2008年12月23日

善管注意義務

善良なる管理者としての注意をもって処理する義務を略して“善管注意義務”と呼ぶ。これは不動産取引に伴うものだけではなく、広く契約行為に関する決まりである。

民法第644条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

不動産会社(宅地建物取引業者)にあてはめてみると、不動産取引を仲介もしくは代理する行為を行なう際、その者の職業や社会的地位、能力等において、社会通念上、一般的に要求される注意とされ、不動産会社は単に業務を処理するだけに留まらず、専門家、その道のプロとして標準的な注意を尽くす必要があるとなる。

広義で抽象的な決まりであり、どこまでの注意義務が専門家として問われるか難しいところであるが、過去の判例を見てみると、宅建業法に定めのある説明事項に留まらず、買主であれば購入の意思決定にあたっての過不足ない情報提供まで及んでいる。

さらに過不足ない情報提供というのもがどこまで含まれるかが争点となるが、通常の不動産取引で行われている業務を、手抜きやずさんな対応で怠ったものと認められると善管注意義務の違反になるとされる。

一般の方には、通常の不動産取引で行われるレベルというのも分からないため、最終的な判断は裁判までいくことになる。

◇違反と認められた例
・登記簿の閲覧を怠った
・行政調査ミス
・顧客からの特別な注文に関しての配慮ミス
・税制の説明ミス(専門家への確認を怠った)
・当事者の本人確認ミス
・取引相場の調査を怠った
・詐欺的商法の見逃し(確認すれば容易に判明した場合)
・近隣の嫌悪施設見逃し
・違反建築(中古)の見逃し

◇違反と認められなかった例
・専門家でないと分からない遺跡に関して
・大雨時の冠水被害を通常では予測できなかった

この善管注意義務に違反し、依頼者に損害を及ぼした場合は、損害賠償責任を負います。これは直接の依頼関係がなくても、請求されることがあり、従業員が行なった行為でも業者に責任が及びます。

ただし、善管注意義務があったとしても、相手方に損害を及ぼした場合に限られ、相手方にも過失があった場合は過失相殺(損害賠償請求の減額)があります。

不動産取引に伴うものとして重々しく説明致しましたが、この善管注意義務と似たようなものとして、自己の財産におけると同一の注意義務というものがあります。

民法第659条 無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。

条文の通りですが、例えば、人からちょっと預かっていてと頼まれた場合、プロとしての義務までには至らないが、自分が所有する場合と同じように取り扱わなければならない。

自分の所有物ではないからと、雑に扱ってはいけませんよということです。

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2009年は買い時か?

日銀は12月19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.3%から0.1%に引き下げることを決めた。利下げは10月31日以来、約2カ月ぶり。この決定前に米連邦準備理事会(FRB)が事実上のゼロ金利に踏み込んだことで、今回の金融政策決定会合で再利下げをするのではという観測から、ここ数日、長期金利の目安となる10年物国債の金利も下げていた。

同時に、日銀は、公表文で、今後の景気動向を「悪化している」との認識を示し、従来の「停滞色が強まっている」との判断を下方修正した。先行きについても「当面厳しさを増す可能性がある」と警戒を強めた。日銀の景気観測を素直に信じれば、当面厳しい状況が続き、これは同時に、しばらく金利は低水準で推移すると推察される。

この結果、住宅ローンの適用金利は下がり、さらに、地価下落・販売価格低下、住宅ローン減税を拡充しての延長など、不動産を購入するに際しての好条件が揃った。この状況を受け、住宅情報タウンズでは、過去に買い時だった年と徹底比較し、2009年が買い時なのかを検証している。


