2013年11月23日

今は売りどきであり買いどきではない

アベノミクス効果?による景気回復気配により不動産市場が好調である。日本経済新聞の記事を眺めていると、昨日だけでもこれだけの記事が掲載され、個人の住宅購入が活発であるということが分かる。

《中古マンション、値上がり続く 割安感で人気》首都圏は10カ月ぶり高水準(日本経済新聞、2013/11/22)一部略

中古マンションの販売価格の上昇傾向が続いている。民間調査会社の東京カンテイ(東京・品川)のまとめでは、10月の首都圏の平均価格(70平方メートル換算)は前年同月比0.2%上昇し10カ月ぶりの高水準となった。来春の消費増税をにらんだ新築の駆け込み需要が一巡した後でも、マンションの売り手は買い手の購入意欲が衰えないとみて強気の価格提示をしている。中古マンションの個人間の取引では販売価格に消費税はかからず直接の影響はないが、中古のオーナーはマンション全般の販売ブームは今後も続き高値を提示しても成約できるとみているようだ。売買価格の先高観が強いことも需要を後押ししている。

野村不動産アーバンネットの4〜9月期の仲介件数は前年同期比2割強増え、東急リバブルも3割程度増加している。売り手側が値下げに応じなくても売買が成立するケースが一部で出てきている。野村不動産アーバンネットでは「都心部では高めの中古物件も動くようになってきた」と話している。新築に比べ割安感の強い中古物件に注目が集まっている面もある。リクルート住まいカンパニー(東京・中央)の2012年の新築マンションの契約者を対象にした調査によると、中古マンションも合わせて検討したのは4割程度だ。都心部の人気地域では新築の物件を供給する余地が少なくなっているのも影響している。

【住友不動産販売、中古マンション仲介が好調】不動産価格の先高観を受け、個人向け中心に中古マンション仲介が伸びる。取引単価も上昇傾向。(日本経済新聞、2013/11/22)【アルデプロ、営業黒字化目指す】不動産市況が回復、資金調達を拡大して中古不動産市場に積極展開。首都圏の富裕層向けの需要が伸び、マンションのリノベーション販売が増える。(日本経済新聞、2013/11/22)【東京建物不動産販売、中古マンション好調】13年12月期は不動産価格の先高観が追い風。個人向け中古マンションの売買仲介が増加する。(日本経済新聞、2013/11/22)【三井不動産、営業増益】個人向け中古マンションの仲介事業は好調。(日本経済新聞、2013/11/22)【スター・マイカ、増配】1次取得者を中心に割安な中古マンションの購入需要が拡大。(日本経済新聞、2013/11/22)


今回の不動産市場の活況を伝える記事で特徴的なのは「個人向けの中古マンション」という言葉が目立つこと。

これは、「郊外の一戸建て」から「利便性の高い地域」という住宅選択の優先順位が時代とともに移り変わったという側面がひとつ。

もう一つの要因は、「無理して高額な住宅を購入」するより、「割安な住宅を購入」してゆとりある家計(生活、人生)を目指すという所有から利用へという意識の変化であると思われる。

弊社が所在する千葉県柏市(千葉県北西部、東葛)というのは、都心に近い郊外という良くも悪くも中間的な地域であるため、現場の事情は、掲載された記事とは少し異なる様相である。

割安な中古マンションが売れているのは都心と変わらない。ただし、職住近接の利便性というより割安(家計負担が軽い)という側面が強い。都心では手が届かない一戸建ても資金的に届くため、一戸建て(土地)も好調である。

売れている物件の特徴として、一戸建てもマンションも、駅から近く生活施設が整う「利便性」が重視されているのは変わらず、さらに郊外であるから「住環境」も重視される。良くも悪くも中間的で都心と郊外の両者の特徴が相まみえる。

これら一連の状況を裏返せば、「売りどき」であり、「買いどき」ではないと言える。株式市場に置き換えればわかりやすい。安い時に買って、高い時に売る、これが鉄則。

不動産市場も、活況を示し価格が上昇しているなら売りどきであって買いどきではない。お金だけで考えれば、所有しているなら今売ってしばらく賃貸で暮らし、景気が落ちてきたら買う、初めての購入なら景気が落ちるまで待つ、というのが正しい。

不動産投資なら当てはまる鉄則も、住宅購入の本質は「金儲け」ではないため、購入する時期を市場だけでは判断できない。肝は、市場の状況を考慮しつつ最適な選択(時期、選択、資金)をすることである。

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posted by preseek_shibata at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月04日

中古住宅の活性化へ

既存住宅アドバイザー登録を行うために講習会へ参加してきた。

近年、中古住宅を購入する際、インスペクションを行う方が増加している。インスペクションを直訳すると「調査、検査、視察、査察」などの意味となり、住宅購入の場合なら、建物に関しての調査を行うことを指す。

インスペクションは、主に建築士が担い、建物の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき項目や推奨実施時期、概算費用などの報告と助言する。

これに対し、アドバイザーは、インスペクション(検査)に入る前の段階で、建物以外の部分で資産価値に影響を与える項目、災害リスク、かし保険の可否、住宅関連税制、インスペクションの採用などについて、助言する役割とされている。

住宅購入の流れは、おおまかに、情報収集→申込→契約→決済(引渡し)という流れとなるが、情報収集後、申込(または契約)前に、検討する材料を提供し、助言するため、主に不動産仲介会社が担うことになる。

また、住宅の売却時、査定→販売条件の検討→依頼(販売)→契約→決済(引渡し)という流れの中で、査定から販売条件の検討段階で、安心され、高い評価を得られるために助言することから、こちらも不動産仲介会社が担うことになる。

大手不動産仲介会社では、インスペクションへの助言から導入手続き、安心した購入・売却へのサービスとして、保険や保証など不動産仲介業務の付加サービスとして取り入れていく会社が目立ってきた。

このように、中古住宅、中古マンションの取引が注目され、今後、増加していくと思われることから、大小問わず、不動産仲介会社と周辺の関連業界では、さまざまな取り組みを始め、変化していく住宅流通市場での生き残りを模索している。

なぜ、中古住宅が注目されているのか、行政が本腰を入れて取り組み始めたのか、多くの著名人やメディアを通じて言われているものを、国からの視点と個人(家計)からの視点で、改めておさらいしてみる。

1.社会資本を富ませる(国富を豊かにし経済活性化と成長)

中古住宅資本の蓄積

※国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」の参考資料より抜粋

これまで住宅に投入されてきた資金(資本)が、建物部分の評価が短い期間に軽減されてしまうため、国全体で500兆円も減少している。

ゆるやかに減価されるような高品質化された建物であれば、または、適切に評価される仕組みと文化があれば、500兆円ものストックが生み出されており、それが経済へと流れることにより、経済活性化と豊かな国富へとつながる。

2.家計負担を軽減する(生活を豊かにし、ゆとりある老後へ)

中古住宅の活用による住み替え促進

※国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」の参考資料より抜粋

今までのように、建物価値が20年でゼロとなれば、資産の形成が著しく損なわれ、いつまでも住居費負担が重くのしかかる。この結果、生活スタイルや状況に合わない住宅(地域)に住み続けなければならない。もしくは、さらなる住居費負担が生じる。

築年数が古くなっても、ある程度の評価額で売却できれば、生活スタイルに合わせ、住み替えることも容易であり、また、資産形成(貯蓄)することとなり、余裕ある老後が過ごせるようになる。

このようなことから、国は中古住宅(既存住宅)の活性化のため流通市場を整備し、業界はビジネスチャンスを狙って力を入れ取り組み始めている。※人口減と住宅余りが顕著に進む将来を考え、ハウスメーカーも参入してきている。

この大きな流れは、正しい方向に向かっていると考え、弊社としても、志としても生活(会社)を維持していくためにも、取り組んでいくことになる。

ただ、これからは中古の時代だから新築がダメという短絡的な発想は禁物。今まで新築偏重だったのを改め公平にというもので、五分五分になるまでであり、資金的に買えるなら新築でも問題はない。

なお、新築を購入する際は、このような流れを理解したうえ、将来、負け組にならない建物を賢く選択するべきです。※地域についても同様。

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posted by preseek_shibata at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする