2009年05月26日

中古住宅保険

 新築住宅の瑕疵担保保険「中古住宅」版ができる見込みになったと、日本経済新聞(平成21年5月26日)で報じられた。

『中古住宅に新保険』

 政府は中古住宅の売買を活発にするため、来年度にも新しい保険制度をつくる検討に入った。保険に加入すると、買ってから5年以内に雨漏りなどの欠陥がみつかれば、かかった補修費用を最高1000万円まで支払う。保険を普及させ、中古住宅の品質への不安を和らげる。良質な中古住宅の流通を促して住宅購入で新築以外の選択肢を広げ、住環境の改善につなげる。

 耐震偽装事件を受け、政府は10月から新築住宅の売り主に保険加入(供託でも可)を義務付ける。新保険は加入が任意な点は異なるが、その中古住宅版といえる。

 具体的には、不動産会社など中古住宅の売り主が保険に加入する。国土交通省が指定する「住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人」が中古住宅の品質を検査したうえで保険を引き受ける。

 保険に加入すると、住宅の引き渡しから5年以内に雨漏りや床の傾きなどがみつかれば、買い主が売り主に補修工事を要求できる。売り主はかかった補修費の八割、上限1,000万円まで保険金を受け取れる。

 仮に売り主が経営破綻した場合、買い主は保険金を直接請求できる。保険料は検査料を含めて10〜15万円になるとみられる。

 売り主が個人の場合は「欠陥の補修責任を負わせるのは難しい」との指摘がある。このため、保険法人が検査を委託した住宅検査会社に責任を負わせる案などがある。

 保険に加入できるのは耐震基準が厳しくなった1981年以降の一戸建てやマンション。それ以前の物件が保険に入るには、耐震診断に合格する必要がある。

 26日の社会資本整備審議会で国交省が保険制度の概要を示す。住宅保険法人に取り扱いを働きかけ、来年度には保険販売が始まる見通し。

 国交省によると住宅売買全体に占める中古住宅の比率は、米国や英国が70〜90%なのに対して日本は13%にとどまる。

引用元:日本経済新聞


 この保険制度は、中古住宅市場の整備を進める方針の一環です。記事の最後に記載されている通り、諸外国と比べ、中古住宅流通の比率が少なく、スクラップアンドビルドを繰り返す日本の住宅環境を改善しなければ、消費者の負担や資産形成に影響し、大きくは環境にも影響する。

 新しく制定される保険制度は、売り主が不動産業者の場合に限るもので、中古住宅の大半を占める一般の方が売り主の場合には有効な手段とならない。

 購入者側が中古住宅に目を向けるには、売り主の形態に関わらず、安心が得られる制度が必要である。しかし、これを一般の方へ行政,法律で強制するのは難しい。

 このような状況は現場で携わる不動産業者などは見抜いており、あちらこちらで、中古住宅分野への進出や新事業を模索されている。すでにホームインスペクションなどは動き出しており、今後もおそらく、行政が打ち出すものより購入者に支持されるサービスなどが民間から出てくるであろう。

 なにも行政側を非難しているわけではない。住生活基本法制定後の動き,方向性はよい。中古住宅に光をあて、事業者,消費者を導いている功績は大きい。いま確実に、世の中,社会の流れは中古住宅に向かっている。今後、住宅を購入しようと思っている方は、この点を十分に理解することが大切です。

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2009年05月21日

土地のグランプリ

 麻布、白銀、広尾などの都心にある閑静な住宅地。田園調布、成城、自由が丘などの邸宅街。吉祥寺、二子玉川、下北沢などの住みたい街ランキングで上位の常連。

 このような有名な街から知られていない街まで、首都圏の代表的な住宅地を取り上げて評価した“土地のグランプリ”が講談社MOOKより発売されている。

 2年前、日本経済の調子も良く地価が上昇局面にあった頃、初めて“土地のグランプリ”が発売され、町丁目単位で格付けして話題になった。今回はその第二弾。(かな?)

