2013年10月26日

購入傾向と今後の住宅市場

借入金(住宅ローン)の返済一覧表を眺めれば、先は長いなと感じるが、つい最近までの猛暑が幻のように感じるほど肌寒くなり、今年も残り二ヶ月あまりと月日が過ぎ去るのは早いと感じる。

不動産市場のうち、とくに住宅向けは、季節による需給の変動が現れる。短い秋が過ぎ去ろうとし、冬(年末)が近づいてくると、年末の慌ただしさや年明けからという区切り感から、需要(購入者)は減少傾向になる。

日々、不動産情報を精査していると、値下げ物件も目立つようになり、需要が減少している傾向(売主側が弱気になりつつある)が垣間見える。

相場の格言で「人の行く裏に道あり花の山」とあるように、需要が減少している今こそ、買い時とも言えるが、自宅の購入は、買う方それぞれに事情もあり、お金だけでは判断できないのも仕方ないのか。

今年一年を総括するには気が早いが、今年の購入者傾向を考えてみた。(弊社のケースに限る)

実際、弊社で携わっていた住宅は、1)土地から注文住宅、2)中古マンション、が多い。

住宅の中でも一番予算が多く必要になるのが1の土地から注文住宅であり、千葉県北西部の中古マンションは、建物のクオリティは悪くないものの立地性から手頃感があり、初めての購入者は買いやすい。

都心でも、(種別は除き)富裕層向けの高額帯と、立地と価格のバランスが取れている中古住宅(マンション含む)の売れ行きが好調と言われ、その傾向のままに感じることができる。

自動車でも、高級車が売れている一方(高級外車を日常的に多く走る)、燃費性能に優れたハイブリッド車や軽自動車が多く走っている。

住宅を購入する分野に限っての話で、社会的に言われる二極化、格差社会とまでは言えるものではないが、1億総中流の時代(建売主流)から移り変わり、皆同じから、人それぞれの考え方により住宅を選ぶ時代になったと言える。

リノベーションという新しい中古住宅の考え方も生まれ、国もようやく重い腰を上げて、中古住宅購入の後押しを始めようとしている。

制度が定着することにより、これからは、初めて住宅を購入する層の人たちは、新築一辺倒から中古住宅の購入へとシフトしていくことが予想される。

新築に越したことはないが、日々の生活(家計)から考えて住宅費負担を減らし、それより家族にとって必要な支出の割り合いを増やす方を優先するため、積極的に中古住宅を目指すもので、家が人生のすべてではないという当然の考え方である。

アベノミクスが、本当に言われているような結果を残せるなら、新築住宅へ需要が向かうこともあるかもしれないが、消費税増税を含む、さまざまな家計負担増から考えれば、需要の大勢は手頃な中古住宅へと傾くだろう。

現在、日銀の金融緩和政策発動前の低金利水準に戻り、インフレ誘導のため資金が余っている現状から、金融機関は住宅ローン融資拡大に躍起だが、金利が上昇し、金融機関が締め付けに入れば、購入環境が厳しくなってくる。

金融市場の影響も加われば、さらに中古住宅へと需要が流れることも考えられる。

リスクを軽減するためには、出口戦略(売却想定)を考えなければならない。中古住宅市場が大きく伸びようとしているとは言っても、どれでもいいというわけではなく、売れやすい物件かどうかを考えて購入することが大切になる。

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2013年10月25日

災害リスクケアの肝

伊豆諸島・大島に甚大な被害を及ぼした先週の台風に続き、今週末も台風27号が太平洋沿岸を進む見込みです。

千葉県では、我孫子市全域に「避難準備」、印旛郡栄町の一部に「避難勧告」が発令されております。※県内のその他市町村にも発令あり。

東日本大震災以降、住まい探しにおいて、災害リスクへの意識が高まりました。さらに、毎年のように襲われるゲリラ豪雨による浸水被害へも意識が高まっています。

自然の力に、人知は遠く及ばず、想定外のことも多くなりますが、それでも、可能性の高さ低さに関しては、ある程度の想定ができます。

地域全体から、個々の不動産まで、大小さまざまな特性があり、安心、安全に影響を及ぼすものにどのようなものがあるのか、列記してみました。

(地震)

自分の地域で大地震が起こる確率はどれくらいか、そのとき、どのくらい揺れるのかを、防災科学技術研究所では、地図に色分けしてを公表している。

活断層に関しても公表されているが、未知の活断層も多くあると言われ、活断層のないからといって安心できるものではなく、また、活断層近くだからといっても、いたずらに悲観するものでもない。

極論では、日本全国、地震に遭遇するリスクから逃れられるものではなく、建物内外の地震対策を基本とし、そのうえ、どちらも選べるなら、データを参照にする。

千葉県では、東日本大震災の被災として液状化現象があった。液状化リスクも公表されているが、危険視されていない地域でも液状化現象が起こり、データのみで判別するのはリスクが伴う。

土地が形成された歴史や地形、地勢を見るなど、アナログな視点と感性も大事になる。

(水害)

今回の台風のようなケースと都市部を中心に起きるゲリラ豪雨は、分けて考えたほうがいいと思われる。

台風の場合、長時間にわたり累積した雨量による河川の氾濫に伴うものが多く、河川近くと河川との高低差など地形で判別できるケースも多い。また、過去の土地利用履歴なども参照できる。

ゲリラ豪雨の場合、短時間の局所的集中的な雨量に伴い、河川が近くになくても、都市構造(治水)などによる被害が生じ、また、周辺とのわずかな高低差でも雨水が流入し、浸水被害が生じる。

(土砂災害)

伊豆大島では、台風の豪雨による土砂災害で甚大な被害が出た。土砂災害警戒地域(同特別警戒地域)の指定有無に加え、現地の地形を観察することが大事になる。

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自然災害に関して、現実の生活や今までの積み重なった歴史や状況から、安全安心最優先とはいえ、完璧にリスクを避けられるものではない。

ただ、情報を知っていて、その上で判断するのか、情報を知らないままに判断するのかは、大きく違うものである。また、デジタルのデータだけではなく、アナログ的な感覚や文化歴史的な背景も大切である。

※台風26号により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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2013年10月20日

二極化する地域差の住まい選び

昨日は、大安吉日の土曜日、秋の結婚シーズンでもあり、引き出物の紙袋を持つ礼装の人が目立った。さらに、日立台では、午後に柏レイソル対ヴァンフォーレ甲府のゲームがあり、柏駅周辺は、人も車も混雑した。

都心、郊外問わず、生活も商業も、利便性が高いエリアに集積する傾向が強まり、混んでいるエリアはさらに混み、空いているエリアはさらに空く、という二極化の傾向へと進んでいる。

これを不動産に置き換えると、同じ行政区域、同じ沿線でも、集積するエリアの不動産価格は値下がりしづらく、閑散としたエリアは値下がりしやすい、ということになる。

住宅を買うなら、資産価値として「値下がりしづらいエリア」、生活面から「便利なエリア」を選ぶのは必然であり、集積も、閑散も、加速して進んでいく。

将来的に値下がりしづらい要件は、次の3つと言われている。

・人口と生活施設が集積し、公共、商業ともにサービスが集中している。

・企業、事業が集積している。(働く場所がある)

・広義的(都心、日本全国、世界)にも、狭義的(駅までの距離)にも、交通利便性が高い。

この要素を都道府県単位で考えれば、東京都(神奈川県)に人が集中するのは逆らえず、都心回帰現象となる。

千葉県内で考えても、都心に近接する市(市川市、船橋市)では、先月の基準地価でも上昇地点が多く見られたことで、この傾向は確認できる。※浦安市では、利便性と災害リスク(液状化)との兼ね合いによる。

さらに柏市と細分化してみると、東葛エリアの中心地である柏市と、常磐線沿線の駅、東武野田線の駅では、価格差が大きい。

さらにさらに柏市の中で柏駅に絞ってみると、駅からの距離に応じて、驚くほどの価格差がある。駅徒歩圏とバス圏では数倍の価格差になることも。

買えるものなら利便性が高いエリアで、といっても、高すぎて手が出ないということもある。

そのような場合は、セールスポイントになる要素を持った不動産(住宅)にする、もしくは、住宅は割り切って地域性に特化する、とかでしょうか。

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2013年10月18日

老後のために自宅取得するなら

ホームインスペクションを世に広めている第一人者の不動産コンサルタント・長嶋修氏(さくら事務所会長)が、日本経済新聞にコラムを寄稿している。

前回のコラム(10/12)では、住宅における永遠の命題である「賃貸が得か、持ち家が得か」に切り込んでいた。

長嶋氏は、賃料と住宅購入費の取得費用の比較に終始する取り上げ方に、住宅所有に伴う維持費用も考慮すべきと警笛を鳴らしている。

維持費用で代表的なものは、マンションの修繕積立金と管理費である。修繕積立金は建物の共用部分に充てられ、室内の維持改装費用は各自の負担となる。

一戸建ての場合、修繕積立金という強制的なものがない代わり、自身で管理しなければならない。継続的計画的に改装費用を積み立ておければいいが、そのように実行できている家庭は稀で、その都度、貯蓄を切り崩して行う。

維持費用は、建物の構造などにより異なるが、長嶋氏は建物価格の1%を毎年積み立てることを推奨している。※建築時、購入時に、建築会社等へどのようにメンテナンスが必要になるか確認しておくことがお勧め。

さらに、一戸建て、マンションに共通している必要になるのが、固定資産税等の負担。

地価や築年数、広さに連動するため、一概には言えないが、千葉県柏市周辺の平均的な一戸建てで年12〜15万円、マンションでは年15〜18万円程度だろうか。(新築時の軽減考慮せず)

仮に4,000万円の住宅を、35年返済・2%の金利でフルローン(諸費用は自己資金)で購入すると、35年間の返済総額は約5,560万円となり、年10万円平均の固定資産税等と建物維持管理費用35年分を加えると、総額6,600万円となる。

4,000万円の住宅購入と同じ負担(返済)と仮定すれば、維持費用の分だけ、子育て期間中の現役時代(ローン返済中)の金銭的な負担は賃貸のほうが少なくなる。※更新料、住み替え費用を加算すると差は縮まる。

取得した持ち家が生涯暮らせる建物であれば、35年返済終了後、7〜10年程度で維持費用分を賃料支払いが逆転し、金額が並んだ時点で、持ち家派には不動産が残り、賃貸派には不動産の所有がない、という資産的な部分で差が出ることになる。

しかし、35年で建て替えとなってしまえば、持ち家が有利になるタイミングは見えてこない。持ち家有利になることもあるだろうが、楽観的な設定条件が必要となる。

持ち家の場合、資産価値(売却価格)の変動、金利の変動にも影響されるため、このような机上の計算にどこまで意味があるかさえ不明だが、金銭的な損得を考える場合、維持費用が少ない建物、長期使用ができる耐久性がある建物であることが必要。

自宅所有は、老後の生活防衛という意味合いもあるが、維持費用が少ない、建て替えする必要がない、という条件がなければ、苦しくなるばかりである。

老後のために自宅を取得しておこう、ということであれば、建物の選定がいかに大事であるかが、この結果では分かる。

賃貸でも、持ち家でも、先が長い年月のことであり、どちらにもリスクがある。そのリスクをしっかり考えて対応策を考えておくことが大切なこととなる。

顕在して見えているリスクは、コントロールし、マネージメントできる。本当のリスクは、見えていない、見落としている潜在的なことである。

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2013年10月09日

購入目的に応じた考え方

不動産の購入も目的により考え方が異なる。

投資目的なのか、自己使用なのか。投資目的ならアセット(資産価値、客観的、デジタル、グローバルスタンダード)、自己使用ならプロパティ(好み、主観的、アナログ、ローカルスタンダード)の要素が強まる。

資産価値とは、自分の独断的な考えではなく、客観的に他人から見て価値を評価されるかどうか。共通した価値観、グローバルスタンダード(データ、数値)で検証される。

自宅としては、自身の生活、好み、考えなど主観的な判断で問題なければ、その不動産は価値があると判断される。独自の価値観であるから他人に評価される必要はなく(ローカルスタンダード)、感性であるからアナログになる。

例えば、自分自身は狭い土地でもいいと考えたが、市場での評価(他人から見て)としては狭くて取引されない。この場合、資産価値はゼロとなるが、自己使用の場合、それで満足であれば問題ない。

これは、立地、プラン、周辺環境、構造、などにも当てはまる。

投資目的なら、アセットが90〜100%で残りがプロパティになると分かりやすいが、自己使用の自宅購入は両方を兼ね備えた不動産を求める傾向が強く、とても難しい。

それでも、資産価値、市場からの評価が、自分の好みや考え方と合致する、または、資産価値重視で自己使用のニーズを割り切れる場合は、まだ考えやすい。

終の棲家として売却を考えない、購入資金の元が取れる(償却しきる)まで使い切る、と、考える場合も、生活ニーズ優先の自己満足に突き進める。

一番難しいのは、生活、考え、好みなど、自宅の満足度を兼ね備えた場合、資産価値としては逆行してしまい、しかし、売却も想定したいというケースが一番難しい。

両方なんて欲張りですよ、と、アドバイスできれば(言うこと聞いてくれれば)、こんな楽なことはないが、人間の欲望はそう簡単にいかない。

欲張れるほど、資金的に余裕があれば、両方を兼ね備えることも可能だが、住宅はあくまでも生活の道具であり、それに足を引っ張られるような生活(家計)になるのでは本末転倒な話である。

考える道としては、次のようなところか。

ニーズを満たしながら、その中で、資産価値が保てそう、もしくは、下落の速度が遅いものを選択する。

個性、特徴を作り、マーケットに打ち勝てるくらいの価値を高めるために工夫する。(お金は必要)

簡単にはいかず、手間隙かかりそうだが、両方を兼ね備えるためなら、必要で有益な労力であり、無駄にはならない。

参考に、私を含めてプロは、アセット重視する傾向が強い。家に関してこだわり、お金をかけられる人は、成功して儲けている人か、安定した職についている人。

不動産に関して、常に出口戦略(売却)を考え、または、売れなくてもいいという状況になるよう考えているはずである。

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2013年10月05日

人口動態から購入を考える

アベノミクス(景気回復)の期待感から、震災以降、潜在していた需要層が動きだし、さらに、消費税増税、金利上昇前の駆け込みを加わり、不動産市況は都心部を中心に好転し始めている。

先月の基準地価発表でも、都心部では上昇、千葉県内でも一部では上昇し、横ばい、下落幅の縮小などから、地価の反転が明確になりつつある。

今回の地価上昇・下落の底打ちは、あくまでも短期的な流れであり、人口動態の影響を受ける長期的な流れは楽観視できるものではない。

千葉県では、首都圏で初めての人口減少県となった。きっかけは震災による影響であるが、少子高齢化による自然減、都心回帰現象による社会的動向が大きく影響している。

千葉県の住宅地は、昭和期の高度成長からバブル期にかけて、都心へのベッドタウンとして一気に開発された。

その時に住宅を求めた世代(団塊世代中心)は、現在60歳〜70歳代となり、現役を引退し、子供も独立して、広い家を持て余すように暮らしている。

残念ながら亡くなる方も増加し、元気でいらっしゃる方でも、田舎へ帰る、海外も含めて余生を過ごす地へ移住する、都心を含め便利な地域へ住み替える、子供の近くへ移る(二世帯含む)など、現役世代を過ごした地を離れていく人も増えている。

柏市の人口減少地区を見ても、豊四季台、松葉町、大津ケ丘、増尾台、布施新町、加賀など、昭和期に造成された郊外の住宅地が名を連ねる。我孫子市も、新木、湖北台、つくし野、並木、久寺家など、同様の傾向に。

これらの住宅地の特徴としては、ゆとりある敷地が整然と並ぶ街並み、道路幅にもゆとりがあり、空間が確保され、住環境としての条件が整っているものの、人口減少の大きな流れには逆らえず、地価は下落傾向にある。

日本人の新築・新車・新しいもの指向は有名であり、地域に関しても、新しく開発された街が好まれる。柏近郊では、TX沿線が典型的な地域で、地価も不動産も、人気が価格に直結するため、周辺から比べ飛び抜けて高い。

TX沿線で例えれば、新規区画整理地と旧開発分譲地では、1.5〜2倍もの価格差が生じている。

逆に、この新規指向さえ割り切れれば、住環境が整っている地域を割安に買える、購入費用負担の軽減と住環境の両立を目指せる地域と言える。

いつの時代も、需要の中心層は子育て世代。共働き、余暇を外に求める傾向から、広い土地の一戸建てより、小さくても利便性の高さが望まれている。

この利便性を、旧住宅地でどのように兼ね備えていくか。または、購入者層が発想の転換や工夫などでカバーできるか。このあたりに、旨みがあるのではないか。

それでもイヤというなら、それはそれでも。それぞれに状況やお考えはあると思います。

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相続税改正のポイント

国民に広く課税される消費税。低所得者より負担がきつくなるため、相続税の改正(増税)を行い、高所得者、資産家の税金も増やしますよとアピールして、国民感情を抑えるように告知されている。

平成25年度の税制改正で決まったため、消費税増税とセットのように言われておりますが、以前より持ち上がっていた内容なので、消費税増税に巻き込ませて行った感が否めない。

今回の改正で目玉となり、大きな影響が出そうなのが、相続税の基礎控除縮小です。平成27年1月1日以後の相続(平成27年1月1日以降に死亡)から適用になります。

改正内容)現行の基礎控除:5000万円+1000万円×法定相続人の数 → 改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数(配偶者と子供二人で4,800万円)

基礎控除が6割に縮小され、単純に考えれば40%の増税。相続財産が基礎控除を超えると、相続税の申告が必要になります。※基礎控除以下の場合には、相続税の申告は必要ありません。

現状、相続税の申告対象になるのは4〜5%程度と言われ、改正後は、6〜7%程度になると予想されています。特に、都心部での影響が大きく「普通に自宅(特に戸建て)を持っているだけで相続税がかかる」と言われるほどです。

ただし、配偶者が生存し被相続人と同居している自宅の場合は、小規模宅地の評価減や配偶者控除などを使えば、よほどの都心一等地に広大な敷地の自宅でもない限り、心配は少ないかと思われます。

厳しい状況になるのは、二次相続(両親ともに亡くなった場合)の時です。

まず、当然ですが、配偶者控除は使えません。小規模宅地の評価減も、要件が厳しくなり、使えなくなるケースが増加すると予想されます。

現行では、1)同居親族が相続税の申告時期まで所有し暮らしている、2)過去3年間、持ち家がない別居親族が申告時期まで所有する、のいずれかの場合は80%の評価減、3)1または2に該当しない場合は50%の評価減、でした。

改正後は、3のパターンが廃止され、1と2に限定されます。3のパターンが廃止されると、持ち家を取得し別居している子供が相続する場合は評価減が受けられず、自宅が減額なしの評価100%になる。※持ち家は配偶者所有でもダメ。

相続財産が、退職金や配偶者の保険金なども含め金融資産が4,000万円を超え、さらに自宅などの不動産があれば、相続税の申告対象(相続税課税)になるということです。

仮に、金融資産3,000万円、自宅評価3,000万円の相続財産6,000万円を子ども二人で相続する場合、評価減なしなら、基礎控除を除き1,800万円の課税対象、相続税220万円となります。※現行なら基礎控除6,000万円なので相続税ゼロ。

この改正内容を踏まえて、どのように対応すればいいか。

もし、持ち家を取得していない子どもがいれば、申告時期まで相続した自宅を所有し、評価減を受ける。

金融資産3,000万円を不動産に代え、相続財産評価を減らす。※基本的に同じ資産額なら金融資産よりも不動産資産の方が評価が下がる。これは評価減の特例ではなく、根本的な評価手法によるもの。

例)3,000万円(土地、建物、各50%)→土地は路線価評価で約1,000万円、建物は固定資産税評価で約900万円。さらに賃貸用不動産であれば、貸家建て付け地評価で約790万円、貸家評価で約630万円となり、半分以下の評価額となる。

不動産に代えるのに不安を感じる場合は、生存時に、金融資産を子供に贈与してしまうか。その場合、基礎控除額を少しばかり超える金額とし、毎年、贈与税の申告をすることがポイントになる。

この改正で二世帯住宅が効果的と各ハウスメーカーが営業攻勢をかけている。これも小規模宅地の評価減の特例要件の改正に伴うもの。詳しくは二世帯住宅に強いハウスメーカーの各展示場でご確認ください。

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2013年10月03日

不動産流通近代化への布石

「商談中」「話が入っている」「売り止め」「資料作成中」「担当がいない」「資料送る(といって送らない)」。

不動産流通の現場で問題になっている「情報操作」「情報隠し」を行う際の常套句です。

不動産を売却する際に、通常、不動産会社(仲介会社)に依頼することになり、依頼を受けた不動産会社は、一定期間の間に物件情報を国が定める機構に登録しなければならないと法律で定められております。(一般媒介は任意規定)

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宅地建物取引業法・第三十四条の二 (媒介契約)
七-5  宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が指定する者(以下「指定流通機構」という。)に登録しなければならない。
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この指定流通機構は、通称レインズと呼ばれます。

レインズに登録することは業法でも定められており、さすがにこれを故意に怠ることはまずありません。登録はするものの、しかし、情報は出したくない。このようなときに使われる言い訳が冒頭のようなものです。

なぜ、情報を出したくないのか。その理由は明確で、利益増加(成績)のためだけです。

これは不動産業者が受け取る報酬体系に問題があります。不動産業者は基本的に成功報酬であり、売却の依頼を受けてもその時点で報酬は発生しません。売却の依頼をいただいた物件が無事に売却できた場合に売主から報酬を受け取ります。

さらに、物件探しの依頼を受け、希望の物件が見つかり、売買契約が成立すれば、買主から(売主からとは別に)報酬をいただくことができます。

売主からも手数料受領、買主からも手数料受領、両方から手数料受領を略して「両手※」と言い、両手の取引にして利益を倍加させよう、という思惑で情報を隠します。※片方からのみ手数料を受領する場合を「片手」と言います。

売主の希望は「早期、好条件」での売却です。売主も消費者であり、消費者の利益を保護するために、業法では、情報を広く公開し、より早く、より良い条件の買主を探しさないとレインズ登録を義務化しています。

情報が適正に公開されれば、依頼した会社以外の会社に物件探しを依頼した購入希望者にも情報が届き、たくさんの購入希望者へ告知できます。※依頼した会社も含む。

例をあげると、売却希望3,000万円として、依頼した会社には「2,800万円なら買う人Aがいる」、その他の会社には「3,000万円でも買いたい人Bがいる」、売主はBさんに売りたいのが当然の判断となる。

この場合、情報が公開されていればBさんとの縁も持てるが、情報が隠されていたらAさんのみとなり、売主は価格を下げて売ることになる。

これは、特に大手仲介会社ほど横行しているもので、成績至上主義の弊害である。※入社時はきれいな人でも、働いているうちに染まっていってしまう。会う(取引をする)といい人なんだっと思うことが多い。

この問題は、民主党のマニュフェスト(懐かしい)でも取り上げられており、実態は把握しているもののなかなか動かなかった国土交通省もようやく重い腰を上げた。

10月よりレインズの運用規定が見直され、「元付業者(売主から依頼された業者)は正当な事由がある場合を除き情報を隠してはならない」という規定が入りました。

この他にも、「他社も含め申込順に交渉をしなければならない(売主に知らせなければならない)」「客付業者(買主側)は現地案内や交渉の結果を元付業者に報告しなければならない」などの規定も加わり、不動産流通市場の近代化への序章となることが感じられました。

これらの規定は、業者や担当者の思惑を排し透明で健全なシステム化を目指しているもので、とても画期的なことです。

正当な事由という部分がどのように運用されるか、人が介在する部分が多分に残っておりますが、今回の規定が布石となり、改善されるものと期待しています。

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