2013年01月18日

住宅ローン減税と消費税増税の比較

住宅ローン減税の延長は既定路線になったものの、延長される際に見直される内容が錯綜している。報道機関により、最大減税額は30〜50万円の開きがあり、入居時期も平成26年1月以降なのか、4月以降なのかも不透明な状態。

今日の報道(産経ニュース)では、自民党税制調査会の素案として、一般住宅の減税上限額を年50万円、長期優良住宅を年60万円とする内容になったと報じられている。

同時に、減税枠を使い残す中低所得者には現金給付措置を取ること、住宅ローンを組まずに自己資金で住宅を購入した場合の減税措置も延長する方針も盛り込まれた。

さらに、噂レベルの案として、不動産取得税、登録免許税、印紙税などの住宅購入関連の諸税を減税するというものもある。

いずれも、消費税増税の駆け込み需要の平準化、増税後の景気落ち込みの回避、経済全体の浮揚策として検討されているもの。

では、消費税増税(諸税減税)前と、諸費税増税(諸税減税)後のどちらのタイミングで購入する方が有利に働くのか。とても悩ましい問題である。

税金だけを抽出して検討してみると、4,000万円の一戸建ての場合、土地2,000万円、建物2,000万円とすると、消費税は増税前は100万円、消費税増税後は160万円となる。※内税、外税の区分は簡略化のため省略しました。

消費税増税分は、3%で60万円となる。住宅ローンの減税額増加分は、年10万円として10年合計100万円となり、消費税増税・諸税減税後に購入した方が有利になる。※延長後の最大額が最小の場合で計算しました。

さらに、住宅ローン減税の控除額が増えたり、消費税以外の諸税も減税されれば、さらに有利になる。ただし、マンションの場合、同じ4,000万円の購入であれば消費税額が増加するため、結果が異なる場合もある。

これだけを見れば、消費税増税後・諸税減税後の購入の方が有利となるが、住宅購入は、税金を中心として、有利不利が目的として、購入するものではないため、購入を先送りにすればいいと短絡的には判断できない。

お金の話としては、購入前の住居費を検討しなければならない。家賃10万円の賃貸住宅に暮らしている場合、1年間遅らせれば合計120万円の出費増となる。

また、金利が上昇した場合、住宅ローンの返済総額が増加し、最終的な住居費は増加する。引っ越し時期に購入する家電、家財、諸費用関係も消費税増税の対象となる。

安倍新政権後、円安基調が続いており、現時点では顕在化していないが、今後、資材の値上がりによる建築コストの増加も考えられる。震災復興事業、公共工事増加による人件費などのコスト増もあるかもしれない。

土地そのものは消費税非課税であるが、土地購入後に必ず建物新築があるため、消費税増税の影響を受ける。これまでは、増税前の駆け込み需要による値上がり品不足、その後の値下がりも想定されていた。

住宅ローン減税延長の影響により、地価の動きは逆転するかもしれない。建売やマンションなどでは、会社の売り上げ確保のために、大幅な値引きも考えられ、増税・減税など吹き飛ぶこともありえる。

中古住宅、中古マンションで、売主が一般の方(自然人)であれば消費税の対象外になるため増税の影響を受けない。入居が来年以降になれば、住宅ローン減税などの恩恵のみとなる。

ただし、土地と同じように、市場動向、需給関係による価格の変動も想定されるため、単純な話ではない。新築、戸建てが上がれば、中古、マンションも連動することになる。

社会情勢、税制などの外部要因による有利不利は結果論でしか語ることができない。結局、住宅購入の本来の目的、家族状況などからくるタイミングで考えるべきであり、これが一番後悔しない方法である。

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2013年01月14日

住宅ローン減税、5年延長(案)

安倍新政権の政策として、住宅ローン減税延長の話題は出ておりましたが、昨日、具体的な内容が決まり、今朝、報じられました。

現行の住宅ローン減税では、平成25年(2013年)内の入居の場合、年間最大20万円まで控除される。その金額を最大で年50万円に引き上げる方向。住宅ローン減税の対象期間は、5年程度の延長になる予定。

先日までは、最大で年30万円までというのが有力だったが、さらに上積みされた金額になった。高所得者の所得税率引き上げに伴い、そのバーターでしょうか。

住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高に一定の率をかけ、その相当する金額を所得税と住民税から控除する制度。このため、所得税と住民税の納付額が控除枠に満たない場合、枠を使い切れなかった。

これが、伝えられる最大額ほどの恩恵が受けられないと批判されるもとにもなっていたが、今回の延長案では、住民税の控除限度額引き上げと現金給付の措置で対応する予定。

現時点では案のため、今後の審議、採決により、制度延長の可否、内容の変更があることもございます。また、耐震性、省エネルギー性能など、建物のクオリティによる差も生じることがございます。

住宅ローン減税延長と併せ、贈与税の非課税対象の拡充も報じられました。

内容は、相続時精算課税制度の見直しとなり、現在、20歳以上の子に対して2,500万円までは、贈与税ではなく相続税の対象としてきた。これを20歳以上の孫にまで対象を広げるもの。

また、贈与する側の年齢を現行65歳以上から60歳以上に変更する。

贈与税率も、20歳以上の子どもや孫に対しての贈与の場合、引き下げる方向。これらは、平成27年(2015年)に実施する予定。※すべて方針(案)であり、変更される場合もございます。

住宅ローン減税の延長により、駆け込み需要を抑え平準化すること、負担増加の緩和をすることにより、消費税増税の景気への影響を抑える狙い。

相続税、贈与税の改正は、高齢者が持つ資産を現役世代へ移し、需要喚起、景気回復へつなげようとするもの。

相続税や贈与税の改正は、根本的な見直し時期に差し掛かっており、総合的な見地からの見直しが必要。住宅ローン減税は、住宅の購入時期による差をなくせるよう恒久的なものが理想です。

来年度予算と税制改正の成否次第で、年内入居がいいのか、来年以降の入居がいいのか、判断が分かれます。今、とても悩ましい時期になっております。

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2013年01月12日

新政権による不動産関連政策(案)

平成25年(2013年)に入り、安倍新政権の動きが活発になり、さまざまな方針、政策が打ち出されております。この中から住宅・不動産に関係するものをピックアップしてみました。

1.長期金利上昇

昨年末の選挙中から、日銀に対して金融緩和の圧力をかけ、物価を強制的に引き上げようとしています。日銀は、賃金の上昇、企業収益の改善など経済全体の中で取り組むべきと抵抗していますが、現時点では安倍政権側が優勢な状況で、日銀は政府の意向を受け入れる方向です。

金融緩和のみを見れば、金利を低下させる方向ですが、これは短期金利(政策金利)のみで、市場の長期金利は国債の需給関係に影響されます。先日発表された補正予算では、国債の増発を前提としており、国債の供給増加により、長期金利は上昇傾向です。このため、住宅ローンでは、変動金利は低水準の横ばい、固定金利は上昇傾向となっております。

今後、平成25年度の予算で支出を増大させ、国債の発行額が大きくなると、さらに長期金利が上昇し、固定系の住宅ローンの金利は上昇することになります。

2.住宅ローン減税の延長

現行の住宅ローン減税は、平成25年中に入居した方までが対象となり、平成26年以降は打ち切りになります。平成26年の消費税増税も加えると、住宅購入にブレーキがかかり、経済にも影響を与えることから、住宅ローン減税の延長が検討されております。

現行では、税の還付枠は年20万円までとなっておりますが、これを延長案では、年30万円に引き上げる方向です。このため、延長された場合は、入居を平成25年から平成26年に遅らせることが有利になります。

住宅ローン減税では、あくまでも納めた税金の還付となるため、納めた金額が還付額の上限となります。年30万円までの枠を持っていても、納税額が下回っていれば活かしきれない。この点をカバーするために検討されているのが、現金給付による補填です。

まず、所得税で還付をする、それでも枠が余っていれば住民税で還付をする、それでもまだ枠が余っていれば、その分を現金給付するという仕組みです。この検討にあわせ、住民税の還付枠の拡大も検討されております。

消費税の増税は初期費用の増加させ、瞬間的な負担増となります。その金額と金利増分を、10万円×10年の増枠でカバーしようというものです。

3.孫の教育資金贈与の非課税制度

贈与税には、毎年110万円までの非課税枠があり、その中で収まっているか、瞬間的な教育資金であれば、贈与税の対象とはならないが、これを将来の教育資金贈与までに拡大しようとするもの。

祖父母から教育資金の贈与(隔離口座)が確実であれば、現役世代は教育資金負担と不安が軽減され、生活費の支出がしやすくなる。これが経済へ好影響を与えると考えられている。実質的な高齢者世代から現役世代への資産移動。

4.相続税の基礎控除減額と最高税率引き上げ

資産家の方には最高税率の引き上げの方が影響があるが、一般的な方には基礎控除額の減額の方がはるかに影響が大きい。現在、相続税の対象となるのは4〜5%と言われているが、それが7〜8%に広がる見込み。

現在検討されている基礎控除案は、現行「5,000万円+法定相続人×1,000万円」を「3,000万円+法定相続人×600万円」とするもの。

不動産の評価減(現金よりも低く評価される)、自宅などの特例などにより、大部分の方は基礎控除の枠内に収まっているが、減額されると、地価が高い都心部の場合、自宅を所有しているだけでも相続税の対象となる可能性が出てくる。

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以上、現在検討されている政策のうち、不動産、住宅に関わることを書き出してみました。あくまでも、今の案までになるため、今後の政治動向により、変更される場合がございます。

これらの政策は、短期的なものが多く、根本的な社会不安、将来不安の解消につながるものではありません。年金不安、雇用不安、人口減少による活力低下、国債増発による財政不安などにも有効な政策を併せて期待したいものです。

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