2009年12月08日

持ち家推進政策

国民新党の亀井代表が目立ちすぎて、肝心の内容が隠れてしまった感のある第二次補正予算案。正式には今後の政局次第になりますが、住宅に関連するものをご紹介させて頂きます。

まず目立ったのは、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携した長期・固定金利型の住宅ローン(フラット35)の金利を下げること。平成22年中の申込者に限り、当初10年間の金利を通常より1%下げる方向で、対象物件が省エネ、バリアフリー、耐震などのいずれかを満たすことを条件にする。現在もこれらの物件を対象に当初10年間の金利を0.3%優遇する仕組みがあるが、その下げ幅を1%に拡大するもの。

優良な住宅(長期耐久性)に対して優遇措置を取り、建物のクオリティを上げることにより、購入後の資産価値低下を緩やかにして、家計資産を健全にする、老後の生活安定に寄与する方向性は悪くはないが、当初10年間の金利優遇は、11年目以降の金利上昇・返済額増加による家計負担増加は、問題になった「ゆとりローン」と同じような仕組み。

購入しやすい環境を作り、住宅購入促進へ導くことにより、景気回復へと繋げる、という発想は、自民党時代と何ら変わらない。景気回復のために、国民に住宅を購入させる、というものは業界にとってありがたい話であるが、果たして国民にとっていいものなのか。景気回復することそのものは国民にとってもいいのだろうが、そのために住宅を購入させられる国民はたまらない。

たまたま、家族状況や人生の中で、購入してもいいタイミングの方であれば、購入しやすい環境であることは望ましいかもしれない。しかし、購入するタイミングではない方が、購入しやすい環境だからといって進めていくのは失敗になる可能性もある。そもそも、購入・持ち家=正義、という流れ、風潮そのものがよくないのではないか。持ち家がいいか、賃貸がいいかは、人それぞれによって判断が分かれるものである。

特に今回は、住宅ローンの部分に対する政策であり、購入のしやすさに危険が伴うものである。通常の金利でも問題なく支払える人にとって、金利が低くなることは悪いことではない。怖いのは、通常の支払いでは厳しい人が、金利優遇により支払えると錯覚して購入してしまうことである。11年目以降に収入が増加しているなら問題はないが、この時勢を考えると、たまたまの運だめしみたいなものである。

今回の枠組みでやるなら、全期間優遇してもらいたいものである。または、住宅ローンの部分に手を付けるのではなく、購入もしくは住宅事情、全体に対しての政策にしてもらいたかった。この他に第二次補正予算案で取り上げられたものは、民間金融機関の保証料引き下げ、住宅版エコポイント。どうしても国としては住宅を購入させたいらしいようである。賃貸に暮らす人、すでに購入している人、は、苦しいままである。

自民党時代に導入された史上最大規模の住宅ローン控除。この持ち家推進政策の効果は、いまいちらしい。その原因は、根本的な雇用、収入面が低迷していることや、住宅ローン控除を打ち消す規模で進む資産デフレなどが、購入を踏み留まさせる。政治、行政が考えるよりも国民の方が一歩上にいっている。周りを見ず、簡単に、目先の餌へは食いつかない。

生活に大きな影響を与える住宅政策は、安易に取り組まず、コロコロ変えないで欲しいが、政権交代しても変わらないようなので、我々、住宅にかかわる者が、目先の政策に振り回されることなく、しっかりとアドバイスしなければならない。最後の防波堤になれるのは、現場に立つ人なのだから。

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2009年12月03日

プラチナタウン(楡周平著)

地方疲弊、財政赤字から政治行政、介護、雇用、住宅問題に切り込んだ会心作。展開や実現性など、あくまでも小説の中ではあるが、気をてらうことなく、現実に即し、しっかり調査したことがうかがえる。不動産関係者必読、業界側の心理としては消費者に読まれるときついが、消費者側も読むべき。住宅から人生まで考えさせられる。

以下、アマゾン紹介文

総合商社部長の山崎鉄郎は、一寸したつまずきから出世街道から外された上、150億もの負債を抱えて平成の大合併からも爪弾きされた故郷・緑原町の町長を引き受ける羽目に陥ってしまう。鉄郎のビジネススキルを当てにする故郷の人々。しかし、町長に就任してわかったことは、財政再建団体入りは不可避といえるような、想像以上にひどい現実だった。

そんな中でさえ、事態の厳しさが認識できない人々、相も変わらず私腹を肥やそうとする町議会のドンなど、鉄郎の前に田舎ゆえにまかり通る非常識が立ちはだかる。そんな困難に挫けず、鉄郎が採った目からウロコの財政再建策とは?一発逆転の大勝負ははたして成功するのか?