 ただし、前回は首都圏に加えて中部,関西も網羅したが、今回は東京都心部に注力している。千葉県内では、前回が東京通勤圏を広く網羅したが、今回は千葉県内は市川市,浦安市に絞られている。町丁目単位という細部にわたる分析と格付けの色合いを濃く、浅く広くから狭く深くというスタンス。

 住宅購入のサポートをする立場として、エリアは違えど、興味を持って読めるのかと思っていたが、読み進めていくうちにテンションは下がってしまった。

 土地のグランプリであるから、各エリアごとに定評がある住宅地が取り上げられる。どのエリアを見てもグランプリに登場する街は、それはもう素敵な街ばかり。記事を読んでも写真を見ても、どの街にも住みたくなる。

 しかし、取り上げられる街の地価を見れば、坪300万円だ、400万円だと、こんな地価で土地が買えるのか、と思える場所ばかり。私が千葉県に仕事場も住まいもあることから、感覚が違うにしても、こんなところを買えることが不思議で仕方ない。

 もうちょっと細部の住宅地を見ても、地価は坪100万円を下る場所はなく、30坪の土地を買ったら、土地だけでも4,000万円、5,000万円となりそう。これに建物を3,000万円だ、4,000万円だとかけたら、トータルの予算は1億円近い。

 こんな感じであるから、一般的な人がグランプリに登場するようなエリアで住宅を購入しようとしたら、建て売りかマンションしかない。それでも6,000万とか7,000万円にはなるのではないか。

 不動産を購入する際は、金額に関わらず慎重に行うべきであるが、このような高額の予算を出して住宅を購入する場合は、なおさらのことである。購入した建て売り住宅に問題が見つかった。暮らし始めたマンションが合わない。住宅ローンの返済で家計が苦しい。など。

 高額になればなるほど、なにかしらの事情が出た場合、取り返すにはかなりの労力や資金力が必要となり、挽回しづらいものである。

 それでもなお、グランプリに取り上げられるような街に住みたがるのはなぜか。生活や通勤などの日常的な利便性もあるだろうが、グランプリにを見ていて共通するのは街並みなどの雰囲気である。

 不動産の相場は理論的なこと以上に、みなが住みたがる、人気がある、などの感情的なことに左右される。資産価値がある、資産価値が落ちないというのは、住みたがる、人気がある、そして、これが続くことである。

 街並みがよく雰囲気がいい→人気がある→資産価値がある、という流れを逆に考えると、資産価値が落ちないエリアは人気があるエリア、人気があるエリアは街並みがいい、と。このことからみれば、資産価値を重視してエリアを決めるなら街並みを見ることが大事になる。

 街並みの良さは都市計画で整然とした街が代表的なものであるが、密集住宅地でも、緑、歴史、文化などの要素が混ざると風格ある雰囲気が醸し出される。

 グランプリに出てくるような街はすでに高値となってしまっている。まだ見いだされていないエリアで、街並みなどがよい場所を見つけることができたら、お買い得になるかもしれない。

 どの街がランキングに入っているのか、その理由を知りたい方は、本書を手にとってみてください。

 余談)グランプリに出てくるような街はすでに住宅地が形成されています。開発の余地も少ないことから、戸建てにしろマンションにしろ、新築は厳しい状況。エリアを重視して中古住宅,マンションを視野に入れるのが良いのかもしれません。

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2009年05月13日

アウトレットマンションは買いか?

◆アウトレットマンションは中古マンション

 “さらにお買い得なアウトレットマンション”というフレーズであれば、それは間違えです。しかし、アウトレットマンションがすべてダメ、ということではありません。なにか、禅問答のようになってしまいましたが、アウトレットマンションだからお買い得、ではなく、お買い得もあれば、そうでないものもある、ということ。個々の物件ごとの判断で結果は変わります。

 そもそも、アウトレットマンションという言葉は、昨年のリーマンショック以後に定着したものです。金融引き締めによる影響で資金繰りに窮したマンション分譲業者が、換金目的で再販業者に売れ残ったマンションを売却し、買い受けた再販業者が売り出す際に「アウトレットマンション」と名づけたものが、投売りなどのマイナスイメージを和らげ消費者受けするイメージとして一気に業界へ拡がりました。

 アウトレットマンションの中身は、特別に目新しいものではなく、従来からあった再販物件、新古物件、未入居物件であり、誰も住んだことがない「中古マンション」でしかありません。しかし、中古になると、いわゆる新築プレミア分(新築であることでの金額上乗せ)の評価が落ちるのですから、その分はお買い得とも考えられます。大事なのは、立地や建物のクオリティ,管理などで所有後に評価される価値であって、購入時の評価がいくら高くても意味がありません。※見栄としてはあるのかもしれませんが。

