2013年12月17日

用途地域が絶対ではない

マンションなら利便性、一戸建てなら住環境の良さ。

マンションでも住環境の良さは求め、一戸建てでも利便性は求める傾向もあるが、もっとも重視する点として、住まいの特性から、マンションなら利便性、一戸建てなら住環境の良さがあげられる。

都市計画で市街化区域に指定されたエリアには用途地域が定められる。用途地域は12種類に分けられ、地域ごとに建てられる建築物の用途と建ぺい率、容積率、高さの制限などが決められている。

住環境の良さを重視しながら住まい探しをする際には、まず、この基本的な部分を確認し、求めているイメージと合っているか検証することになる。

しかし、法制限が一番厳しい「第一種低層住居専用地域」だからといって、必ずしも確実なものではない。

例えば、第一種低層住居専用地域では建築物の絶対高さが10m※と制限されているケースが多いが、10mあれば3階建ての建築は可能となる。※地域により12m

また、アパート、マンションなどの共同住宅も住宅として考えられるため、一戸建てと同じように建築ができる。さらに道路向かいや周辺で用途地域が異なれば、広い地域性としては住環境が異なる結果もありえる。

このように、用途地域の確認は基本的な要件として大事ではあるが絶対的なものではなく、十分に納得するためには個々の不動産に対しての検証が必要となる。(割り切るため、総合判断のためにも)

購入する際には、個々の不動産に対してそれぞれ調査、確認して、その後に購入の申し込み(買い付け)を提出するという順番が大切になる。

そんなの当たり前でしょ、と思われるかもしれないが、悲しいことに、申込→調査→契約当日に説明、というのが業界では一般的である。

【12種類ある用途地域のイメージ】
第一種低層住居専用地域:低層住宅の良好な住環境を守るための地域。住居兼の店舗(制限あり)や公共施設も建築ができる。
第二種低層住居専用地域:主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域。第一種より住居兼店舗の条件が緩和されている。
第一種中高層住居専用地域:中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。中規模な店舗や公共施設も建築できる。
第二種中高層住居専用地域:主に中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。第一種より住居兼店舗の条件が緩和されている。
第一種住居地域:住居が中心の地域であるものの、環境を損なわない程度の事業性ある建築物の建築もできる。
第二種住居地域:主に住居の環境を保護するための地域。第一種より事業性建築物の要件が緩和されている。
準住居地域:幹線道路の沿道など、ロードサイド型店舗等の建築に対する要件が緩和されている。
近隣商業地域:近隣日常型の商業施設などの増進を図る地域。ほとんどの事業性ある建築物の建築ができる。小さい地域(駅)の中心地。
商業地域:主に商業等の業務の利便の増進を図る地域。住環境に対して配慮されない。ほとんどの事業性ある建築物の建築ができる。市街地の中心地。
準工業地域:主に軽工業の工場や倉庫など、環境悪化の恐れのない工業系の利便を図る地域で、住宅も建てることができる。
工業地域:主に工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てられ、かつ、住宅も建てられる。
工業専用地域:工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てられるが、住宅や公共施設などは建てられない。

建ぺい率、容積率は、地域ごとに一定ではなく各行政がさらに細分化して決めている。高さの制限も基本的な部分は共通だが、地域の状況から、高度地区指定などにより制限を緩和・付加していることも多い。

さらに、地区計画、建築協定、風致地区など、その他の法律的な制限や、各行政により独自の条例も設けていることがある。

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2013年12月13日

セールスの勢いに負けると怖い

平成26年度の税制改正もほぼ決まり、消費税増税が迫ってきたことが実感される。消費税増税に伴う住宅関連税制として、住宅ローンの拡充と住まい給付金はすでに決まっている。

住宅の消費税増税は、契約時期ではなく引き渡し時により消費税率が決まる。

建売など増税前に引き渡しが可能な物件は、これからが駆け込み需要のピークとなるが、引き渡し時期が増税後になる建築やマンションは、本年9月までに第一弾の駆け込み需要は終えた。

毎度のことで予想されたことだが、営業の現場では、9月までは「消費税増税前に契約した方が得だ」と言い、10月以降は「消費税増税後の方が住宅購入支援策が拡充されるので得」と言っている。

毎年、毎月、とにかく、営業の現場では、いつでも「今が得」「今買わないと損」と言う。一年中聞いていると、いったいいつが一番得なんだよ、結局、今売りたいという営業側の思いなんでしょう。

動的なセールスが営業とすれば、静的なセールスとして、折り込み広告、雑誌、ネット広告などがある。

営業は人が生身で行うから、売りたい気持ちが前面に出てしまうのであって、広告は違うだろう、とはならず、売り上げ、利益を上げたい意向は、営業よりも強いことが多く、広告ではさらにセールス色が強まる。

ネットを含め、広告では、雰囲気がよい公園や環境、すてきな外観になる建物などを「イメージ」として前面に押し出していることが多い。

しかし、現地に行ってみたら、周りを見て、あれ〜と思うことも多く、建物に関しては、外観、室内問わず、完成していればギャップを埋められるが、未完成の場合、どのようになるか怖くて、私なら手が出せない。

広告表記も、さすがに法律違反となる「最高、完璧、絶対、一番、破格・・・」などの禁止用語を使われているケースは皆無?だが、これっていいの?というグレーゾーンのような表記は多い。

その典型的な例は、「家賃以下の返済」などと書かれた返済シミュレーションである。

返済例として書かれているのは、変動金利(最優遇金利)、35年、ボーナス比率マックスの50%で計算され、太字で大きなフォントの月々返済額。

購入後の住居費には、固定資産税等の公課、修繕費、マンションの場合は、この他に管理費や駐車場代もかかる。特に新築マンションの場合、販売促進のため、新築時から数年のみは格安の修繕積立金だったりもする。

「キャンセルが発生しました、今がチャンスです」というのも、売れ残りだったりすることもある(ホントにキャンセルであることも)。キャンセルだからチャンスとかではなく、その物件が合っているかどうかで見極めたい。

消費税増税の駆け込み需要に加え、金利の低水準と先高感、景気回復の気配・雰囲気などから、都心部を中心に不動産、マンション市場は活況となっている。

都心好立地で人気のあるマンションでは、事前に予約をしないとモデルルームの見学をすることもできず、先行見学会などにより、販売開始時にはすでに完売ということもあるらしい。

この勢いにのまれて、つい買ってしまうということもあるかと思われますが、セールストークや宣伝文句に惑わされずに、冷静、客観的、大局観に立って、ご判断ください。

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2013年12月11日

政府のご都合的な住宅政策

かねてより話が出ていた「フラット35の100%融資」が、1年限定で復活することに決まったらしい。

「フラット35の全額融資、金利上乗せ 国交省」(13.12.11、日本経済新聞)

 国土交通省は住宅金融支援機構が手がける長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」で、住宅の購入額の9割としている融資の上限をなくす特例措置を来年に実施することを決めた。貸し倒れのリスクを考慮し、全額融資の際は通常より高い金利を適用する。金利の上乗せ幅は0.4%前後で調整する。〜中略〜今回の融資は来年の通常国会で補正予算が成立した後に実施する。期間は1年間の予定だ。金利が上乗せされるのは住宅購入額の全額を借りる人で、借り入れを購入額の9割以下にとどめる人は通常の金利が適用される。

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これは、消費税増税後の需要減少を緩和するための時限措置で、住宅ローン減税の拡充と中低所得者向けの現金給付制度に続く「第三の矢」である。

現実に、消費税の現行税率が適用となる9月末までの建築の請負契約は凄まじく、今、ちょっとしたことを頼んでも、建築会社を始め、設備、土木、解体、外構などの関連業界すべてが忙しくて、対応してさえもらえない。

ただし、その反動で10月以降の受注状況は厳しいらしい。

「戸建て住宅の受注減、止まらず 大手4社、回復時期不透明」(13.12.11、日本経済新聞)