≪住宅情報タウンズ・特集記事≫

『不況こそ狙い目!?2009年は「買い時」だ!』

◇買い時の条件が揃っていた2003年の分析結果

・景況感

 不況の長期化で消費者マインドが低迷、日経平均株価も8000円を割っていた

・金利

 ゼロ金利政策で超低金利が続き、住宅ローン変動金利は2%台前半

・税制

 相続時精算課税の住宅用特例など、住宅にかかわる税制優遇が拡充された

・マーケット

 住宅価格もデフレスパイラル、バブル後最低水準に下がりつつあった

◇2009年展望

・金利

 景気悪化の影響で金利は下落局面に

・税制

 過去最大規模の住宅ローン控除、相続時精算課税の住宅用特例最終年

・マーケット

 全体的に価格下落傾向。でも、長くは続かない


同誌では、これらの検証と分析をより細かくし、さらに、各専門家に「2009年、買い時な人」を伺い、最後に、買い時だが買うかどうかの大事なポイントを示している。住宅情報タウンズはコンビニや駅で無料配布されている。上記は概要の書き出しのみであるから、詳細をしっかり確認されたい。無料ですから!

そして、買い時かどうかと実際に購入して良いかどうかは別問題であることは忘れないでほしい。いくら買い時であっても、自分自身の先行きが不透明であったり、購入するタイミングではないなら買うべきではない。

「麦わら帽子は夏に買うべからず」というように買い時は不景気時に訪れる。しかし、買える人で、買うべき人ならという前提条件があってのことです。

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2008年12月13日

変動金利って危ない?

全期間固定金利のフラット35登場以来、悪しき住宅ローンの代名詞のように言われている“変動金利型住宅ローン”。フラット35の親元である住宅金融支援機構の住宅ローンガイドにも、変動金利がいかに危ないかが切々と説明されているが、国の出先機関である機構が言うのだから間違いない!と単純に信じてしまうことがいかに危険かは、ゆとりローンの問題や年金問題(飛躍しすぎ?)で実証済み。

変動金利が危ないかどうか、まずは、変動金利型住宅ローンがどのようなものなのか分からなければ始まらない。※説明内容は一般的なもので、各金融機関により取り扱いは異なる。

現在の住宅ローンを大別すると、変動金利型、全期間固定型、一定期間固定型の3つ。一定期間固定型は、変動金利型に一定期間金利を変動させないという特約をつけたもの。一定期間終了後は変動金利型に移行するが、再度、一定期間の金利を固定する特約を結ぶこともできる。

変動金利型の金利は、各金融機関ごとに決定する基準金利に連動する。基準金利は短期プライムレートに連動し、さらに、日銀の政策金利に連動する。

このことから、日銀が利上げしたり、利下げしたりすることにより、変動金利型の住宅ローン金利は変動する。基準金利の見直しは、年二回行なわれ、4月と10月を見直し時期としている。

変動金利型の住宅ローンには、ふたつの特徴がある。

1.返済額は5年間変更されない。(最初の5年間は要確認)
2.返済額の変更は、変更前の返済額の1.25倍まで。

半年ごとの金利見直しで、金利上昇リスク≒返済負担の増加≒家計の圧迫というリスクがあることが固定金利型との大きな違い。

現在の低金利下なら金利上昇しかないと言え、変動金利の低金利による返済額を前提に、購入・借り入れをすると、金利上昇時に大変なことになってしまうよ、というものが、変動金利を危ないという根本になっている。

金利を半年見直す、にも関わらず、返済額は5年間変わらない。明らかにこの文章は矛盾している。矛盾という言葉には危険が含まれているのは、タダほど高いものはないという格言でも分かる。

この矛盾はどのようなものなのか。

例えば、1,000万円を変動金利型2.375%で借りたとしよう。毎月の返済額は38,865円。このうち元金は19,746円、利息は19,119円。1年後に1%金利が上昇すると、返済額は変わらないが、内訳は、元金11,570円、利息27,295円と変わる。

金利見直し後に変わったのは、元金と利息の返済内訳。当初1年間は元金分として毎月19,746円支払い続ければ、借入期間終了時に返済が終わるという計算であったが、2年目に元金分の支払いが減少し、元金返済分の差額である毎月8,176円が未払い状態になる。

この未払い分だけ元金の残高は減らない。5年毎の返済額見直し時は、見直し時の残高から新しい返済額を計算するが、ここでもうひとつの特徴である、新しい返済額は見直し前の返済額の1.25倍までという規定が入る。