 アウトレットマンションを含め中古マンションの良さは、完成した状態で見られること、建設途中での破綻リスクが減少すること、契約から決済,引渡しまでの時間差が短く金利変動リスクが減少すること、すぐに引っ越せることなどがあります。特に大手マンション業者でも倒産するこのご時世では、完成までに時間がかかる物件には不安があります。

◆お買い得なアウトレットマンション

 個々のマンションがお買い得かどうかは、マンション市場のなかで比較検証して判断できます。このような不況下でも、売れ行きが良いマンションもあるなか、アウトレットマンションになるということは売れ残ったということです。建物などに致命的な欠陥がない限り、市場よりも割高だから売れ残ったのであるから、この割高分が削られたら適正価格、さらに、値引きや家具,家電,諸費用負担などが得られればお買い得と言えます。

 アウトレットマンションを判断する際に、対象となるのは中古マンション市場です。新築マンション市場と比べても意味がありません。失敗の元になります。もっと言えば、生活の基になる住まいを購入することであって、新築マンションありきという考え方が間違えの元です。

 中古マンション市場で売り出されている同程度で同じような立地の物件は、当然、アウトレットマンションよりも築年数が古く、その分だけ安いと思います。ここで、新しさを取ってアウトレットマンションにするか、安さを取って中古マンションにするかは、個々の判断になります。もし、中古マンションと同じくらいの価格、もしくは割安さとなるサービスなどがあれば、その分はお買い得と言ってもいいでしょう。

 また、なぜ売れ残ったのかを検証する必要もあります。投売りをしたマンション分譲業者が好景気や会社の規模拡大だけを目指して、本来、マンションの立地ではない郊外のバス便の地域で分譲し、マンション最大の売りになる立地に問題があるのなら、安かろう悪かろうの典型になるかもしれません。アウトレットマンションとして割安に購入したとしても、所有時もしくは売却時に割安に売らなければならないのなら、お買い得ではありません。

 その他、アウトレットマンションの注意点は、中古マンションとなるため、新築マンションであるなら得られた保証や税金の優遇なども不利になることもあります。逆に、修繕積み立て一時金などが価格に組み込まれたり、表示登記が不要になるなど有利になる面もあり、価格だけでは比較できません。

 お買い得、金利が低い、税制が有利、という外部要素は、購入の後押しとはなります。しかし、何を購入するか、いつ購入するか、などは、お買い得などの外部要素ではなく、ご家族や今後の生活などの内部要素で決めるべきです。

◇ポイント

・アウトレットマンション、即、お買い得ではない。
・アウトレットマンションは中古マンション。
・お買い得かどうかは中古マンション市場と比較検証して分かる。
・お買い得だから買うべき、選んで良いかは分からない。

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ハウスメーカー倒産の被害

 富士ハウス、アーバンエステートという中堅ハウスメーカーの倒産により、多額の被害を受けた注文主が多く出ており、この被害は耐震偽装事件と匹敵すると思われるが、メディアの注目度、関心度は、あまりにも違いがある。

 耐震偽装事件の時を思い出すと、連日のようにメディアで取り上げられ社会問題となり、建築基準法の改正など、消費者保護へと繋がったが、今回はメディアがひっそりとしており、消費者保護への改善は期待できない。

 耐震偽装のときとの違いは、視聴率が取れる「姉歯建築士、ヒューザー元社長」のようなキャラがいないこと。メディアが取り上げる基準は、生活や社会への影響にはなく、視聴率が取れるかどうかのみであるという感じを受け、さびしく思う。

 このように、メディアが今回の問題を取り上げないなか、やはりというか、ようやく、朝日新聞が、今回の被害状況と根本的な原因などを徹底的に取材し、核心まで踏み込んだ記事を掲載した。

◆2千万円払ったその日に… 注文住宅業者倒産の被害例

 注文住宅のために多額の前払い金をつぎ込んだら、いきなり業者が倒産。お金は返らず、住宅は仕上がらず、途方に暮れる――。そんな悲劇が首都圏などで相次いでいる。トラブルを避けるには、安易に営業トークにのらず、業者への支払いに細心の注意をするしかないのが現状のようだ。

