の反動減、アベノミクス効果の低下などにより、この傾向がさらに続く底堅い強さまでには至っていない。

明るい望みとしては、東京五輪効果、人手不足による人件費上昇による好景気、低金利の継続などがあり、懸念材料としては、消費税増税による家計の負担増と需要減、人手不足による景気低迷、政治や社会の暗いニュースによる気落ちなどがある。

今年9月の基準地価発表までは上昇傾向が示されるであろうが、来年3月の地価公示以降も、この傾向が続くかどうか。消費税増税第二弾も控えており、なんとも読みづらい先行きだが、個人的にはネガティブな方向に進むのではないかと思う。

平成27年の発生分(平成27年以降の死去)から相続税が増税となる。

消費税は税率を上げ税額そのものを増やして税収入を増やしたが、相続税の場合は、税額よりも基礎控除額の減少により相続税の対象者を増やして税収入を増やそうとしている。

路線価がそのまま横ばいでも、基礎控除額の減少により対象者は増えることになるが、路線価も上昇してさらに対象者は増える。

消費税も増税し、相続税も増税して、法人税は減税だが、中小企業の法人税は増税して、税収入は増えても、架空の政治活動費に消えていく。

W杯も惨憺たる結果に終わり、景気を良くなるための明るい材料が見当たらなくなってきた。このまま進むと、不動産市況は厳しい時代へと戻っていきそうである。

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