 住宅大手の注文住宅の受注減少が止まらない。消費税の現行税率5%が適用される9月までの駆け込み需要の反動で、11月の受注額(速報値)は積水ハウスなど大手4社のうち3社が10月に続き2ケタ減となった。住宅展示場の来場者数など一部に明るさもあるが、回復時期は不透明だ。最大手の積水ハウスは11月の受注額が32%減と、10月(16%減)からマイナス幅が拡大。4社の中で唯一10月がプラス(7%増)だった大和ハウス工業も11月は4%減。「減少に転じるのは予想したが、反動減の影響がどれほど続くか読めない」という。以下略

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今年1年、景気は回復基調であるのは間違いないとしても、公共工事と個人消費の内需で支えられているもので、以前のように外需ではない。

財政赤字による公共工事削減と消費税増税による消費の落ち込みがくると、この景気回復も腰折れし、景気回復が支えている内閣支持率も落ちることが予想されるため、内需の中心となる住宅産業に対しての下支えは躍起になっている。

その下支え内容が「新築偏重」であることは残念であり、今後の不動産、住宅が置かれる状況が懸念される。

現在、空き家が増加していることが社会問題となっている。これは地方に限らず、郊外の住宅地でも、都心でも現れている。人口減少、世帯減に向かうなかで、住宅余りにも関わらず、なぜ、さらに住宅供給を進めていこうという政策を行うのか。

今回のフラット35の100%融資にしても、自己資金がなくてもとにかく買え、建てろ、しかし、金利は上乗せだ、というのは、個人、国民、生活者よりも企業、業界、最終的には、自分たち(政治家、政府)がよければということなのだろう。

疑問が残る政策ばかりである。大局観に立った政策、運営、指導ができないものか。

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2013年12月08日

耐震基準適合証明書を取得する利点

「耐震基準適合証明書を取るのはどうすればいいのでしょうか?」

先日、このような電話がかかってきました。かけてきた方は、今年、中古住宅を購入し、住宅ローン減税を申告するために準備をしていた。

購入した物件が築20年(木造)を超えているため、住宅ローン減税を受けるために「耐震基準適合証明書」が必要であると知り、どのようにすればいいかをネットで検索していたところ、弊社のサイトにたどりついたらしい。

すでに不動産取引も完了し、引渡しも受けて、居住しているとのこと。

結論から言うと、厳しい(ダメ)とお伝えさせていただきました。

購入した人が、中古住宅に係る住宅ローン減税等の特例措置を受けるためには、「引渡し前(所有権移転前)」に発行されている「耐震基準適合証明書」の取得が条件となります。

引渡し前に発行する、ということは、売主側で取得して、不動産取引の決済引渡しの際に、お渡ししなければならず、売主側の協力が必要となる。

流れとしては、購入側は購入の申し込みをする時点で、価格交渉などの条件に「耐震基準適合証明書」の取得とし、建物決済引渡し時に併せて引渡すことを加えて申し出ておくことが必要となる。

この証明書発行には、手間と費用がかかるが、費用は価格に織り込むか買主負担としてもいい。

手間がかかることから敬遠する売主もいるが、買主側にメリットがあるということは、その分、建物評価が上昇し、回りまわって、売主側にも利益をもたらす。

仲介する不動産業者が、この点を売主側へ伝え理解を得られるように努めるかどうかにより左右される。

消費者側としては、この手間を惜しんで、買主、売主の双方に不利益をもたらすような不動産業者・担当者でないかどうかの見極めが必要となる。

耐震基準適合証明書を取得した住宅には、次のようなメリットがあり、購入に有利となることで、売りやすくもなります。

1.住宅ローン控除が使える(築20年未満の物件の場合、耐震基準適合証明書は不要)
2.登記料(登録免許税)が安くなる(所有権移転登記85%減額 抵当権設定75%減額)
3.不動産取得税が安くなる (土地:45,000円以上減額 建物:築年数により減額)
4.地震保険料が10%割引
5.贈与税の非課税措置を受けられます

◆住宅ローン減税(所得税等の控除)の対象住宅等について
主として居住の用に供する「住宅の新築、取得、増改築等」が対象となり、床面積が50平方メートル以上の他、築後20年以内(耐火建築物は25年以内)又は地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準に適合することが要件となる。

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