金利の上昇による未払い分を加えても、1.25倍の返済額で納まれば、返済額が上昇するだけに留まるが、もし、未払い分が多くて、1.25倍の返済額では利息にしかならないとなれば、今後、いくら返済を続けても元金が減らないという事態になる。(未払い利息)

借入期間を延ばすことはできない。もし、このような状態のまま、借入の最終期日を迎えると、元金や利息の未払い分を一括返済するように請求される。

なお、リスク面から説明したので上記のようになったが、金利が下がった場合、元金の返済分が増加することになる。これは繰上返済をしたのと同じ効果。また、5年間返済額が変わらない、返済額の見直し額は1.25倍までというのも、使い方次第ではメリットとも言える。

さらに、住宅ローンの適用金利は、申し込み時ではなく、融資が実行された時で判断されるという原則がある。固定期間型(一定期間固定型含む)は毎月ごとに適用金利を見直しているが、変動金利型は半年に1回の見直し。分譲マンションなどでは、申し込み時から実行時までの間に半年を過ぎ、金利を見直しされることもあるが、土地や一戸建ての場合、時期によっては、金利見直しのタイミングが訪れず、申し込み時と融資実行時の金利の違いで計画が狂うことがない。

また、変動金利でスタートし、利息負担の軽減を図りながら、金利が上昇しそうだというタイミングで一定期間固定型に切り替えて安定を図るということも可能。(全期間固定タイプへの切り替えは不可)

変動金利型が危険と言われる根拠は、金利上昇リスクと未払い金リスクにある。ただし、リスクとリターンは裏表の関係である。リスクを背負う分、適用金利が低い(利息負担が少ない)というメリットもある。

・変動金利型は危険である。
・変動金利型には危険性がある。

似たような、同じような言葉であるが、この言葉の違いに、住宅ローンを借りる危険性が秘められているのではないか。

野球の世界に「暴走と好走は紙一重」という言葉がある。何も考えずに盗塁を試みることは暴走。様々な条件・状況を理解し、進むか進まざるかを判断することが好走。

住宅ローンの仕組みや商品内容、自分たちの状況やこれからの返済計画、社会環境の変遷や行く末(これは難しい)を、きちんと理解して判断すること。これが大事なのであり、これを行なわないことが危険なのである。

変動金利は危険極まりない、全期間固定に限る、などと、どこかで聞いた言葉を鵜呑みにして、固執し、断定的に判断する方が、あまりにも多い。

このあまりの多さから、危険性が高いものを危険だと断定的に伝えた方が、分かりやすくて、住宅ローン破綻から救うことに有効だと、アドバイスをする方は動いてしまうのかもしれない。

住宅ローンの変動金利型を取り上げたが、住まい探し、住まい選び、不動産の購入でも同じことが言える。

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2008年12月12日

保証人代行システムとは

◇“保証人になるな”

北京五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した石井慧選手が、母校の清風学園高校の校長から教わったと講演したことで話題となった。保証人代行システムの説明をする前に、保証人そのものについて説明します。

賃貸契約や金銭賃借などでいう保証人とは、民法で「保証人は主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。(第446条)」と定められている。

賃貸契約の場合、賃借人(借主)が負う家賃の支払いや原状回復義務などの債務(義務)について、賃借人がその義務を果たさない時、保証人が代わりに責任を負う。ただし、賃貸人(貸主)が持つ請求権は保証人に移るため、支払いから免れられるものではない。※ここが保険システムとは違うところで、混同しないように注意が必要。

保証人には単純保証人と連帯保証人の二つがあり、一般的に保証人という時は連帯保証人を指す。ふたつの違いは、単純保証人の場合、借主本人に請求を先にすること(催告の抗弁権)や借主本人の資産からまずは弁償を受けること(検索の抗弁権)が認められるが、連帯保証人には、この二つの権利がない。簡単にまとめると、借主本人と同等の扱いになる。

借主本人は、実際に部屋を借りるという支払う債務に見合う権利を得るが、保証人は、義務だけ負わされ、何も得られないという損するだけの役割り。このようなことから、校長先生がいう通り、保証人になるべきものではなく、他人に保証人を依頼しても敬遠されることが多い。