 新築の家屋が立ち並ぶ東京都清瀬市下宿の一角。その1区画分の更地を前に、「本当に悔しい」と会社員の男性(28)が話した。

 4月末には2階建て103平方メートルのマイホームが建っているはずだった。社宅のマンションから出て、家を建てようと考えたのは昨年9月。まもなく2歳になる娘の成長を考えて、富士ハウスに発注。だが、今年1月29日、2千万円を振り込んだその日に同社は破産した。

 営業マンが「1%割り引くので全額払った方が得」と何度も食い下がるので、「どうせ払うものだし」と振り込んでしまった。営業マンも「大丈夫」と言っていた。昨秋から資金繰りが苦しくなっていた同社が営業マンに、前払い金を多く払わせるよう指示していたことを後で知った。

 「甘かったが、あれだけの大手が簡単に倒産するとはどうしても思えなかった」

 倒産当日に振り込んだこともあり、管財人が「道義的な責任がある」として半分の1千万円を返してきたが、残りの1千万円は両親からの借金だ。これとは別に、2400万円の銀行ローンも組んでいる。銀行は「あと1千万円かりて、家を完成させたらどうか」と言うが、いまは5月から始まる月10万円超の返済で頭がいっぱいだ。

 栃木県さくら市にも建設途中の家がある。同じ富士ハウスの物件だ。発注した女性(30)は「もう4カ月もこのまま。一体どういう状況なのか、情報がないことが不安にさせる」と話す。

 女性は、母親(55)と夫(35)、長男(8)の4人暮らし。ある程度の貯金もできて新居での暮らしを思い描き、08年11月に着工。すぐに建築費の全額2千万円を振り込んだが、工事は今年1月にストップ。屋根は仕上がらず、内装には手が付けられなかった。予定通りに完成させるにはさらに800万〜1千万円が必要と言われている。雨ざらしの「自宅」を前に、残るのは「あきらめの気持ちだけ」という。

 神奈川県茅ケ崎市にも家が建つはずだった更地がある。請負業者はアーバンエステート。発注した男性(37)は母親(63)と2人暮らし。将来の結婚を考え、それまで住んでいた家を2世帯用に建て替える計画だった。昨夏、営業マンから「早めに前受け金を払えば5%値引きする」と勧められ、設計段階だったが建築費の7割にあたる2千万円を振り込んでしまった。「家を建てるのは初めて。相手に言われればそんなものかと思った。ただ、見積もりを取った4社のうち、3社が倒産した。こんなことは普通の消費者には分からない」と話す。

    ◇

 宅地建物取引業法(宅建法)が適用される建売住宅やマンションの場合には、メーカー側が倒産しても前払い金(手付金)を救済する仕組みがあるが、同法の対象外である注文住宅にはこうした仕組みが十分に整っていないためとみられる。顧客側はほとんど救済されないという。注文住宅は約2万5千社の業者が年に約30万戸建築しており、被害の拡大が懸念される。

 被害が出ているのは、いずれも破産した富士ハウス(浜松市)やアーバンエステート(埼玉県川口市)の顧客だ。

 富士ハウスは、関東や関西、東海で注文住宅の請負を展開。08年3月期の売上高は418億円だったが今年1月末に破産、グループの負債総額は638億円。破産管財人によると、顧客が前払い金を支払い済みなのに着工にも至っていない分が1438件、未完成の分が420件あり、被害総額は55億円に上る見通しだ。大阪や京都などの関西圏でも数百人が、名古屋、三重など東海地方でも数百人が被害にあっている。(小川弘平、座小田英史)



 今回の問題は、倒産した会社にもあるのだろうが、耐震偽装と同じく、行政側に問題がある。

 不動産業者が新築住宅を販売する際、完成までの間、代金の5%または1,000万円を超える金額を受領する場合は、保全措置(保証もしくは保険など)を取らなければならない。完成した場合でも、代金の10%または1,000万円を超える金額になる場合は同じ。さらにどのような場合でも20%を超える金額を受領できない。※契約後引渡しまで、当然、引渡し時には全額受領できます。

 これは、完成までに不動産業者が倒産した場合、被害を減らすために行われている。まさに今回のようなケースである。しかし、新築住宅の建築では、このような規定がない。手付金や中間金を完成前にいくらでも受領できるのが建築請負契約。※完成保証制度もあるが任意。

