2014年05月21日

業者買取の仕組み〜早く高くは成り立たない

不動産を売却する際、売主が希望するのは「早く」「高く」。これは基本的に相反するもので、両方を同時にはできない。

希望する価格が適正価格であれば、縁や運もあって結果的に「早く」売却できた、ということもあるかもしれないが、適正価格だからであって「高く」ではない。

不動産は同じものが一つもない特性があり、不動産業者ではない一般の売主は、数多く売る状況にもならないから、たった一人、その物件に条件が一致する、その物件を気に入る人が現れればいい。

隣接地などは、まさにその典型だが、どうしてもその地域、広さ、または他に比較できる(競合となる)物件がない、などのときは「高く」売れることがある。

この眺望、この間取り(広さ)、この明るさ、この近さ、などなど、探している条件以上に、気持ちの部分で気に入ってもらえた場合も、「高く」売れることがある。

この両者ともに、たまたまの縁や運による部分も含まれるため、その縁や運、流れなどが現れるまで時間が必要になる。これが「高く」売るためには「早く」の部分を割り切らなければならない理由になる。

「高く」よりも「早く」を優先した場合、最速なのは業者に買い取ってもらうことである。

一般の買主は、人生最高の金額を購入することから、決断力が落ちて優柔不断となり、希望が高くなってあれこれと不満も生じ、いざ購入となっても、ローン(資金)でまごついたりと、なかなかスムーズに進まない。

購入した経験があって売主となるわけですから、この気持ちや状況にご理解はいただけるのではないでしょうか。(相続などの例外的な方は除き)

不動産業者が買い取る場合は、リスクへの迷いはあっても、商売だから結論は早く、資金的なことも言い出しません。その代わり、再販売を見越した金額から経費や利益を差し引くため、売却金額は安くなる。

不動産業者の買い取り金額を聞くと、自ら売主として市場で売却する金額(査定金額)からこんなに差し引かれるのか、不動産業者は儲けすぎではないのか、もっと高く買い取ってもらえるのではと感じるかもしれない。

仮に500万円の差があったとしても、購入時の登記費用(登録免許税)、不動産取得税、印紙税、仲介手数料(購入、売却の双方)、改善費用(リフォーム、解体など)、消費税(建物がある場合)、借入費用(利息、手数料)などを差し引くと、不動産業者が得る利益は100万円程度になる。

不動産業者が買い取り再販売した場合、一般の人が売るよりも補償が重く義務付けられ、さらに下落リスクも背負うことになるが、これは見込み利益から捻出されることになる。当然、リスクが少ない仲介手数料よりも多く得られなければならない。

このようなことを考え、買い取り金額(仲介手数料分上乗せ)を下限として、その金額にどのくらい上乗せするのか、許される時間と比べながら売り出す金額を決めていくことになる。

購入者側から、掘り出し物はないのか、業者が買い取る金額で購入できないのか、というような話が出るが、売主としてみれば、面倒や時間面を背負ってくれるからこそ安く売るのであって、一般の人に売るなら業者に売った方がいい。

仲介業者も気持ちは同じ。売主から売却の依頼を受けた担当者は、時間も手間もかかる一般の人に売るより、手間隙がかからない不動産業者に話を持っていく。不動産業者は、再販売時も次の買い取り時も顧客になるのだから。

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2014年05月17日

オンライン査定から業者選定まで

暮らしている家がどのくらいの価値があるのかという興味本位な動機から、今すぐ売りたい売らねばならないという現実的な動機まで、不動産の売却価格査定を依頼する人の状況やきっかけはさまざまにある。

不動産取引のなかで査定価格と呼ばれるものは、あくまでも売れるであろう金額の見込みであり、中古車を売る、宝石を売る、など、購入者(業者)に直接売却する場合のように、提示された金額がそのまま”売れる金額”とはならない。

大手中小問わず、ネットを利用したオンライン査定(簡易査定)のサービスが普及し、気軽に不動産の査定を依頼できる時代となったが、あくまでも目安の価格にしか過ぎないことを忘れてはならない。

実際に売却する事情・状況になった際には、不動産会社の担当者と面談をし、査定について、市場について、説明を受けることは、とても大事なことで、オンラインでの簡易な査定だけで経験値の少ない一般の方が判断してしまうのは危険である。

どこかしらの会社へ説明を受けるなり、相談するに際して、どこに頼めばいいか当てもない、判断できないというニーズに応えて、オンライン査定が一括で複数の業者へ依頼できるサービスも普及してきた。

このサイトにオンライン査定を依頼すると、複数の業者より、面談してくれ、部屋を見せてくれ、高く売るから、うちにお任せを、などという連絡が大量に襲ってくる。それに加えて、机上での簡易査定で算出された査定価格を提示される。

すべての不動産業者と実際に面談するとなれば、時間も労力も必要となることから、複数の業者からある程度絞り込むことになる。

心情としては査定価格の高い順となるだろうが、査定価格はあくまでも目安、参考程度のものであるから、金額よりも会社、担当者で選択するべきである。

典型的な手法だが、この売主心理を利用して、面談を勝ち取るために、査定金額をあえて高めに操作してくる会社、担当者もいまだ少なくない。※あくまでも査定であり、参考であるから、高く設定しても業者には支障がない。

このまま依頼すれば、当面は営業の整合性を保つために、高めの金額のまま売却を引き受けることとなるが、結局、買い手あっての売却であるから、値下げなりの対応が必要となって、落ち着くとこに落ち着く。※いくら超大手でも市場全体から見れば相場を変えるほどの力はない。

オンライン査定をした結果、面談候補の会社を選定する際には、同じようなタイプの会社ばかりだと狭いものの見方になるため、さまざまなタイプを組み合わせることをお勧めする。

不動産業者をタイプで分けると、1-1財閥や電鉄系などの大手(市場に強み)、1-2分譲や建築系列(建物に強み)、2-1種別に特化(コアな市場に強み)、2-2地域に特化(コアな市場に強み)、3-1営業手法に特化(隙間を埋める)、3-2相談コンサルティング系(助言に強み)、などがある。

全タイプを満遍なく網羅するのも大変なため、上記のタイプをさらに三分類した(数字の前が分類グループ)。この三分類で、分類毎に1社ずつ選定し、説明を受けてみると、市場から販売手法などを一通り把握でき、最適な売却依頼方法が見えてくる。

会社や担当者の見極めには、査定金額や気合い(がんばります)、過去の栄光ではなく、具体的な市場データ、査定価格の根拠、販売活動の手法などの提案があるのかを見てみるといい。もし、相性が悪い場合には、同じ分類の中から次の1社を選ぶ。

オンライン査定から、面談を経て、売却を依頼するまで、業者や担当者の選定を重ねることとなるが、不動産業界の実情、内情を知ることはできない。最終的にはどこでも共通の基本である、迅速な対応、時間厳守、清潔、正確性など、相手への気遣い、配慮など、社会での経験で選ぶと間違えないかもしれない。

今回は査定から依頼までの売却前までにとどめ、売却の依頼形態(専任か一般か)、売却活動に際してなどは、次回以降、機会があるときに改めます。

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2014年05月15日

不動産売却時の税金

不動産は、買っても、持っていても、売っても税金がついて回ります。

購入時は購入そのものが利益と考えられ、登録免許税や不動産取得税が発生し、所有時は所有そのものが利益と考えられ、固定資産税等が課税されますが、不動産を売却した際に、儲けが出ると、その所得に課税されます。

売却時は儲かったときのみであり、売却して損が出た場合は課税されません。このときの儲けを譲渡所得と呼びます。所得がゼロもしくは赤字であれば、利益に課税という原則からも当然の結果です。

※不動産取引の締結したという行為が利益ということで、印紙税は課税されます。消費税は個人の場合、非課税事業となり課税されません。(消費税は購入者が売主に預けるという意味合いですが)

法人が不動産を売却した場合、本業の決算と併せ申告し課税されるのに対して、個人の場合、給与所得や不動産所得(不動産賃貸による所得)、事業所得とは分けて課税されます。(分離課税)

分離課税ですので、給与所得がないのはもちろん、不動産所得や事業所得で赤字となっても、譲渡所得で利益が発生したら損益通算することはできず、課税されることになります。※不動産の譲渡所得の中では損益通算できます。

譲渡所得の計算は、単純な式として「譲渡所得=売却金額ー取得費(購入費)−売却諸経費」と考えられます。

売却金額:不動産の対価として得た金額、固定資産税等清算金の合算額

取得費:不動産取得時(購入時)の金額、購入時の諸経費(仲介手数料、登記費用など)の合算額 ※取得費が不明の場合は売却金額の5%を取得費としてみなします。※建物部分は経過年数により減価されます(利用期間中に利益を得たと判断)。

売却諸経費:不動産売却時の仲介手数料、印紙税、売却ための費用(解体費、修理代など)の合算額 ※一定の要件に当てはまる場合、相続税の一部を加算することができます。

譲渡所得の計算により利益が発生した場合、所得税、住民税、復興特別所得税(平成49年まで、税率は一律2.1%)が課税されます。

所得税と住民税の税率は所有期間により短期、長期に分けられ、短期は所得税30%・住民税9%、長期は所得税15%・住民税5%となります。

短期、長期の判定は所有期間が5年以下なら短期、5年超なら長期となります。この期間判定は売却した年の1月1日時点で判定されますので、5〜6年の方は要注意です。※相続で取得した場合は被相続人の取得日を引き継ぎます。

この譲渡所得には居住用財産の売却に際しては、いくつかの特例があります。

代表的なものは「居住用不動産の3000万円控除」です。これは譲渡所得が3000万円以内なら課税を免れ、3000万円を超過した分のみに課税されます。また、共有の場合、共有者それぞれに適用されます。例:共有者二人なら6000万円まで非課税。

さらに、10年超の居住用財産であれば税率が小さくなる軽減税率の特例、課税を引き延ばす居住用財産の買い替え特例などがあります。※一定要件あり。買い替え特例は課税時期を延ばすもので控除や軽減税率とは性質が異なります。

バブル崩壊後、長い間のデフレにより、売却しても利益が出るどころか損失となったというケースも多くあります。

その場合、売却金額よりも住宅ローンの残債が多い、新しい自宅を住宅ローンで買った、という場合、他の所得と損益通算できる特例もあります。

購入時も、売却時も、税金にはさまざまな特例と適用されるための要件があります。私は、憶えられない、かつ、間違えては大変なので、同じ内容でも、毎回確認するようにしています。

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相続発生3年以内の生前贈与の例外

相続税と贈与税は、相続税法という1つの法律の中で定められているほど、密接な関係があります。税法の名が相続税と表記されていることから、贈与税が相続税を補完するという立場になります。

単純に分けると、生前に資産を渡した際に発生するのが贈与税、死後に資産(遺産)を渡した際に発生するのが相続税。どちらも、資産が対価なく移転する際の税金であり、受け取った方に課税されます。

その例外として、相続発生(死去)3年以内の贈与は、贈与税ではなく、相続財産に加えて相続税課税の対象となるというものがあります。理由は、生前贈与による相続税の軽減(節税)がないようにするためです。

なお、贈与時に支払い済みの贈与税は、相続税より差し引かれるため税負担が増加することはございません。

ただし、下記の特例により贈与税が非課税となった場合、相続財産には加算されません。(説明文はタックスアンサーより引用)

・夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

・直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税

平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する家屋の新築若しくは取得又はその増改築等の対価に充てて新築若しくは取得又は増改築等をし、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なく自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税となります。

・直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、個人が、教育資金に充てるため、〜中略〜、信託受益権、金銭又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入されません。

参照:贈与財産の加算と税額控除(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4161.htm

贈与税の基本原則として、贈与を受けた人で判断するため、複数の方から贈与を受けてもそれぞれに特例が適用されますが、特例による非課税金額は合計額で判断されます。

例:特例枠が1000万円の場合、1.父から1000万円のみ贈与→1000万円(贈与税対象0円)、2.父から1000万円、母から1000万円の合計2000万円贈与→1000万円(贈与税対象1000万円)

上記の贈与税特例の適用を受けた場合でも、基礎控除110万円分は別途適用されます。例:特例枠1000万円+基礎控除110万円

贈与税の基礎控除額は長年変わりませんが、なぜ、110万円という半端な金額なのか不思議です。

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2014年05月10日

購入後の維持費用は余裕を持って

若者のクルマ離れが言われて久しい。理由は、クルマを持っているだけでのステータスがなくなった、都心で居住しているかぎり利便性に不自由がない、手軽なレンタカーの普及などあげられるが、一番の要因は維持コストが大きいことだろう。

クルマを買った場合、購入費(マイカーローンを組めば返済)の他に、自動車税、自動車保険料、定期検査の費用、メンテナンスコスト、駐車料などが必要となる。

非正規化社員の増加による若者世帯の収入減少と賃金上昇の期待感が薄く、携帯電話や外食費などの支出が増加に加えて、燃料や保険料の上昇もあり、クルマ離れが進行した。

クルマと同様、不動産を所有する場合にも維持コストは必要となる。住宅ローンの返済に加え、固定資産税・都市計画税(以下、固定資産税等)、マンションであれば管理費、修繕積立金、駐車料(駐輪料など含む)、戸建てなら修繕費用など。

マンションの管理費や修繕積立金等は、販売概要資料にも記載されていることから計算しやすいが、見落としがちなのが固定資産税等である。

固定資産税等は、不動産を所有している人(法人)に課税される。課税対象者は1月1日現在の所有者とされ、毎年4〜5月頃に、課税行政団体(市区町村)から固定資産税等の納付書が届く。

1月1日に所有している人が、1年間分の固定資産税等を納付する義務があり、年の途中で所有者が切り替わっても納付義務者は変わらない。(買主は支払い義務はない)

しかし、この状態だと不公平感を生じるということで、不動産取引の実務では、引渡し(所有権の移転)が行われた日を持って、日割り清算を行うことが慣例となっている。これを公課清算という。

市区町村からの建前(法律規定)では、1月1日の所有者(売主)が1年分を支払う義務があるとされるため、公課清算が行われても買主が税負担したことにはならない。

理屈上(取引上、税務上)は、公課清算で計算された金額を代金に加えて支払う”公課清算金”であり、固定資産税等の負担と言うより代金の追加分とみなす方が正しい。

同じような慣例で、土地で納付済みの水道の給水申込金や下水の負担金、マンションの新築時に一括で支払った修繕積立基金の一時金などは、不動産を構成する一部とみなされ、金銭的なやり取りなく、そのまま権利移転が行われる。

このような慣例は、正論(法的な理論)を用いて意義を唱えることもできるのだろうが、圧倒的な実績数の前に採用されないばかりか、主張するだけでも取引に暗雲が漂うこともある。※例外の取り扱いを私は経験したことはない。

この固定資産税等にもいくつかの軽減措置があり、購入後の負担を和らげる効果がある。

住宅用地の特例:課税時点(1月1日)で住宅が建っている場合、土地の評価額を200平米までは6分の1(都市計画税では3分の1)に軽減し、200平米を超えた部分は3分の1(都市計画税では3分の2)に軽減して税額を計算する。

新築住宅の特例:新築された建物の税額を120平米までに限り一定期間※減額する。※構造により期間が異なり、長期優良住宅になるとさらに延長される。

私の失敗例でお恥ずかしいのですが、固定資産税等の清算金額を計算するにあたり、納付書が届く前の取引(1〜3月)であったため前年度の税額で清算を行ったら、新築住宅の軽減期間終了後であったため、税額が大きく異なるということがあった。

マンションの修繕積立金でも、築年数が経つことにより金額が増加していくケースが多く、購入後の維持費は余裕を持って見込んでおく、もしくは、住宅ローン返済に余裕を持っておくことが必要となる。

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2014年05月09日

不動産と沿線の肝を握るのは鉄道

東京スカイツリーの開業に伴い、東武伊勢崎線の呼び名を東武スカイツリーライン(愛称?)へ変更し勢いに乗る東武鉄道。

東武東上線は副都心線を経由し横浜(みなとみらい、中華街)まで直通運転を開始し、有楽町線との直通運転との並存で都心通勤のベッドタウンとして発展している。

伊勢崎線と東上線で埼玉県から都心へとつながる路線が中核をなす東武鉄道の路線網だが、この他の路線は栃木県を中心としたローカル色が強く、更なる発展を目指すために東武鉄道は東武野田線の強化を図るようだ。※都心の下町色が濃い亀戸線もある。

スカイツリーラインで味をしめたのか、今年の4月より東武野田線に「アーバンパークライン」という愛称をつけた。この愛称は都市と公園をつなぐという意味合いらしい。

不動産の情報は路線・最寄駅を基準に整理されており、路線名称が変更となると大騒ぎとなるが、今のところ、特に染み渡ることもなく、平穏に日常は過ぎている。

新型車両も投入し、愛称もつけて、東武野田線を第三の中核に育てようという意向を感じてはいたが、先ごろ発表された東武鉄道の中期計画でも明確に打ち出されていた。

千葉県の船橋から柏、春日部を経由し大宮まで繋がる東武野田線は、すべて各駅停車の運行となり、首都圏の生活路線にも関わらず単線区間が残り、沿線には農地が多く残っているなど、郊外色が濃い。

東武野田線を通勤で利用する場合、都心へと繋がる路線への乗り換えが必要となり、通勤時間を重視する傾向が強まる昨今、現状のまま何かしらの手を打たなければ沿線からの人口流出に繋がってしまう。

沿線の人口流出は、鉄道事業に加え、さらに、スーパー、スポーツジム、宅地開発などの沿線事業にも含めて、東武鉄道グループ全体へ大きな影響を及ぼしてしまう。

東武野田線の利便性などを向上させる具体的な内容は、六実駅〜逆井駅間の複線化、大宮駅〜春日部駅間の急行運転実施、東武伊勢崎線との直通運転など。

六実駅〜逆井駅間の複線化が実現すると、総武線船橋駅〜北総線新鎌ヶ谷駅〜常磐線柏駅間がすべて複線化となり、列車の待ち合わせ時間がなくなることから所要時間の短縮と本数増加が期待される。

大宮駅と春日部駅間の急行運転、さらに、伊勢崎線との直通運転がなされると、都心へ1本(日比谷線)でつながることも含め、通勤時間の短縮が大幅に短縮される。

通勤時間が短縮されると、都心への通勤する世帯を沿線に誘引する効果が生まれる。沿線に住みたい人が増えれば、自然と不動産価格にも反映され、街が発展することによりさらに人を呼ぶという好循環が生まれる。

つくばエクスプレスのような鉄道の新規敷設による効果までは期待できないが、これから不動産を購入する人は、今後、街が発展して生活しやすくなるか、資産価値が保たれやすいか、などの将来性も考えられればなお良い。

今朝、2040年には半数近くの自治体が人口減少による影響で消滅してしまうかもという内容のニュースが流れた。生き残りをかけ、自治体、沿線で、人の奪い合いが始まろうとしている。

日本全体で地域による格差が生じ始めているが、もっと細部の自治体、沿線でも、勝ち組、負け組に分かれることになるのだろうか。暮らす地域がどちらに属するか、重要度は増しそうである。

東武野田線:船橋駅(総武線)〜新鎌ヶ谷駅(北総線・新京成線)〜柏駅(常磐線)〜流山おおたかの森駅(TX)〜春日部駅(東武伊勢崎線)〜大宮駅(東北本線)を繋ぐ62.7km。

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2014年05月05日

ホームインスペクション(建物検査)

本日、売却の依頼を受けている一戸建てのホームインスペクション(建物検査)に立ち会ってきた。点検の依頼先は、業界最大手のさくら事務所。約3時間にて完了した。

点検をした物件は、今年でちょうど築20年を経過した建物であり、今までの慣例や通説なら、建物は築20年経っているので価値がゼロとされることもある。※あくまでも通説、俗説。

先月末から販売を開始したばかりで、買主が決まるのはこれからだが、購入をご判断いただくにあたり、建物の状態を良くも悪くもそのままお伝えすることにより安心していただける。