このことに加え、身内のことなら責任を取ることに抵抗感も小さいことから、賃貸契約の場合、親もしくは親族が保証人になるケースが多く、さすがに親や親族であれば、自分のためではなくても役に立つのであればと思い、また、子供の責任は親が取るという思いから、保証人を受諾してもらえた。

しかしながら、親子や親族の結びつきが薄くなってきた世相などから、いくら親や親族とはいえ保証人を頼みづらく、また頼みたくないという考えも多くなったこと、親や親族とはいえ、保証人への請求をしても「知らない、関係ない」と責任を認めないようなケースも多くなったことから、従来の保証人システムが時代に合わなくなり、時代とのズレを埋めるべく、保証人を代行する会社が生まれた。

◇保証人代行システム

一言で話せば、お金を払うことにより、保証人をお願いできるシステム。賃貸契約での保証人代行会社の他、住宅ローンを借りる際に保証会社へ依頼するのも仕組みは同じ。保証人を依頼する際に支払うお金を保証料と呼ぶ。

賃貸契約の場合は、従来の保証人で取り扱うケースと保証代行会社を利用ケースが、会社ごとに併存しており、不動産会社の中で併存させ臨機応変に対応する場合などもある。(住宅ローンはほとんどが保証会社利用)

借りる人が保証代行会社を利用する場合、まず、取り扱う不動産会社そのものが保証代行会社を利用していなければダメ。気に入った部屋があって借りようとしても、不動産会社が従来の保証人制度しか対応していなければ使えない。このことから、保証人代行システムを利用して借りたいのであれば、部屋を探す前に、不動産会社での対応の可否を確認する必要がある。

保証人を代行する会社の分類は金融業に該当する。信販会社(信用を販売する会社)発行のクレジットカードを利用し、現金の支払いなく買い物ができるのも、お店側に対し、支払いを保証しているからである。

本質は金融業であり、慈善事業ではなく営利企業である。利益を目的として保証代行会社を営んでいるのであるから、損失を招くようなことは避け、保証人を引き受ける際には、当然、審査が行なわれる。不動産会社が取り扱っているからといって、必ずしも利用できるとは限らない。

この保証代行システムは、借主側が借りやすいようにと生まれたものではなく、確実な家賃の回収、催促から立ち退きまでの煩わしさから解放されたい不動産管理会社や家主のニーズから生まれた。

さまざまな事情、しがらみや煩わしさなどから借主にとっても保証料を支払うメリットがあるが、保証人を代行してくれたとしても、請求権が保証人に移り請求人が変わるだけで、支払いから逃れられるものではないことだけは理解し誤解しないように。

◆ポイント

・連帯保証人は借主と同等の義務を負う
・保証人を依頼する側と依頼される側の双方から敬遠され保証代行システムが生まれた
・すべての賃貸物件で対応が可能ではない
・利用するには審査があり、家賃などの支払いから逃れられるものではない

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2008年12月10日

住宅ローン減税の新制度詳細

2009年度与党税制改正大綱にて、住宅ローン減税の新制度詳細が見えてきた。特徴的なのは、一般住宅と長期優良住宅(いわゆる200年住宅)とで、控除率や住宅ローン残高の上限額が異なる二段階方式を採用していること。

新制度で優遇を受けられるのは、平成21年から平成25年までに入居した人が対象。所得税から控除できる金額は、10年間の合計で最大600万円。所得税から控除しきれない分は住民税からも控除できる。(住民税控除額には上限あり)

≪住宅ローン減税新制度≫

・長期優良住宅の場合

 平成21年入居:残高限度5,000万円、控除率1.2%
 平成22年入居:残高限度5,000万円、控除率1.2%
 平成23年入居:残高限度5,000万円、控除率1.2%
 平成24年入居:残高限度4,000万円、控除率1.0%
 平成25年入居:残高限度3,000万円、控除率1.0%

・一般住宅の場合

 平成21年入居:残高限度5,000万円、控除率1.0%
 平成22年入居:残高限度5,000万円、控除率1.0%
 平成23年入居:残高限度4,000万円、控除率1.0%
 平成24年入居:残高限度3,000万円、控除率1.0%
 平成25年入居:残高限度2,000万円、控除率1.0%

・住宅ローン利用がなく長期優良住宅を購入した場合

 一般住宅よりも割高になった部分の10%を所得税から控除
 ただし、平成23年までの入居が条件
 割高額の算定は、床面積に応じ、政府が別途定める予定

この他に、土地売買にかかる登録免許税の軽減措置を平成24年まで延長する方針も盛り込まれた。

さて、ここで問題なのは、長期優良住宅の基準を明確に打ち出していないことである。

先日、200年住宅法が成立し、その中で長期優良住宅とはなんぞやという基準が打ち出されているが、その内容は抽象的な項目のみで、具体的な数字は、今後の審議検討課題。

要求水準案では、耐久性は「劣化対策投球」に加えて柱に耐久性の高い材料を使用するなど。耐震性は住宅性能表示制度での「耐震等級2」など。維持管理の容易性では専用配管について「維持管理対策等級3」など。その他にも「省エネルギー対策等級4」や「維持保全に関する計画の策定」、10年ごとの定期点検などとなっており、検討を進めるとしている。

また、認定基準として面積要件も設ける予定で、一戸建て100u以上、共同住宅(マンション)では、3人世帯が75u以上、2人世帯が55u以上などを中心に検討されている。※なぜ住宅の認定に世帯人数が加わるのか不明。

これらの内容が定まらないうちに、長期優良住宅の控除を当てにした購入はできない。一般住宅扱いになる可能性を考慮したうえ、最大控除額には納税額との関係で及ばないだろうというなら良いのだが。

長期優良住宅の認定基準が、いつはっきりしてくるのかは分からず、住宅ローン減税の新制度が先行することもある。

もし、ハウスメーカーの営業担当が、認定基準が見えないまま、長期優良住宅での控除を伝えて受注を受けた場合で、その後の認定基準が想定と異なり、一般住宅扱いになってしまったらどうするのだろうか。

美味しい話ばかりを伝える営業担当者にも問題はあるが、場当たり的な政策を出してくる行政にも問題はある。頭の良い方々が集まる霞ヶ関のことですから、間に合うように認定基準を定めるかもしれませんが。

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2008年12月09日

フラット50

11月28日、長期優良住宅の普及の促進に関する法律(通称:200年住宅法)が参議院の全会一致で可決し成立した。同法は、住宅の寿命を長期化させ、従来、資産価値の比重が土地に多く占められていたものを是正し、建物の資産性を高め、社会資産の充実、環境対策、個人の家計を改善することを図るものである。

この超長期優良住宅(通称:200年住宅)は、従来の建築に比べ、2割超、コストが高くなる。この建築コストが高くなる分、毎月の返済額が増加し、理念に賛同しても実際には購入に踏み切れない人も多い。

これでは理想を掲げても実現しない。このため、200年住宅の普及促進には、金融や税制の後押しが必要と考えられている。その一環が、住宅ローン減税での優遇であり、住宅ローンの返済期間長期化である。

住宅ローン減税での優遇は、控除率の上乗せ案が検討され、住宅ローンでは、住宅金融支援機構を通じ、現在、最長35年の固定金利を、200年住宅に限り、最長50年まで返済期間を延ばすことができるもの。

※住宅ローン減税延長の現行案は、一般住宅の場合、残高(5,000万円上限)×1%、200年住宅の場合、残高(同)×1.2%。

住宅金融支援機構では、現在、最長35年の固定金利商品を“フラット35”と名づけており、それにならって、最長50年の固定金利を“フラット50”と呼ぶ。

このフラット50は、200年住宅に限り対象になる他、完済年齢80歳、もしくは、子供が返済を引き継ぐ親子リレー方式が条件。

それにしても、50年間にもわたり金利を固定するなんて、貸し出す(買い取る)金融機関側を考えたら、とてもできるものではない。これは、200年住宅の促進という政策的な面であり、最終的には税金での負担になるのであろう。

また、フラット50を借りる側から見てみると、固定金利であることの他、借入期間が延びることから、毎月の負担が軽減され、一見、良いことのようにも思われる。

しかし、固定期間がより長くなることから適用金利は高くなり、最終的な負担(利息)は増加する。さらに、毎月の返済額が少なくなることから、元金の減少スピードが遅くなる。

元金の減少スピードが遅くなるということは、いつまで経ってもローン残高が多いということであり、もし、返済半ばで売却しようとした時、市場価格がローン残高を下回るケースが可能性が高いということ。

建物は、200年住宅であれば経年による資産価値減少スピードは緩やかにはなるが、年々、価値は減少するものである。今後、地価が上昇するのであれば、このギャップを埋められるが、それはまず難しいであろう。

フラット50の貸し出し条件で、子供が返済を引き継ぐ親子リレー方式が採用されているが、例えば、40歳の人が借りる場合、どのように対応するのか。

満80歳が完済年齢であるから、通常なら40年返済になる。これを50年返済にするためには、子供が引き継ぐ条件になるが、40歳の子供は、おそらく10歳前後であろう。法律的にも保護されている10歳の子供に将来の返済を約束させるのであろうか。それとも、親が子供が引き継ぎますと言えばいいのか。

子供には子供の人生があり、たまたま、親子同居や引き継ぐ住まいに魅力があれば、住宅ローンの返済も引き継いでくれるであろうが、子供の人生にとって、その住まいが適切でなければ、子供の人生を親が足を引っ張ってしまう。

そうならないためには、やはり、購入する人自身で住宅ローンの返済をしなければならないが、80歳までに完済と言っても、年金不安などに加え、60歳以降の収入を高くは見込みづらいことから、当初は良くても、後々厳しい状況を迎える。

今回成立した200年住宅法でも、資産価値の減少を軽減するために、中古住宅市場の整備が必要であることをうたっているが、まだ、この部分は整備されていない。それにも関わらず、入口の方ばかり整備して促進を図るのは片手落ちである。

近年増えている“ゆとりローン”問題。これも、当初の負担が少ないというエサをぶら下げて、住宅購入の促進だけを図り、その後にくるムチの部分は自己責任でやれというものであった。

商品構成が幅広く充実することは、プラスになりこそすえ、マイナスにはならない。ただし、その中から、自分たちに適したもの、借りた後のことまで考えて、選択しなければならない。

200年住宅促進の根底にある理念には賛成であるが、購入時ばかりの取り組みではなく、購入後の部分の整備も早急に願いたい。200年住宅を販売するハウスメーカーも、安易に200年住宅という言葉を使って欲しくない。きちんと理念を理解し、購入後のことまで体制を整えてから、初めて使えるものである。私の知る限り、対応できている会社はわずかである。

ちなみに、200年住宅という言葉を使ってはいるが、実際に200年の耐用年数があるわけではない。100年住宅という言葉は、すでに一部のハウスメーカーで使われており、これと区別し、さらに優良であることを伝えるために使われたものである。

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2008年12月04日

移住・住みかえ支援機構

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)、都市再生機構(旧日本住宅公団、旧都市基盤整備公団)、○○機構という名称で住宅関連では、前の2つが有名であるが、最近話題になっているのが“移住・住みかえ支援機構”である。

ただし、前記の機構が国の直轄事業からの変遷であるのに対し、同機構は一般社団法人であり、民間からの協賛を受け、同時に国からの基金を受けているという半官半民の中間的な位置づけ。

この移住・住みかえ支援機構は、どのような役割を担っているのか、以下に概要を示した。

≪移住・住みかえ支援機構の概要≫

住み替えを希望しているシニア(50歳以上)のマイホームを借上げ、賃料保証する非営利の法人である。

・「マイホーム借上げ制度」の実施

シニア(50歳以上)のマイホームを最長で終身にわたり借上げ賃料収入を保証。家賃は市場よりやや低めになるが、入居者のいるいないにかかわらず、賃料収入を得ることができる。

・住み替え型リバースモーゲージの開発・提供

同機構が支払う賃料は信用力の高い収入であることから、これを返済原資にすれば資金を借り入れることが可能。金融機関と提携してこのような住み替え型リバースモーゲージを利用者に提供。