 不動産取引業務を行うには、どんな小さな取引でも、宅地建物取引業の免許が必要であるが、建築の場合、500万円以下の取引しか請け負わない場合は免許が要らないなど、不動産業界と比べ、建築業界への取り締まりは甘い。

 今回の朝日新聞に続き、各メディアでも大きく取り上げ、建築行政へプレッシャーをかけることを期待したい。しかし、被害者の「CMをバンバン流している会社だから安心した」というコメントに怖がってできないかな。

(余談)

 同じく本日の朝日新聞に、母子加算廃止で高校や修学旅行に行けないという悲しい記事と、補正予算の大盤振る舞いという情けない記事が、同じ5面に掲載された。母子加算の費用は200億円、定額給付金の事務費800億円、庁舎の建て直し何千億円。お金の使い道、おかしくないですか?

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2009年05月10日

住宅購入を避けるべき3つの理由

 週刊ダイヤモンド5/16号の特集“大失業・減給危機”に「家計支出の賢い減らし方」という記事が組まれました。骨子は、固定費の見直しとし、3大支出である住宅,クルマ,保険の支出を減らそうというもの。住宅は賃貸へ、クルマは都市部なら所有しない、保険はなるべく加入しない、という助言です。

◆マイホーム購入を避けるべき三つの理由(概略抜き出し)

 今後、超高齢化社会を迎えることから(高齢者の住居を)社会的に無視できず、(賃貸であることでの老後の住宅不安)は無用だろう。

 住宅ローンのような長期負債を抱えることは、支払い能力が不安定な環境下ではあまりにリスクが高過ぎる。住宅ローンを完済する頃には住宅資産価値はゼロになり、土地価格で評価される。(理由1)

 住宅ローンの頭金として支払う金額を複利運用する方が有利。(理由2)

 そして、人生のそれぞれの段階に応じて家族の形態は変化し、住宅に求めるものは変わってくる。(理由3)



 住宅購入に対しての見方はそれぞれである。右から見た場合、左から見た場合、それぞれ反対の見方になる。今回提示された考え方も、間違っているわけではなく、受ける当人がどう考え判断するのかでよいが、あえて反論をしてみた。

 老後の不安は、年金不信のなか、ほとんどの方が感じている。対応としては、貯蓄,備蓄しかない。この蓄えを、預金でするのか、不動産という資産でするのか。確かに、老後の住まいの提供,供給は増えると思われる。ただ、相手がどう出てくるのか読めないことをどう考えるか。やはり、自力で動ける住宅確保という面も否定はできない。ただし、貯蓄をしておいて、老後に購入するという手もある。

 住宅ローンの長期負債を抱える不安は確かにその通りでしょう。しかし、住居費負担が暮らしていく限りあるのは賃貸でも変わらないので、住宅ローン即否定ではなく、金額や状況に応じて判断は分かれるのでは。また、住宅資産価値が早期にゼロとなるという点も、行政,業界として改善に取り組んでいるもので、購入する内容によって分かれる。

 複利運用の前提として年3%を想定しているが、30年という長期に渡って、この運用実績が絶対確実とどこまで言い切れるのか。住宅ローンの支払い源の確保より読み切れないのでは。

 人生それぞれの時期に応じて求める住居の変化はその通りである。ここも行政,業界として改善しようとしている。スケルトンインフィルというライフステージの変化によって住居を臨機応変に変えていこうという考えが代表的なものである。また、中古住宅の市場整備を推進し、暮らしに応じて住み替えしやすい環境を実現しようと動いている。

 この反論は、提示されたものが間違っているというわけではなく、こういう考え方もあるのではと示したもの。記事で書かれている内容も、一方からの見方としては正しい。

 住宅購入を考えている方にお伝えしたいのは、断片的な情報に固執せず、柔軟に大局から鳥瞰して判断してもらいたい、ということです。

 今回は住宅に関する点だけを取り上げましたが、クルマ,保険の支出のことやその他の記事に興味ある方は、是非、週刊ダイヤモンド誌を手にとってお読みになって下さい。

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2009年05月07日

体に染みこんでいる感覚

 今年のGWは二日間休みを頂きました。

 4/29(昭和の日)、5/3(憲法記念日)、5/4(みどりの日)、5/5(こどもの日)に、今年は5/6(振り替え休日)と、カレンダー通りの土日が入ってGWになりました。

 この中で、5/3と5/5は、子供の時から変わらないので、違和感もなく、また、呼び名は違えど、4/29も昔から休みですんなり入るが、5/4は習慣がついた後にできたもので、今でも何の日?と首をかしげてしまう。

 同様に、今でも、成人の日は1/15、体育の日は10/10というのが体に染みこんでいるので、違和感を感じてしまう。

 おそらく、住まい探しでも同様のことが言えるのではないか。体に染みこんだ住まいの感覚は、どなたにもあって、そこから大幅に逸脱した住まいや地域は選びづらい。

 体に染みこんでいる住まいと感覚的に近くて、すんなり違和感がなく入れる住まいをアドバイスする方は提案するのがよいのではないでしょうか。

 実務的にも、3連休が増えたのは、ちょっと動きづらい。役所や銀行が開いている日が途中にあったり、資料の準備や下見などの動く日が間にあった方が対応しやすい。

 ETC1,000円乗り放題も休日に限りで、土日が仕事の人のことなど、政策的には無視されてしまう。

 土日祝祭日お休みのお役人様の方々が決めるものですので、致し方ないのでしょうか。

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政策による影響

 GWはいかがでしたか?

 今年のGWは、良くも悪くもETC1,000円均一が目玉でした。

 鉄道や飛行機と比べ、家族旅行では、自動車を利用した方が、交通費負担が少なくなる。さらに、均一料金の効果もあって、自動車を利用した旅行が増えたと思われます。

 このため、今年のGWは、年末年始やお盆休みの帰省ラッシュ以上に、高速道路の渋滞が激しくなりました。

 私は、GW期間中、2日間お休みを頂きました。(神奈川の同業者には、休んだ?と怒られてしまいましたが)

 この2日間、我が家も車で出かけたのですが、幸い、渋滞には一切巻き込まれませんでした。

 1日目は、神宮で東京六大学野球観戦。

 たまたまなのですが、これは斎藤佑樹が登板予定と知ったためです。例年なら、千葉県高校野球春期県大会を見に行くのですが、今年は注目される高校もなく、予定変更です。

 2日目は、釣り堀で坊主。

 これも例年なら木更津方面へ潮干狩りに行くのですが、毎年、渋滞、混雑に巻き込まれるため、予定変更です。食いが悪くなる昼頃からの時間帯と、釣り人の多さで、坊主の結果でしたが、大きなマダイを1匹サービスでもらいました。

 魚をさばくのは、男の仕事っぽい印象もありますが、肉屋のせがれである私には、魚をさばく経験もなく、悪戦苦闘。タイって大きくて骨も太く、けっこう大変です。しかし、なんだかんだと身も多くて、3日経っても、まだ、タイの料理が食卓に並びます。

 ニュースで大間のマグロが何百万円と市場のセリで値段がつくのをみて、そんなんで採算に合うの?と疑問でしたが、さばいていくと、思ったより食べる量があるものです。

 さて、余計な前置きが長くなりましたが、今回のETC均一料金という政策などで、生活や社会が影響されるのは、住宅、不動産の分野でも同じです。

社会資本整備審議会産業分科会不動産部会,中間とりまとめ

 国土交通省の社会資本整備審議会(産業分科会,不動産部会)より、今後の不動産取引と流通のベースとなる「中間とりまとめ」が今月発表された。

ホームインスペクション

 住宅のあり方を抜本的に見直す“住生活基本法”では、住宅の資産価値向上が第一の目的と言ってもよい。

住生活基本法:裏の意図

 住宅ローン減税、住宅取得のための贈与税非課税枠拡大。経済成長、景気回復のために、相変わらず、国の持ち家政策は続いている。

'09追加経済対策素案を見て

 10兆円の新たな国債発行積み増しによる経済対策が政府・与党より発表された。これにより国債発行額は過去最大となる43兆円となる見通し。

 ここ最近打ち出された政策を列記してみました。即効性があるものから、今後長期にわたり変革を及ぼすものまで様々です。短期的な内容は、その時々の損得,有利不利で検討すればよく比較的わかりやすいですが、注意するのは長期的な内容。

 住宅の購入は何十年と関わっていく性質から、今だけのトレンドや状況,考えなどで購入すると、長期的な流れや将来の状況に合わないこともあります。合わないとどうなるのか。それは、極端な言い方ですが、資産価値の減少に繋がる。

 もし、購入した家を売却することがあるとすれば、購入してから10年後、20年後、30年後になると思われます。そのとき、購入時に最先端とか流行りであったと言っても、売却時の状況や流れに合わなければ評価されません。

 質実剛健というような基本がしっかりした住宅の購入をお勧めします。目先の華やかさなど表面的なかっこよさに惑わされないでください。結婚相手を選ぶのと同じです。(両方兼ね備えているのがよいのでしょうが)

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2009年05月02日

住宅ローン5月分実行金利

各銀行より平成21年5月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な5月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.275%
      三井住友銀行:1.475%
      みずほ銀行:1.475%
      千葉銀行:1.475%
      住友信託銀行:1.075%
      中央三井信託銀行:1.175%
      三菱UFJ信託銀行:1.475%
      中央労働金庫:1.225%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.15%
      三井住友銀行:2.35%
      みずほ銀行:2.40%
      千葉銀行:2.25%
      住友信託銀行:1.95%
      中央三井信託銀行:2.05%
      三菱UFJ信託銀行:2.3%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.45%
      三井住友銀行:2.60%
      みずほ銀行:2.60%
      千葉銀行:2.65%
      住友信託銀行:2.25%
      中央三井信託銀行:2.30%
      三菱UFJ信託銀行:2.40%
      中央労働金庫:2.05%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.75%
      三井住友銀行:2.95%
      みずほ銀行:2.90%
      千葉銀行:2.75%
      住友信託銀行:2.50%
      中央三井信託銀行:2.605%
      三菱UFJ信託銀行:2.65%
      中央労働金庫:2.10%

・35年固定 三井住友銀行:3.95%
      みずほ銀行:3.83%
      千葉銀行:3.37%
      中央三井信託銀行:3.83%
      中央労働金庫:3.80%

※三菱東京UFJ銀行は自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

 各金融機関、各タイプとも、前月に引き続き小幅ながら金利を引き上げました。これは長期金利が1.4〜1.5%前後にじわりと上昇したためです。こう見ると、昨年末から年明けにかけての長期金利1.2%台が下限であったことになります。

 景気回復での金利上昇ではなく需給関係によるものですが、こうなると、金利動向がどうなるのか、どこまでの上昇余地があるのかに興味が集まります。

 一昨年頃の景気が良いと言われていたときで長期金利は2%弱、過去10年を振り返っても、ほとんどの期間で2%弱でした。この結果から考えると、よほど経済事情に変化がないかぎり、長期金利2%が上限の目安となるのではないでしょうか。

 景気回復なのか、需給関係なのか、どちらの理由になるか分かりませんが、住宅ローンの金利水準は0.5%程度の上昇余地があると推測してもよいかもしれません。なお、変動金利は日銀の政策金利に連動しますので、長期金利の動きとは直接関係しません。

 ここで考えられる案は、短期固定で借りたあと、金利上昇したとしても中長期の金利を超えることはなく、返済総額からみて有利になるのではないかというものです。

 急激な経済情勢の変化などによる金利上昇リスクを背負うことになりますが、ひとつの検討材料になるのではないでしょうか。※金利上昇リスクを別に手当てしカバーすることもできます。

 当たるか外れるか、一切の責任は負いませんが、なんでもかんでも長期固定が安全と頭ごなしに決めるのではなく、それぞれのリスクや返済パターンなどの見比べてご検討してみてください。

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2009年05月01日

不動産取引と流通の行く末

 さくら事務所の“ホームインスペクション,セミナー”に参加した際、国土交通省の社会資本整備審議会(産業分科会,不動産部会)より、今後の不動産取引と流通のベースとなる「中間とりまとめ」が今月発表されたと聞き、探していた資料(中間とりまとめ)がようやく見つかりました。

 この中間とりまとめのなかで、具体的な検討項目と不動産市場の状況と課題をピックアップし、ご紹介します。(詳細の内容は中間とりまとめをご参照ください)

