2012年05月31日

不動産所有の出口戦略を見た購入

お問い合わせのほとんどが、購入相談、不動産探しの依頼で占められる弊社ですが、数は少ないものの月に2〜3件は売却の相談も入る。今回、相談を受けたのは次のような物件。

近隣の標準敷地面積よりもかなり小さい、建物もほぼ使えない、狭い私道の一番奥、クルマが入らない旗状敷地、敷地の奥に水路、地盤が悪い、水害リスクもある、唯一のよい点は市の中心駅へ平坦で徒歩圏に位置していること。

まずは査定価格を算出しなければならないが、概略を知るにつれ、厳しさが増すばかりで、はたして売れるのかどうかさえ怪しい。

このような場合、まず考えるのは、隣接地の方々が購入する可能性。隣接地の方も似たような状況であることは変わらないが、敷地面積、敷地形状などは、ふたつの土地が合わさることにより、解消されるケースもある。

隣地は高くても買え、というような言い伝えもある。今回のようなケースは、まさにそのパターンになるが、当該地の方が売り急いだり、隣地の方の状況によっては、他の方には売れない弱みを突かれ、叩かれることもある。

また、自宅用としての売却が難しい場合、投資的な購入の方へ売却する方向へ舵を取ることもある。

一般的な住宅用地の場合、自宅用の方が、投資用よりも高く評価(売却)される。自宅用では評価が高く出せない(売れない)場合、投資用の採算ラインまで落としてみることになる。

投資用の場合、土地を購入し建物を新築した場合、採算・投資効率は低くなる。今回のケースでは、建物が使えるか(賃貸に出せるか)が見極めポイント。

自宅用市場に出してもダメ、隣接地の方もダメ、投資用としてもダメ、となると、不動産の場合、ゼロでもいいから処分という方法もなく、所有し続けるしかない。

不動産を利用しないで所有しているだけでも、固定資産税等の負担、不動産の管理する手間や費用が発生する。※マンションの場合、管理費や修繕積立金も。

これから不動産を購入する方に意識してもらいたいのは、不動産所有の出口戦略。購入が不動産所有の入口であれば、売却が不動産所有の出口。

購入するときから売却する予定がある方は少ない。予定がないからと言って、売却のことをなにも考えないで購入するのは、デフレ・人口減少時代に突入した現在では危険。

売却のしやすさ、所有しているときの賃貸への転用のしやすさ、所有するコストと資産状況、住宅ローンの返済額と想定家賃との比較、年齢や家族状況などなどなど、考えることは多い。

所有していることが負担にならない、もしくは、処分のしやすさなどを考えてみて、人生の中で住宅戦略が足を引っ張ることがないのか、二重にも三重にも、リスクコントロールすることは大事なことです。

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2012年05月29日

金利が上昇しても、景気回復・収入アップだから大丈夫

題名のような営業トークが、いたるところで飛びかいますが、果たして本当なのでしょうか。経済学を学んだわけではありませんが、単純な経済理論であればその通りなのでしょう。

このトーク、内容がどうこうではなく、大丈夫と言い切るかどうかが問題。変動金利が得とか、固定金利が得とか、これも言い切ると問題。どちらも神のみぞ知る世界だから。

過去、日本経済の高度成長期では、現在よりも数倍高い金利水準でした。今は当たり前になっている住宅ローンの金利優遇などもありません。しかし、住宅ローンで破綻する人は少なかった。

これは、題名の通り、金利は高くとも景気も拡大し、それにともない収入も増加。時間の経過とともに、収入に占める返済の割合(返済比率)も低下し、さらに、不動産価格も上昇した。この結果、ムリなローンを組んでも、破綻まで至らない。

これと同じことが、今後も起こると言う。金利が上昇したということは、高度成長期と同じですから、収入も増加して、返済比率は変わらないか、楽になるくらい、と。

不動産価格についても、金利が上昇する→インフレ→不動産価格上昇→借金が相対的に目減り、という展開もあると。

しかし、現在の世界で起こっていることは、金利上昇と景気悪化(財政破綻)が連動するということ。今朝(5/29)のニュースでも、スペインでこれが起こったと報道された。収入上昇どころか、雇用があるだけでもまし、という状況。

不動産価格も、高度成長期は人口増加という社会的要因も重なったものであり、不動産の需要である人口が減少している時代に、価格の上昇は考えづらい。逆に、金利が上昇した分、購買力が落ち、価格は下落方向になるのではないか。

住宅購入をサポート(後押し)している会社が何を言っているのか、と、矛盾しているように思われるかもしれません。

これだけ金利が低い状況であるなか、暮らす環境や事情により、購入そのものを止めた方がいいというわけではなく、営業トークに乗せられないでね、と伝えたいまでです。

金利が低いと、ちょっと資金をアップしても、これだけの返済ならいいか、と、ついつい予算を上方修正しがちです。住宅ローンは身軽に身軽に、貯金はすべて家につぎ込まないで、余裕綽々の資金計画でいきましょう。

建物や設備の性能もあがり、住宅コストも増加しました。それなりの家を買おうと思ったら、それなりのお金が必要です。(国の方針でもある)

ぎりぎりの資金計画で、過剰な住まいに走るよりは、余裕のある資金計画で、それなりの住まいで満足する方がいいかと。足るを知る、です。

私の個人的な見解でしかなく、反対意見も多いかと思います。過剰に意識して、ものすごく余裕がある方もいます。長いことを考えたら、初期投資が高くなることもあります。

もう一つ付け加えると、おなじお金をかけるなら、基本的なスペック(土地も建物も)にお金をかけ、余計な余分なところは削る、という方が、後々、いいことがあるかもしれません。

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2012年05月28日

不動産流通市場活性化フォーラム

国土交通省では、多方面の有識者を集め、不動産流通市場の活性化を具体的に検討する場として「不動産流通市場活性化フォーラム」を設けております。これは第7回まで予定されており、5月の第6回会合で最終提言となる案がまとまりました。

提言は、三つの柱から構成されております。1)円滑な不動産取引のために必要な情報の蓄積と提供、2)消費者ニーズに対応できる不動産流通システムの整備、3)不動産流通市場の活性化に向けた環境整備、という構成です。

それぞれの項目を確認してみると、重複している部分もあり、消費者にわかりやすく分類しなおすと、1)不動産情報提供の在り方、2)宅建業者や従業員のスキル向上、3)中古住宅の推進、となります。※事業者向けとはいえ、わかりやすい表現に見直すという提言もあって、苦笑。

これからは中古住宅(ストック)の時代になるし、しなければならないのだろうから、不透明であいまいな不動産そのものの情報提示方法の整備や、購入する際のチェック(インスペクション)やサービスの充実は必要です。

私が特に注目したのは、不動産流通の仕組みそのものと、業者や従業員のスキル向上です。※中古住宅も含め、土地や新築、賃貸まで総括的に該当。提言案では、業者へは教育研修制度の充実と評価制度の創設、従業員へは全員が資格取得を必要とする制度を打ち出し、さらに、消費者教育へも言及しています。

現在の宅地建物取引業法では、宅建業を営むにあたり、従業員の5人に1人以上の宅地建物取引主任者がいることを条件にしております。裏返せば、生活や人生に大きな存在である住宅、高額な不動産取引を行うにあたって、資格を持っていない(スキルが足りない)者でも取扱いできることになる。

営業として携わる者は、やはり、ある程度のスキルが必要であり、そのために、この制度を改め、全員に資格取得を義務付けようというものです。ただし、現行の宅建主任者資格は、難易度や試験日程などにより現実的ではないこともあり、宅建主任者を上級資格とし、その下に取扱者的な資格を創設するという案もあります。

この全員資格取得義務付け案には、事業が成り立たないという業者側の言い分や、資格の乱立によるわかりづらさから、反対する意見もあります。反対者側は、業界や会社独自にやるから大丈夫という趣旨だが、そもそも低レベルの従業員が多く、資格取得が義務付けられると商売が継続できないという思惑を感じます。

資格を義務付け、知識だけあればいいのか。試験を得意とする人ばかりでいいのか。このような意見もわからずでもないが、最低限の知識は必要であり、そのレベルにも達せない人は、やはり携わらない方がいい。

大手さんやイケイケの不動産会社では、知識はあっても、会社(成績、立場)のことばかり考える人が多い。これでもいけない。運転免許と同じく、資格さえあればいいものではありません。運転する人のモラル、意識の高さも必須です。知識もあって、意識もある。この両方が必要です。

これらを有効に運用されるためには、他の項目にある不動産流通市場の整備、情報提供のあり方も大事になります。この提言は、あくまでも、国土交通省が今後の政策について参考にするというまでです。政治力などにより、どこまで実現するのか、国のモラルや意識に期待するしかありません。(苦笑)

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2012年05月27日

セットバック(道路後退)

不動産の広告や販売概要書(販売図面)に「セットバックあり、セットバック面積含む、セットバック要、セットバック済み」などと表記されることがあります。

セットバックとは敷地を道路として提供することであり、セットバック面積とは道路として提供する部分の面積、セットバック済みとは道路後退したあとの敷地となります。

セットバック(道路後退)について、順に説明します。

建物を建築する場合、「建築基準法に定める幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない。」という規定があります。※例外あり。これを接道義務と呼びます。

建築基準法の第42条第二項で「建築基準法施行日(基準時)現在、既に建築物が建ち並んでいた幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものは道路とみなす。」という規定があります。この項から「二項道路」と呼ばれます。

この項目から、建築基準法に定める道路という点はクリアされたものの、幅員4mという点がクリアされない。この幅員部分をクリアするために、建築する際、敷地を道路として提供すれば幅員4mとみなすという規定があります。

セットバックの方法は、両側が道路中心線からお互いに2mの範囲を道路に提供するケースと、片側が道路の反対側から4mの範囲を道路に提供するケースがあります。

基本は両側セットバックです。片側になるケースは、反対側が水路・線路・がけなどの後退できないような場合です。

道路として提供した部分の所有権は移転せず、道路として利用するまでとなります。この部分は、道路とみなされるので、その部分に建物や構築物を建築することはできません。

同様に、建築物の敷地とみなさないことから、建ぺい率・容積率を計算する際の面積にも算入できません。

角地の場合、一方が建築基準法の幅員4m道路に接し接道義務をクリアしていたとしても、もう一方の道路がセットバックの対象となる場合、同じようにセットバックする必要がございます。

ここは私の推測ですが、以前からの狭い道路は致し方ない、ただ、今後、必要な道路幅員を確保していこう、というのが根幹にあり、そのためには、接道義務以上に、建築する際の道路確保が優先されるものです。

セットバックが必要な土地の場合、セットバック面積は土地評価上はゼロとなります。2,000万円の土地で、所有50坪、道路後退部10坪、正味敷地面積40坪の場合、2,000万円割る50坪の坪単価40万円ではなく、40坪で割った坪単価50万円になります。

故意過失か別として、ネットや広告などで、所有面積を大きく記載し、さも割安な土地であるように見えるケースがあります。セットバック要と記載されている場合、正味面積で単価を確認する必要がございます。

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2012年05月26日

平成24年度住宅関連税制

平成24年度(2012年度)の住宅に係る税制改正案が成立し、施行されました。住宅購入に係る主な税制改正は次の通りです。

1)新築住宅に係る固定資産税の軽減措置を2年間延長
 固定資産税額を3年間1/2、平成25年3月31日まで

2)住宅取得等に係る贈与税の非課税措置
 平成24年中に住宅取得資金の贈与を受けた場合、1,000万円まで非課税。
 省エネルギー性、耐震性を備えた住宅の場合、非課税限度額は異なる。
 贈与年が平成25年、平成26年の場合は、非課税限度額は小さくなる。

3)不動産取得税の特例措置を3年延長
 不動産取得税率を、本則4%→3%にする。
 宅地の課税標準額を1/2とする。

この他に、認定長期優良住宅の特例延長、認定低炭素住宅に係る税の軽減措置の創設、居住用財産の譲渡(売却)の長期譲渡所得や譲渡損失の損益通算・繰り越し控除の特例が延長されております。

※詳細は、各税金担当の課税機関にご確認ください。

今回の改正は、従来からある特例の延長が多く、目新しいのは「省エネ性の高い低炭素住宅」くらいでしょうか。低炭素住宅とは、地球温暖化の主な要因である二酸化炭素の排出量を減らすことができる住宅とし、、該当する建物に対しては、通常の住宅よりも住宅ローン控除や登録免許税の優遇枠を拡大する。

この低炭素住宅の登場により、一般住宅、長期優良住宅と併せ、建物の区分がさらに複雑となった。この件に関しては、日々日常、建物に携わっているハウスメーカーや設計士などが詳しい。私(不動産屋)では、認定される具体的な技術水準の違いやコストの増加(税金は軽減できても建築費も増加する)について、正確な回答はできません。

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2012年05月02日

平成24年5月分住宅ローン実行金利

各銀行より平成24年5月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な5月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように優遇適用後で表示します)

◇千葉銀行
 変動金利:0.875〜1.275%
 10年固定:1.850%
 全期間固定:2.360%

※保証料要。
※期間固定の場合、固定終了後の優遇幅は▲1.4%
※借入・審査内容により優遇条件の見直しあり。

◇京葉銀行
 変動金利:1.275%
 10年固定:1.950%

※配偶者が保証人となれば、保証料不要。(期間限定)
※期間固定の場合、固定終了後の優遇幅は▲1.0%
※借入・審査内容により優遇条件の見直しあり。

◇みずほ銀行
 変動金利:0.875%〜1.075%
 10年固定:1.550%〜1.750%
 全期間固定:2.400%

※保証料要。
※金利優遇幅は借入・審査内容次第で可変。
※自己資金20%超の場合、この他の優遇設定あり。

◇三井住友信託銀行
 変動金利:0.775〜1.075%
 10年固定:1.450〜1.750%
 30年固定:2.350〜2.650%

※保証料要。
※金利優遇幅は借入・審査内容次第で可変。
※期間固定の場合、固定終了後の優遇幅は▲1.4%

◇中央労働金庫
 変動金利:1.225%(1.075%)
 10年固定:1.550%(1.400%)
 35年固定:2.650%(2.500%)

※()内は中央労働金庫規定の会員優遇。
※保証料要。
※期間固定の場合、固定終了後の優遇幅は▲0.4%

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変動金利は変わらず、固定系の金利水準は、全体的に下がりました。先日の日銀による金融緩和措置で、長期金利が下がった影響だと思われます。

住宅ローンの金利を引き下げる、低水準で推移するのは、金融緩和、貸し出し増加方向なのですが、現場の審査は厳しい傾向になっております。

景気が悪いことで金利が引き下げている。景気が悪く将来不安から審査は厳しくなっている。どんなことでも、裏表がありますね。

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