・転貸を通じた子育て支援と良質な住宅ストックの循環

借上げたマイホームは耐震性能を確認の上、子育て中の若年層を中心に転貸して運用。ゆとりある住環境の提供を通じて、子育て世代を支援するとともに、良質な住宅ストックの循環を図ります。

上記の業務を行なうことによる効能は以下の通り。

1.借り上げ賃料と新規借家家賃の差額を老後生活資金で利用可能。
2.自宅を売却することなく、資金を得られる。
3.自宅維持のメンテナンス費用などを捻出できる。
4.若い世代に良質な住宅を提供できる。

自宅以外の資産が少ない日本の高齢者、子育て時代からの不必要に広い住宅を所有するシニア層などと、家計の負担を少なく広い住宅を求める子育て世代の住宅ミスマッチを解消するために、住宅の柔軟な流動性を確保しようという取り組みから生まれた。

この制度そのものは、個人的にかなり高く評価している。200年住宅・超長期優良住宅の推進と併せ、これからの日本が、住宅(建物)を資産価値として認識していけるように変われるかが成否の分かれ目。

将来、この制度を利用できるようにするためには、住宅が長期的に維持される良好な品質でなければならない。当然、イニシャルコスト(初期費用、建築代金)が高くなる。

自宅を購入する際、少々高くても将来的な資産価値を考えた住宅を選択するのか、当座の費用や資金で住宅を選択をするのか。この購入時に、どのような選択をするのかが、将来大きく明暗を分けることになる。

この選択を購入者自身で行なうことは難しい。そもそも、どこまで認識しているのかさえ分からない。それは、一般の方には致し方ないこと。購入時に携わる不動産や住宅の営業担当者が、どれだけの意識を持って取り組めるかが大事になる。

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2008年12月02日

住宅ローン12月分実行金利

各銀行より平成20年12月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な12月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.675%
      三井住友銀行:1.675%
      みずほ銀行:1.675%
      千葉銀行:1.675%
      住友信託銀行:1.275%
      中央三井信託銀行:1.375%
      三菱UFJ信託銀行:1.875%
      中央労働金庫:1.625%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.15%
      三井住友銀行:2.35%
      みずほ銀行:2.40%
      千葉銀行:2.25%
      住友信託銀行:1.95%
      中央三井信託銀行:2.05%
      三菱UFJ信託銀行:2.20%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.35%
      三井住友銀行:2.55%
      みずほ銀行:2.55%
      千葉銀行:2.55%
      住友信託銀行:2.10%
      中央三井信託銀行:2.25%
      三菱UFJ信託銀行:2.25%
      中央労働金庫:2.20%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.65%
      三井住友銀行:2.85%
      みずほ銀行:2.70%
      千葉銀行:2.70%
      住友信託銀行:2.30%
      中央三井信託銀行:2.40%
      三菱UFJ信託銀行:2.45%
      中央労働金庫:2.25%

・35年固定 三菱東京UFJ銀行:3.08%
      三井住友銀行:3.04%
      みずほ銀行:2.87%
      千葉銀行:3.18%
      中央三井信託銀行:2.87%
      中央労働金庫:3.55%

※三菱東京UFJ銀行は自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

12月の適用金利は、全行、ほとんどの金利体系で0.1%〜0.15%引き下げられました。リーマンショック後の金融市場混乱というよりは、景気低迷による資金需要減や金利低下圧力が原因なのでしょうか。

今年は、金融、不動産ともにいろいろな出来事が起き、波乱の一年でした。新年、金融面はマクロ経済などの動きにも影響され、私にはどうなるのかさっぱり分かりません。

不動産面の住宅部門では、昨年夏から続いた下落局面も、一部では下げ止まりを見せている。家賃相場などとの兼ね合いで、ある程度のラインで落ち着くのではないだろうか。

しかし、家賃と購入の費用負担で乖離がある地域、都心への回帰による需要減の郊外、富裕層向けの高額物件では、まだ下げる余地はあるのかもしれない。

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posted by preseek_shibata at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅ローンとお金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月01日

行政サービス調査

日本経済新聞社は住民目線から見た行政の改革状況とサービスの水準を探る「第六回行政サービス調査」(隔年)を実施した。総合ランキングの上位六位までを東京都内の市区が独占するなど一極集中ぶりが際立った。

千葉県内で不動産購入のサポートをする弊社としては、県内の結果が気になる。今までの県内では、浦安市と成田市が上位にランキングされており、今回も名を連ねている。今回の調査では、その中に“流山市”が食い込み、成田市を抜いて県内2位、前回149位から総合28位へと大きく順位を上げた。

弊社では、千葉県北西部の主要都市を、不動産の購入を検討する方の立場に立って、行政サービスを調査してみた。

≪千葉県北西部版:行政サービス調査≫

◇保育園待機児数

 柏市:10人以上〜50人未満
 松戸市:50人以上〜100人未満
 流山市:10人以上〜50人未満
 我孫子市:0人
 鎌ヶ谷市:10人以上〜50人未満
 白井市:10人以上〜50人未満
 印西市:0人
 船橋市:50人以上〜100人未満
 市川市:100人以上〜500人未満

◇病児・病後児保育実施施設数

 柏市:1
 松戸市:2
 流山市:2
 我孫子市:1
 鎌ヶ谷市:1
 白井市:0
 印西市:0
 船橋市:1
 市川市:2

◇子育て短期支援事業の実施

 1.短期入所生活援助(ショートステイ)事業
  千葉市、市川市、木更津市、松戸市、柏市、流山市、浦安市

 2.夜間養護等(トワイライトステイ)事業
  千葉市、市川市、木更津市、松戸市、流山市、浦安市

◇幼稚園就園費補助金(奨励費は別途)

 柏市:年2万円
 松戸市:年2.5万円
 流山市:年1〜2万円
 我孫子市:年1.8万円
 鎌ヶ谷市:不明
 白井市:不明
 印西市:年1万円
 船橋市:年3.5万円
 市川市:不明

◇国民健康保険料(医療、支援、介護の合計、平成20年度)

 柏市:所得割7.5%、平等割13,000円、均等割49,000円
 松戸市:所得割11.04%、平等割15,900円、均等割35,400円
 流山市:所得割10.5%、平等割15,600円、均等割33,000円
 我孫子市:所得割10.8%、平等割18,600円、均等割34,800円
 鎌ヶ谷市:所得割10.52%、平等割21,600円、均等割34,000円
 白井市:所得割9.38%、平等割30,300円、均等割38,700円
 印西市:所得割9.15%、平等割23,000円、均等割41,500円
 船橋市:所得割10.33%、平等割0円、均等割31,560円
 市川市:所得割9.7%、平等割20,400円、均等割25,200円

 ※家族構成などに異なることもあり詳細は各市役所へ確認を。

◇公共下水料金(20立米の場合)と普及率(千葉県全域63.7%)

 柏市:2,079円   83.9%
 松戸市:2,356円  75.3%
 流山市:1,890円  61.2%
 我孫子市:1,980円 76.7%
 鎌ヶ谷市:2,453円 46.9%
 白井市:2,100円  88.6%
 印西市:2,079円  85.5%
 船橋市:1,884円  54.2%
 市川市:2,446円  64.6%

◇財政(将来負担比率:350%以上はアウト)

 柏市:167.0%
 松戸市:30.1%
 流山市:87.2%
 我孫子市:32.1%
 鎌ヶ谷市:72.5%
 白井市:34.3%
 印西市:59.3%
 船橋市:31.0%
 市川市:32.0%

千葉県内北西部の狭い区域で比較しているため、数値上は極端な違いが見えてこない。購入者側が行政を選ぶ際は、数値で表れる内容以外に、独自の行政サービスや意識で判断することが必要である。その際、全ての項目を比較検討するのは物理的に厳しく、判断もしづらくなるので、教育、医療、福祉などの項目の中から、最重点項目順に比較するとよい。

今回の調査は各市のサイトからひとつひとつ調べたが、各市ごとにサイトの作成は異なり、親切なサイトと不親切なサイトそれぞれである。担当者レベルの問題なのかもしれないが、サイトの作成を閲覧する人のため親切に作成しているサイトの市は、住民への優しさと比例しているのではないかと推察される。

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posted by preseek_shibata at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | くらしと生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする