2014年03月30日

もうひとつの2020年(高齢化)

2020年に開催が予定される東京五輪に向けて、年々盛り上がっていくと思われますが、それと同時に超高齢化社会へも着実に進んでいき、東京五輪開催の2020年には全員70歳代となって働く側から養ってもらう側に移行する。

今朝の時事放談で、88歳の野中氏が衰えもない姿を見せていたが、80歳も越えて元気に稼いでいる人(野中氏は老人向け事業をしているらしい)は稀で、官民ともに医療や介護などの老後の生活(民)・高齢者対策(官)に要るお金は確実に増加する。

このために対策(お金集め)をしなければならないのだが、官による第一弾が今回の消費税増税である。高齢者、福祉などへの予算増加は感じられないが、建前はそうであり、10%への再増税へも同じように言い続けるのだろう。※年金保険料の引き上げなど、こっそり裏の第一弾も実施。

老後対策へは、民のレベルでは、さらに切実に自身の問題であることから動き出しており、住宅の購入・売却をサポートすることに携わっている現場では日々感じることが多い。

昨日の打ち合わせで、マンションは耐久年数と自身の寿命との兼ね合い、老後資金と購入資金との兼ね合い、子供たちとの兼ね合い(将来的な相互扶助)などが、物件選定よりも中心の話題となった。

この他にも、自宅売却をして、その資金で次の住まいと老後資金の貯蓄をしたい、次の住まいは娘の家の近く、というご要望を承った。

少し前までは、住宅購入の主役は第一次取得層(独身、新婚、小さい子供がいる団塊ジュニア世代)だったが、ここ1年程度は、団塊世代の方(定年前後、現役から老後への転換期)が半数以上を占めている。

団塊の世代の方の住まい選びでは、中古マンションの需要が多い。これは、階段がないフラットな住まい、駅や生活施設に近い利便性、庭の手入れ負担の軽減などの物件特性に加え、老後資金を取っておくために予算を抑えてという現実的な面も大きい。

不動産売買(購入、売却)を専業として営業をしていると忘れがちだが、このように住み替えができる人は、まだ救われている方なのだと思う。

60歳前後での購入では、住宅ローンを組むことは実質的に厳しいなか、現金もしくは不動産で住み替えをする資金を捻出できることであり、購入ももちろん、住み替えもままならない方も多いのではないか。

現金を貯めることは、現役時代の節約と稼ぎによるところが大きく、不動産営業の立場で言えることもないが、不動産に関わることとして、自宅の売却で資金を捻出する場合、必須として売れること、さらに高く売れることが明暗を分けることを感じる。

売れる自宅とは、法的な面と立地面などの基本的な要素に問題がないこと。さらに高く売れるというのは、付加価値のある立地や物件であること。

土地、戸建て、マンションなどの種別ごとに要素もさまざまだが、これから購入しようとする第一次取得層の方も、老後のことを考え、出口戦略をもって、売れるか、さらに高く売れるかを考えながら購入することが肝になる。

目先の生活も大事だが、今の生活がクリアするかどうかではなく、長期的な視点も併せて検討したい。(住宅ローンの返済、教育資金と老後資金の計画なども含めた家計を考慮した資金計画も)

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2014年03月28日

多様化する住宅の供給

UR(都市再生機構)が前面に出て住宅の新規大量供給をすることは疑問に思うが、URが貸す住宅で新しい取り組みが始まった。

「UR都市機構のDIY住宅」(以下、説明文はURサイトより抜粋)

DIY(Do it yourself)とは、一般的に「家具など既製品を買うのではなく、自分の手で作ったり修理したりすること(広辞苑第6版)」と言われています。これまでの賃貸住宅では、「壁紙を自分の好きな色に替えたい!」「作り付けの家具を設置したい!」と思っても、退去時の原状回復義務などの制約がありました。今回、UR都市機構がご提案するDIY住宅は、そのような制約を見直し、お客様自らの手でお客様好みの住まいづくりを実現できる賃貸住宅です。

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住まいに限らず、借りた物をいじるというのは躊躇われる、という意識が根強い。

今までの賃貸事情では、賃借人(入居者)は、借りたらそのまま使う(変更には貸主の承諾が必要)、いじったり破損したら直して返す(原状回復義務)、という制約がある。

賃貸人(大家さん)は、貸す前に賃貸人の負担で修繕(改装)する、賃貸中の不具合も賃貸人の負担で対処する、という負担がある。

この融通しづらい賃貸事情が、住宅取得(売却、空き家)への一本道を推進していると言える。

自分たちなりのオリジナルな住まいに住みたい → 賃貸では実現できないだから買おう。

傷つけないかビクビク緊張しながら住むのは気疲れする(しんどい、面倒) → 買っちゃおう。

修繕費や改装費を考えると賃貸収入がほとんど残らない(赤字さえも) → このまま空き家にしておこう。(売っちゃおう)

これらの事情を考えた際、URが取り組み始めたDIY賃貸住宅というのは、住まい方の新しいあり方となり、シェアハウスのようにブーム(注目)となって、ある程度の広がりを見せるのではないか。(民間もリフォーム会社を中心にのってくるでしょうから)

ブームが去った後、この方式が定着するのか、稀なケースとなるのかは、社会(文化?)全体の意識がどの程度変われるか注目される。

これに先立ち、住宅購入の分野でも、官民とも、中古住宅の流通促進とリフォーム・リノベーションを推進し始めている。

この流れが定着して中古住宅に一定の市場が確立されるのか、やはり新しい物好きの日本人(韓国やアジア圏で共通という話も)の住宅市場では新築偏重のままなのか、この行方も注目される。

日本では、中古住宅に価値が認められず、中古住宅市場が小さいのはなぜか。欧米では建物も日本の数倍長く利用され、数倍の件数が取引されている。

この違いについて諸説議論も盛んだが、整理してみると、1)リアルに耐久年数が持たない(構造や材質)、2)価値が出ないからお金(メンテナンス)をかけない、3)災害が多くて使い捨て(お金をかけない)が合理的、4)カスタマイズが多く価値が出しづらい(標準的な方が需要への対応がしやすい)、5)新築大好き、6)資料や状況が不透明で不信感がある(新築なら書類や機能が分かる)、7)政治的に新築偏重、などが多い。

ニワトリと卵のような議論で結論は出ないが、住宅余り(人口減少)の時代、賃貸にしろ、持ち家にしろ、現在ある中古住宅(社会資本)をどう活かせるか。

増税や負担増加がきつくなっていく今後、経済を破綻させた現世代が、次世代(Y世代、ポスト段階ジュニア)を苦しめないためにも大事なポイントになる。

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2014年03月25日

2014年(平成26年)公示地価

1月1日時点の地価を示す「公示地価」では、前年の地価がどのように動いたかを知ることができる。

先日発表された平成26年の公示地価から平成25年の地価動向を考えてみると、「安倍政権の経済政策(アベノミクス)」の効果※により、都心部を中心に上昇へ転じ、デフレからの脱却を”予感”させる内容であった。※実際の効果というより期待や雰囲気。

平成26年・公示地価の内容を列記すると、次の通りになる。

・東京、大阪、名古屋の3大都市圏で、住宅地、商業地がともに6年ぶりに前年比プラスとなった。(1年を通して上昇)
・特に2020年に東京五輪・パラリンピックが開催される湾岸地区は10%前後も上昇した。
・住宅地は、住宅ローン減税などの施策、低金利状態、消費税増税の駆け込み、などを背景に、三大都市圏では上昇、その他でも下落率の縮小。
・全国平均の公示地価は住宅地、商業地とも6年連続のマイナスだったが、下落幅は縮小した。

国土交通省の公示地価概要(発表資料より抜粋)

【総括】
・全国平均では、住宅地、商業地ともに依然として下落をしているものの下落率は縮小傾向を継続。
・三大都市圏平均では、住宅地、商業地ともに上昇に転換。
・上昇地点数の割合は全国的に大幅に増加。特に三大都市圏では、住宅地の約1/2の地点が上昇、商業地の約2/3の地点が上昇。一方、地方圏では住宅地、商業地ともに約3/4の地点が下落。
・都道府県地価調査(7月1日時点の調査)との共通地点で半年毎の地価動向をみると、三大都市圏の住宅地はほぼ同率の上昇、商業地は後半上昇を強める。また、地方圏の住宅地、商業地ともに後半は下落率が縮小。

【住宅地】
・低金利や住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えや景況感の改善による住宅需要拡大等もあって、都道府県全てで下落率縮小や上昇への転換等が継続して見られる。特に利便性、住環境等に優る住宅地では上昇基調が顕著となった。
・東京圏は、上昇地点の割合が大幅に増加し、半数以上の地点が上昇となった。特に埼玉県、東京都、神奈川県は下落から上昇に転じた。なお、半年毎の地価動向をみると同率の上昇となった。

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今回の発表結果のみを素直に受ければ、デフレ脱却、景気回復と、明るい兆しが見えてきたとなるが、今年以降の背景を考え合わせると楽観視できるものではなく、それ以上に悲観材料も多い。

懸念する材料を列記すると、次の通りになる。

・消費税増税の駆け込み需要の反動減(需要の先食い)による需給関係の悪化。
・消費税も含めた購入費の増加。
・相続税の増税、高齢化などから、供給(売却)増加による需給関係の悪化、人口減少と高齢化による住宅余り。
・家計の支出増加による景気悪化。※消費税増税以外にも、社会保険料の負担増と支給減、ガソリンや住民税の増税など多々ある。
・建材値上げや人手不足による建設費の高騰。
・国際情勢の悪化による景気(金融、株式)の低迷。原油や天然ガスなどの燃料費高騰。
・凶悪犯罪の増加による治安の悪化。※暗いニュースが増えると低迷要因となる。

これらの懸念材料が複合的に絡み、アベノミクスが期待感であったことの裏返しで、悲壮感から逆戻りになることが考えられる。

唯一期待が持てる(期待したい)のは、6月のブラジルW杯。ここで好成績を上げることができれば(決勝トーナメント進出が最低条件か)、今年後半は明るくなり、不動産市場や景気全般も好調になるかもしれません。

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