そして、安心していただくことにより建物をきちん評価していただき、価値を見出していただければ、売主にとっても良い条件、早期の売却の可能性が高まる。

また、建物の状態を伝えることにより、取引後に不具合が発覚することも少なくなり、トラブル防止となって、売主、買主ともにメリットを享受できる。

このインスペクションは、売主の承諾が必要となるため、購入者が希望しても、すべての物件で対応できるとは限らない。

ただし、今後、中古住宅の取引量が増加していくと、インスペクションなどの対応を売主側がどれだけ行っているかも、物件選定の判断材料となり、販売活動の優劣にも影響してくる。

大手仲介業者では、建物検査から補償まで資金と組織力を活かして取り組み始めている。今まで、不動産取引の現場では、売主側が強くなる傾向があったが、購入者側が強くなっていく今後は、売主側でどれだけの対応をするかが問われるようになるだろう。

以下に、国土交通省が策定したガイドラインを抜粋して紹介する。

「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(平成25年6月・国土交通省)

中古住宅は、新築時の品質や性能の違いに加えて、その後の維持管理や経年劣化の状況により物件ごとの品質等に差があることから、消費者は、その品質や性能に不安を感じている。このような中、中古住宅の売買時点の物件の状態を把握できるインスペクションサービスへのニーズが高まっている。

現在、既存住宅を対象として行われているインスペクションは、その内容から大きく分けることができ、本ガイドラインにおいては中古住宅売買時に行われる建物検査※を対象としている。

※目視等を中心とした非破壊による現況調査を行い、構造安全性や日常生活上の支障があると考えられる劣化事象等の有無を把握しようとするもの← 既存住宅の現況把握のための基礎的なインスペクション(既存住宅に係る一次的なインスペクション)であり、中古住宅売買時の建物検査や住宅取得後の維持管理時の定期的な点検等がこれに当たる。

業務内容は、これを実施するためのコストが、利用者にとって一般的に負担可能な程度となること、また、短期間で手続きが進められる中古住宅売買時の流れの中で利用可能なものであること。 検査結果が、どの検査事業者が行ったかによらず同様の結果が得られるよう、現時点で得られている知見や一般的に用いられている検査技術等に基づいたものとすること。

現況検査の内容は、売買の対象となる住宅について、基礎、外壁等の住宅の部位毎に生じているひび割れ、欠損といった劣化事象及び不具合事象の状況を、目視を中心とした非破壊調査により把握し、その調査・検査結果を依頼主に対し報告することである。

確認する劣化事象等としては、以下を基本とする。1.構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの(例)蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等。2.雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの(例)雨漏りや漏水等。3.設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの(例)給排水管の漏れや詰まり等。

--(その他、詳細はガイドライン参照)--

参考:本日、建物検査を実施した物件

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2014年05月04日

不動産購入時の税金

4月末で弊社は決算を迎えました。大企業のほとんどが年度末で決算となりますが、弊社みたいな零細企業は決算期がバラバラです。

会社が決算を迎えると1年間の事業所得を計算し申告します。たとえ儲かっていなくても、県と市に均等割りの法人市民税、事業税を納めなくてはならず、さらに消費者から預かった消費税の納付もあります。

このように自営業者は毎年、税金を納付する機会が訪れますが、会社員の方は、先日の消費税増税などニュースで聞くことはあっても、税金の納付について深く気にする方は少ないのではないでしょうか。

年末調整とは(国から見て)便利なシステムで、会社員の方々に税負担を深く重く考えさせる機会を減らし、重税感を和らげ、政治への反発を抑えるようになっています。

不動産を購入する際にも、さまざまな税金が課せられておりますが、必要だからと流れるように支払っております。改めて、不動産を購入する際の税金をご紹介しますので、意識してみてください。

1)消費税

不動産取引のなかでは、消費税の課税対象は内容に分かれます。代表的なところでは、土地は非課税、建物は課税、個人が自宅を売却する際の建物は非課税、関係各所の手数料や報酬は課税、保険料・利息・税金は非課税。

2)印紙税

購入者側は代金の領収がないので、契約書類のみに印紙税が課税されます。収入印紙を貼ることにより納付が完了します。主な契約書類は、売買契約書、請負契約書、金銭消費貸借契約書。

3)登録免許税

不動産には登記がつきもので、この登記を行う際には登録免許税の納付が必要となります。登記内容や種別により税率は異なり、住宅用家屋(要件あり)には軽減措置もあります。建物完成時の表示登記は非課税。

4)不動産取得税

文字通り、不動産を取得した際に課税されます。売買に限らず贈与や交換の際にも課税されますが、相続での取得は非課税です。土地、建物ともに、自宅(要件あり)の場合は軽減措置があります。

5)贈与税

購入資金の贈与を受けた、資金の拠出なく不動産を取得したなどの際には贈与税が課税されます。全額を一人が出したにも関わらず、配偶者や親族との共有にすると当てはまります。住宅取得用の特例(婚姻20年超の夫婦、直系尊属など)もあります。

6)固定資産税等の清算(都市計画税含む)

固定資産税は所有している人への資産課税ですが、購入時に対象年度の固定資産税の分担があります。1年間の区切りは当事者間での合意項目で、東日本と西日本で区切る期間の慣習が異なります。

以上が購入した際に支払う税金となります。住宅ローン減税、住まい給付金は、購入後に還付される(受け取る)ものなので割愛しました。売却する際の税金も割愛します。

各税金は内容により税率も異なり、さらに複雑な特例や軽減措置とその対象になるかどうかの要件もございます。個別の税額については、個々にご確認し、分からないときは課税窓口や関係者(本来は税理士)へご相談ください。

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2014年05月03日

中古住宅の価格構成には心理面が影響

中古住宅、中古マンションを購入する人が、若年層を中心に増加していると、日本経済新聞の記事で紹介された。

「中古住宅、若年層の購入活発 13年度の首都圏成約件数が最高(2014/05/01、日本経済新聞)」の記事に、すべてのポイントが簡潔にまとめられているので、そのまま引用させていただく。

 中古住宅は新築に比べ割安な点などが受けて需要が拡大している。東日本不動産流通機構(東京・千代田)によると、2013年度の首都圏の中古の売買成約件数はマンション・戸建てともに過去最高だった。新築信仰の根強い日本の住宅市場だが、若年層を中心に中古への抵抗感が薄れてきている。東急リバブルは「20歳代の購入が増えている」という。

 13年度の首都圏の成約件数はマンションが12年度比13%増の約3万6千戸、戸建てが3%増の1万2千戸だった。首都圏の中古マンションは平均2600万円と新築の半分程度の水準だ。購入後にリフォームしても新築より2〜3割安く済むケースが大半。新築は建設費上昇を背景に先高観が強い。コンサル会社のトータルブレイン(東京・港)は「新築に手の届きにくい若年層が中古を購入する」とみている。

 「中古購入者の大半がキッチンなどのリフォームを実施する」(東急リバブル)。間取りや設備を大幅に変更するリノベーションも広がっている。同事業を手掛けるリノベる(東京・渋谷)は「新築と迷う顧客が割安さから中古を選んでいる」という。

 矢野経済研究所によると、13年のリフォームの市場規模は消費増税前の駆け込み需要もあり12年比12%増の約7兆円だった。14年は反動減を見込むが、長期的には成長が見込める。国も20年に市場規模を2倍に拡大させる方針を掲げており、政策面での後押しも期待できる。


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中古住宅、中古マンションが売れているということだが、さらに建物の状態や条件により取引される価格は異なる。個々の状況は分からないため、単純に、築年数により価格がどのように変動するか調べてみた。

戸建ての場合、価格に占める土地の割合が高いので、マンションをサンプルにした。

サンプル抽出条件)松戸駅・徒歩10分以内・60〜70平米・成約事例。すべての成約単価は、駅からの徒歩時間と所在階による修正済み単価。加重平均により試算。

新築時を100%とした場合、築10年目までは80〜90%で推移し、11年を超えると20年目まで60〜70%、21年目を超えると40%を下回る。

不動産流通近代化センター(実質、国土交通省)のマンション査定マニュアルでは、築年数が1年経過するごとに段々と評価が減少するとなっているが、実際には、10年毎の節目ごとに価格のステージが変わる。

イメージにすると、マニュアルでは、なだらかな右下がりの直線となるが、実際の成約事例データでは11年目と21年目にガクッと落ちる階段状になる。

実際には、マンション全体、室内状況、取引時の社会情勢もあり、松戸駅だけのデータでもあるから参考程度に留まるが、ここから売り買いのタイミング計ることができる。

購入者側から見れば、築11年目(やや遅れて12年目)、築21年目(同22年目)の物件が狙いどころとなり、売却側から見れば、築10年目(少し早めて9年目)、築20年目(少し早めて築19年目)のタイミングで売却するほうが有利になる。

すべての人がこのことを知れば、国のマニュアル通りに価格も推移するだろうが、現実的には、このような知識を知っているかどうかで大きな差となる。人という要素が強い自宅の取引では、感情と行動心理という人間心理が大きく影響を与え、理論通りにはならない。

国も後押しをし、中古住宅の心理的な抵抗感も減り、成長が望めない景気動向から収入増加の期待がなく予算を抑える中古住宅は、これからさらに活発な市場を形成していくことは必然で、そこで有利に働かせるためには知識が必要となってくる。

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posted by preseek_shibata at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月02日

住まい探しの成否をわけるポイント

さまぁーずを起用したCMを放映中の不動産情報会社アットホームが、2011〜2013年に住宅を購入した方へアンケート調査を実施した。ちょっと気になった結果について、ご紹介します。

・新築マンション購入者は、金利などタイミングを見計らった購入が多い。(引き渡しが先になるため、すぐに住宅が必要となる方が対象から外れやすい。タイミングを計ることができる)

・中古マンション購入者は、居住する賃貸物件の更新や家賃の支払いなど、現在の状況をきっかけとした購入が多い。(家賃と返済を比べることが多いため、支払いを抑えることができる中古へ流れるためか)

・新築マンション購入者の方が、より駅からの距離を意識し、中古マンション購入者は広さを重視する傾向。(高額予算を持てる方は通勤時間の節約重視というビジネスマンに多いことからか)

・新築一戸建てを購入した方は、中古戸建て、マンションを購入した方よりも、購入を終えた後に後悔することが多い。理由は十人十色。(とても面白い結果だが、業界の中にいるとしっくりくる結果)

・中古一戸建てを購入した方は、広さと部屋数を重視。物件探しの際、こだわる要素が少なく、長期化しやすい傾向にある。(購入後の後悔が少ないという結果も、こだわりが少ないことの裏返しか)

・女性の方が男性よりも、金利などの資金面で堅実な傾向にあり、こだわりポイントも曲げない。(男性は目移りしやすく、かつ、これはいいと思ったら資金面を忘れテンションが高まる、趣味のようなイメージ)

・購入後に後悔する割合が高かったのは、収納、広さ、バルコニーの広さ、駅までの距離、防湿防雨機能。(最後の暴雨機能って雨漏り?)

・探し方への反省は、時間に余裕を持てなかった、事前に資金面での計画を立てていなかった、他の物件との比較をすればよかった、業者へ意思をきちんと伝えればよかった。(事前準備なく進んでしまったことが要因)

・女性は契約までの時間が短い、決断力がある。(男性はぐずぐずしているという現在社会の特徴のままに。資金面での計算ができており、重視する項目、捨てられる項目をしっかり認識しているのは女性)

・マンション購入者の半数以上が駅から徒歩10分以内、75%の人が徒歩15分以内。それに対して、戸建て購入者は、徒歩10分以内が25%、10〜14分が25%、15〜19分が25%と駅への距離感へのこだわりは分散している。

・購入する際に携わった不動産業者については、対応態度の良さ、迅速な対応、まめな連絡、相談しやすい、という点を重視。(この評価で満足不満足が分かれる)

すべて「アットホーム調べ」、()内は私見。

ご参考になりましたでしょうか?

この中でも私が特に興味を持ったのが、新築一戸建てで後悔している人が多い、女性のほうが決断力がある、事前計画の不足を反省している、の3つです。

すべて、住まい探しのお手伝いをしていくなかで、その通りと納得するものです。なぜ、このような結果になるのか、検討してみると住まい探しの成否をわけるポイントが見えてくるかもしれません。

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