核家族というライフスタイルを造った八百万団塊世代の定年で本格化する「老人問題」、地方交付税や国県補助金の減額でますます強まる「地方の疲弊」、大型団地だけでなく都市部の私鉄沿線でも始まった「町の虫食い化」など、現代が抱えるビビッドな社会問題を、追いつめられた男・山崎鉄郎と周りに集まったユニークな人々が、様々な困難を乗り越え痛快に解決していく、著者の新境地を示す新社会派小説、ここに誕生!


以下、気になるポイント(社会現象、問題)

・家族よりも仕事優先に30年働いて、家庭内別居、熟年離婚の危機。
・上司に些細なことで嫌われ左遷辞令。
・税金を食いつぶす役人たち、多額の借金で破綻寸前の行政団体。
・退職金、年金に加わる第三の老後資金は自宅の活用。
 リバースモーゲージ、売却、賃貸。
・マンションを購入し、住宅ローンの返済が終わった頃に、
 いくらで売れるか、あと何年使えるか。
・大規模団地や郊外の住宅地では高齢化が進み、
 空き家も増え、住居の虫喰い状態が始まっている。
・今後の住宅市場として中古住宅と貸し家が伸びる、
 そこにビジネスチャンスがある。
・老後をある程度快適に過ごすためにはお金が必要。
 残念ながら選別されてしまう。
・介護職員の低賃金問題と高い施設入居費用。
・スーパーにはその地域の生活レベル、町の文化が如実に表れる。
 住居を決める際に、最も効率的に、その土地の雰囲気を把握するには
 スーパーを訪ねること。

本書内では、具体的に、現実的に、詳しく書かれておりますので、一度、手にとって、住宅から老後のことまで、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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2009年12月01日

住宅ローン12月分実行金利

各銀行より平成21年12月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な12月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.275%
      三井住友銀行:1.475%
      みずほ銀行:1.475%
      千葉銀行:1.475%
      住友信託銀行:1.075%
      中央三井信託銀行:1.175%
      三菱UFJ信託銀行:1.275%
      中央労働金庫:1.225%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.15%
      三井住友銀行:2.35%
      みずほ銀行:2.35%
      千葉銀行:2.25%
      住友信託銀行:1.95%
      中央三井信託銀行:2.05%
      三菱UFJ信託銀行:2.10%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.45%
      三井住友銀行:2.65%
      みずほ銀行:2.65%
      千葉銀行:2.65%
      住友信託銀行:2.25%
      中央三井信託銀行:2.35%
      三菱UFJ信託銀行:2.15%
      中央労働金庫:2.05%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:3.05%
      三井住友銀行:3.25%
      みずほ銀行:3.25%
      千葉銀行:3.05%
      住友信託銀行:2.75%
      中央三井信託銀行:2.95%
      三菱UFJ信託銀行:2.75%
      中央労働金庫:2.10%

・35年固定 三井住友銀行:3.08%
      みずほ銀行:3.70%
      千葉銀行:2.90%
      中央三井信託銀行:2.93%
      中央労働金庫:3.35%

※自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

今月の住宅ローン金利動向は、短期横ばい、中期小幅上昇、長期小幅低下、総じて、ほぼ横ばい、11月と同水準程度となりました。

11月の長期金利動向は乱高下という様相で、12月の適用金利がどうなるのか読めませんでしたが、結果、どちらにも偏らずに終わったようです。

来年は、財政的な問題や為替の影響がどのようにでるのか読めません。ただし、これよりも低下することはないとは思われます。

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