◇社会資本整備審議会産業分科会不動産部会,中間とりまとめ

1)具体的な検討項目

1.購入者等に対するより適確な情報提供のあり方
2.「告知書」・「インスペクション」の活用
3.賃貸不動産の適正な維持管理のための方策

2)不動産市場をとりまく状況と課題

(住宅市場の課題)
○人口減少、少子高齢社会において、国富である住宅を資産として最大に利活用することは喫緊の課題である。
○また、省資源、環境保全の観点からも、住宅を長期にわたり使用し建替えを減らすことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものであることから、既存住宅の価値を維持し、良質なストックを形成することが求められている。
○さらに、国民のライフスタイルの多様化に伴い、住まい方についても多様なニーズが生まれている。
○このため、流通市場の活性化を図り、国民がライフスタイルに応じた住生活を送ることができるような環境を整備することが求められている。

(既存住宅市場の課題)
○ストック重視の住宅政策を推進するに当たっては、既存住宅市場の活性化が必要であるが、我が国の既存住宅流通シェア(既存住宅と新築住宅を合わせた住宅流通量に占める既存住宅の割合)は、欧米諸国と比べて圧倒的に低い状況にある。
○既存住宅市場の活性化を阻害する要因の一つが、買主からみた物件の品質に対する不安にあることから、品質に関する透明性、信頼性を高める取組が必要である。

(不動産市場における情報提供)
○不動産取引は、物件の品質や周辺環境、過去の履歴、契約条件や契約の相手方の信用力など、様々な情報を基に行われるものである。
○インターネット利用の急速な普及により、消費者は従来に比べ多くの不動産市場に関する情報に接することが可能となってきたが、それでも取引の当事者間には、それらの情報に関して「情報の非対称性」が存在することから、情報の信頼性の確保、適時適確な情報提供とそれに基づく適切な判断が行える環境整備が求められている。
○さらに、昨今は消費者による安全安心な取引に対する意識が高まっており、こうした消費者意識の高まりに応え、安心安全な取引を行える環境が不動産市場に求められている。

(賃貸不動産管理の課題)
○賃貸住宅(民営借家)は住宅ストックの4分の1以上を占めており、多様な国民の居住ニーズに応えるものとして必要不可欠な存在である。国民が日々の生活を送る基盤として、また、良好なストックとして長期間にわたり活用される上でも、適切な維持管理が行われることが必要である。
○消費者の安心安全な取引への意識も高まる中、賃貸不動産に関するトラブルは増加傾向にある。また、近年、家賃債務保証業など賃貸不動産管理に関する新たな事業も展開され、これらに関するトラブルも発生している。
○現行では、賃貸業、賃貸不動産管理業などの業務については、これらの業務を行う事業者に関する情報が不足するとともに、事業者の不適切な行為を防止するような事業者間での共通のルールが確立されていないという課題がある。
○なお、不動産投資市場の拡大に伴い、投資対象とされる不動産の価値の維持・向上のために不動産を適切に維持管理する管理業務の重要性が高まっており、これら管理業務の専業化の動向にも注視すべきである。



 この“中間とりまとめ”から、今後どのようになっていくのかを想像する。

 まず、これからの住宅環境の中心は、中古住宅と賃貸住宅になる。そのために、中古住宅流通市場と賃貸管理業の整備,制度作りが必要。中古住宅流通市場整備の核となるのが「告知書」「インスペクション」。重要事項説明の見直しを含め、一般の方を含む売主や不動産および関連業者からの情報提供の環境を整備することになる。

 これから中古住宅市場が活性化するに伴い、一般の方を含む売主と不動産業者が、情報提供への理解と積極的な取り組みをするかによって、資産額,売却額に大きな影響を与えることになる。

 自宅の価値を維持する,売却価格を高めるために、売却時点からでの取り組みでは間に合わない。明暗の分かれ道は、住宅購入時点まで遡る。購入時点から居住中、売却までの間、きちんと住宅を点検,整備し、不透明な要素をなくすこと。これが大きな明暗を分ける要素となる。

 資産価値,売却額が大きければ、それを担保にお金を借りることも、売却することも可能であり、老後の生活も含め、臨機応変な対応が可能となる。

 住宅ローンの検討でも、購入する住まいの検討でも、大局観を持って臨むことが大事である。

 なお、この中間とりまとめは、今後、同部会で実務上の問題点等の残された課題についてさらに審議を重ね、年内を目処に最終的なとりまとめを行なう予定。

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posted by preseek_shibata at 10:34| Comment(0) | TrackBack(2) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする