2013年07月08日

建物評価基準を変えるだけでは足りない

国土交通省は、中古の建物に対する価値を高めるための施策を検討している。

現在、20年程度で流通価値(売却価値)がゼロとなってしまうのが一般的な基準だが、これを変えようという。

内容は、耐久年数と経過年数だけで一律に判断している基準から、改修履歴や建物の構造などを精査した新しい基準を早期に策定し、普及し定着できるようにするもの。

目的は、資産価値が維持されることによる家計の負担減少、柔軟な住み替えの促進を支えることで、経済の活性化、空き家問題の解消と有効活用、老後の生活支援などまで多岐にわたる。

近年増えてきた業者買取り再販売のリフォーム、リノベーション住宅も税制で後押しして、中古住宅流通の拡大と定着、近代化も図る。

欧米では、建物の資産価値が維持されるため、不動産、住宅への投下資金が資産価値として維持されやすいが、日本のように建物価値が経年により、急速に減価されると、ざるに水を注ぐように、お金を注ぎ込んでも消えてしまう。

今までの日本の住宅不動産市場が、勢いと新陳代謝を繰り返す未熟な若さだとすると、今後、今ある物を有効に活用していこうという成熟した大人になろうと、階段を上っていくような感じか。

国がリードを取り、旗振りのガイド役になって階段を上り始めようとしているが、問題は、業界、一般消費者が、ガイドの言うことを聞いて、すなおに一緒に上っていくかどうか。

さほど古くないマンションの室内を見て、お風呂が新品じゃない、キッチンが新品じゃない、という感想を聞いていると、中古でもいいとは言いつつ、やっぱり、日本人の新築指向は強いと感じる。

このあたりの意識が変えられるか。売主側に経って、価値の算出基準を高めても、買主側の意識(中古を正当に評価する)が変わらなければ、絵に描いた餅として終わる。

現状、築年数で一律カットする税の特例なども、築年数問わずというくらいに変えていかないと、やはり築年数という分かりやすい基準で判断してしまう要因を残してしまうのではないか。

さらに、売主側からの情報提供、売主が不動産を売るということに対しての義務もきちんと教育していく必要がある。

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posted by preseek_shibata at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月02日

平成25年路線価

昨日、国税庁より平成25年の路線価が発表されました。全国の標準宅地の評価額は平均で前年比1.8%下落(5年連続でマイナス)、千葉県では、全体平均1.1%の下落となった。

千葉県では、柏市の柏駅東口駅前が2年連続の首位(路線価は横ばい)、公示地価では上昇した市川市の本八幡駅前がなぜか4.7%の下落。

路線価とは、道路に面した1平米当たりの土地の評価額(1月1日現在)で、相続税や贈与税など国税庁所管の税金の課税額算定基準となる地価。固定資産税は、市区町村の固定資産税評価額が算定基準となる。

路線価が上昇すれば、相続税の対象となる相続資産額が増加し、路線価が下落すればその逆となる。

景気、経済にとっては地価の上昇が望ましいのかもしれないが、相続税の支払いを考えなければならない資産家にとっては下落した方が望ましい。

今回、路線価が下落傾向になったが、相続税の改正で基礎控除額が引き下げられることとなり、従来は課税対象ではなかった人(地域)でも、新たに対象となるケースが増加する。

高額な金融資産や自宅以外の不動産資産をもっていなくても自宅だけで相続税の課税対象となってしまうのは、高級住宅地、都心部に限定されていたが、郊外の住宅地でも土地がちょっと広ければ対象となってくる。

相続税の課税強化される内容は、基礎控除額は現在の「5,000万円+法定相続人1人当たり1,000万円」から「3,000万円+同600万円」に引き下げられる。

相続税は相続財産から基礎控除額を除いた課税評価額に税率をかけて課税するが、改正により、標準モデル(配偶者と子ども2人)で、従来の課税評価額8000万円以上が改正後4800万円以上で相続税が発生するようになる。※特例等は考慮なし。

税金は現金納付が原則のため、自宅資産の割合が高い場合、現預金があれば相続税の支払が出来ますが、それがない場合には相続税の支払に困るケースが出てくることがあります。

配偶者がいる場合、配偶者の税額軽減を使うとかなりのまたは法定相続分まで税金がかかりませんので、これを利用して、その場しのぎはできるかもしれません。

ただし、配偶者は同世代であるケースが多く、財産を配偶者に相続させてしまうと、その配偶者の相続の時に税負担が大きくなります。一次相続の際に、先行きまで考え、計画的に行うことが必要になってきます。

これから相続が発生する団塊の世代の方は、一戸建て、庭という思いが強かったため、郊外の住宅地に自宅を所有しているケースが多い。

引き継ぐ相続人(子)は、利便性重視のため、相続税の対象になるか問わず、売却に回るケースが多くなり、さらに、相続税の支払いのための売却も増加する可能性があり、これも加わると中古住宅(土地含む)の供給が増加する。

今回の税制改正時期は、消費税増税後というタイミングとも重なり、さらに人口減少の地域では、供給増加、需要減少の両面から、不動産市場は低迷するかもしれません。

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