2008年10月29日

◆□◆初めてでも失敗しない不動産の買い方◆□◆第72号


 不動産購入応援サイト「プレシーク」 −− http://www.preseek.jp/ −−

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   ◆□◆初めてでも失敗しない不動産の買い方◆□◆

   第72号  平成20年10月29日   発行 株式会社プレシーク

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 1601人の読者のみなさま。こんにちは。
 不動産購入応援サイト管理人の 柴田 誠 です。


 昨夜、テレビ東京にて、不動産購入に興味深い番組が
 立て続けに取り上げられましたが、ご覧になりましたか?

 ひとつは、ガイアの夜明け“緊迫!不動産不況”。
 もう一つは、ワールドビジネスサテライト“住宅ローン減税の行方”。


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 ガイアの夜明けで放送された概要は以下のような感じです。

 サブプライムローン問題を端に発した金融危機が
 日本の不動産会社を経営破綻に追い込んでいる。
 不動産証券化により、日本の不動産が、世界中の投資家に売られることで、
 近年の不動産価格高騰を招いていたが、
 金融危機による資金難により買い手がつかず、
 日本の不動産会社とその支払先である建設会社が苦境に陥っている。

 さらに、銀行の融資規制、貸し出しの絞り込みで、
 その煽りをまともに食らっている。
 番組では、名古屋の不動産会社が支払いと資金調達に苦しんでいる様子を
 生々しく取り上げていた。


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 同じ業界に身を置くので、複雑な思いで見ていましたが、
 右から左へと転売して儲けるという手法そのものに問題があるのではないか。

 投資、投機を相手に楽な商売をしてきた経営判断の誤り。
 自業自得の感も否めなかった。

 取り上げられた方は存じ上げないし、憶測にはなるが、
 楽して儲けて、バァッと我が世の春を謳歌したのだから、
 その反動が出ても仕方ない。
 苦しくなって、助けてくれ〜と言ってもね。


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 後半部分では、分譲マンションの現状が取り上げられた。
 不動産投資(特に金融系)とは違い、自宅購入の需要は根強い。

「新都心リアルコーポレーション」が始めた“アウトレットマンション”
 資材や地価の高騰で販売価格が上昇し、売れ行きが悪くなった。
 銀行の融資が厳しくなり資金繰りに困った分譲業者から、
 安く買い叩いて再販売している。

“リノベーションマンション”最大手の「インテリックス」
 新築マンションの価格高騰により、
 安い価格の中古マンションに需要は流れている。

 どちらの会社も、家具を付けたり、リフォームで、
 付加価値を付け、早期売却を鍵と口を揃える。


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 実際の販売現場を取材する中で放送された
 二組の購入者側の話が特徴的だった。

「不動産不況、景気不安の中、いつが買い時なのか、分からない」

「不況だからこそ、買い時と判断した」

 どちらも、相談を受けているなか、よくお聞きするお話で、
 番組を見ていて、自分のことのように思えてしまいました。

 正直なところ、どちらも正しいのでしょう。
 自宅の購入の場合、相場うんぬんよりも、まずは、自分の状況が先。
 それがゴーサインなら、買い手市場の今はチャンスかもしれない。
 しかし、景気不安で自分の状況が怪しいなら、見送るべき。

 自宅の評価が上がった下がったと気になってしまうようであれば、
 そもそも購入すること自体が難しいのかもしれない。
 購入後の長い年月の中で、不動産市況は変動するものですから。
 賃貸だからといって、悪いことばかりではないです。


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 ワールドビジネスサテライトでは、
 麻生総理が景気対策のために打ち出した住宅ローン減税延長を取り上げ、
 どのような内容になるのか、その影響を分析したが、
 具体的な内容が決まらぬままの放送のため、
 ちょっとインパクトには欠けた感があった。


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 もう少しはっきりした内容は、
 月内にまとめられる経済対策で分かると思われるが、
 現在伝わってきている上限額引き上げでの拡充では、
 インパクトはあるものの、上限に達するのは高額所得者のみで、
 金持ち優遇なのかなと思ってしまう。

 ※所得税を毎年60万円以上払っている方が、
  10年間、残高が6,000万円を下回らない住宅ローンを組んで、
  住宅を購入した場合に、最大限の効果が得られる。
  そんな人は、どんな人?

 それでも、現行の制度よりは上乗せされるので、
 ある程度の金額を借りる方にとっては、購入の後押しになる。

 同番組でコメントされた専門家は、
 都心へ流入している人口は増えており、
“ネクストジュニア”という世代の需要は大きい。
 住宅ローン減税延長で、不動産不況をある程度持ち直せるのではないかと。

 いずれにしても、どういう内容になるのか、
 早くすっきりさせてもらいたいものである。


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 柴田 誠(不動産コンサルティング技能登録、ファイナンシャルプランナー)

・昭和44年1月25日生まれ A型 船橋市立小室中→千葉県立八千代高
・船橋市小室町にて、男の子二人と妻・母の五人暮らし

・千葉県内で38年の生活と15年の不動産営業から地域情報に精通し、
 ファイナンシャルプランナー業務から住宅ローンに強い不動産コンサルタント。
 セミナー・小冊子などによる初めての不動産購入者へのアドバイスに注力して、
 不動産購入のサポートを中心に携わっています。 

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株式会社プレシーク 千葉県知事(5)第10682号
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2008年10月22日

手付金を放棄しても値下がりを待つべき?

◇マンション市況

ここ数年の地価や資材高騰により新築マンションの販売価格は大幅に上昇しました。この結果、販売価格と購入者の資金力や購入意欲との乖離が大きくなり、売れ行きが落ちました。さらに、昨年のサブプライムローン問題に端を発した金融引き締めによる資金調達の厳しさが、分譲業者を倒産へと追い込んでいます。これが上司の方が仰る“マンション市況”です。

今後の市況を考えても、物価高による家計圧迫(住宅ローン負担力の減少)、景気後退による収入減少などから、需要が伸びる見込みも薄く、分譲業者としては在庫となっている売れ残り物件を、価格を引き下げてでも早く売ろうとしています。

既に、一部の新築マンションを除いて、表面的に見える値下げ販売・内々での値引き・家具やオプションのサービスなどの実質的な値引きなどは行なわれており、特にご相談頂いた“郊外”では値引き合戦の様相さえ見えております。

手付金は解約する権利を得る(解約手付)もので、期限内であれば買主側は手付金の放棄をすることにより、契約を一方的に解約することができます。今回の場合では、10万円を失ってしまうことにはなりますが、現在のマンション市況などを考えれば、10万円以上の値引きなどを得ることは可能性が高いと思われます。

なお、よほどの事情がない限り、契約後に、他の部屋や区画などの値引き販売が行なわれたとしても、取引条件に合意して結ばれた約束(契約)を変更することはできません。これは不動産取引を含め一般的な商取引にも言えることですが、正常な判断のできる者が示した“意思”を尊重するものであり、契約内容が後々ころころ変更することが可能になると、社会が成り立たなくなってしまいます。

ただし、せっかく販売することができた部屋を解約されるのは分譲業者も望まないことから、手付解約の申し出をした際、何かしらの提案(値下げなど)を提案してくるかもしれません。分譲業者の出方次第ではありますが、実質的には値引き交渉は可能と言えます。(注:分譲業者が解約をあっさり受け入れることもありえます。)

◇マンション購入の判断

値下がり傾向にある市況のときに、購入を判断するのは難しいものになります。購入者側の共通の心理として、少しでも安く買いたいと思うのは当然であり、もう少し待てば安くなるのではないかと考えてしまうからです。

しかし、マンション購入の目的は、購入したマンションを転売して儲けるものではなく、無理のない負担で、快適で安心した生活を過ごすものです。安く買おうと不動産の市況を優先して、家庭や生活などの状況から購入する適切な時期を逃すことは本末転倒な結果に成りかねません。

また、安く買うことを優先するあまり、立地を悪くしたり、建物のクオリティを落としたりすることも、生活や購入後の資産価値にも悪影響を落としかねません。安く買うことができても、毎日の通勤が大変になったり、不満を持って生活するくらいなら、購入を見送るくらいでもいいのかもしれません。

さらに、資産価値が減少することは、気分的に良いものではないことに加え、いざという時に売却して住み替えをしたり、住宅ローンの返済に充てることを想定すれば、なるべく避けるべきです。

資産価値が高く維持できそうな不動産、快適な生活を送れそうな住まいは、現在のような市況でも、あまり価値を落としておらず、価格などの市況ばかりに目を奪われてしまうと見過ごしてしまうこともあります。

今回購入したマンションがどのようなものなのか、ご相談された方のご家族の生活と相性が良いのか。ここを考慮した時、このマンションのこの部屋がベストとご判断できるのであれば、他が高い安いなどの市況から離れて購入されても良いのではないかと思います。(あくまでも無理のない負担の範囲でという条件つき)

◆ポイント

・マンション市況は悪く、値引き合戦の様相を示しており、手付金を失っても、購入費用を抑えられる可能性が高い。

・すでに契約済みでも手付解約を申し出ることで、契約条件の見直しを得られることも。(ただし解約してもいい覚悟で)

・マンション購入の目的は、安く買うことではなく、購入した後の生活である。

・市況よりも、生活と住まいの相性、資産価値を優先させる。

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2008年10月12日

収益還元法

近年流行りの不動産投資。リーマンショック後、この流れがどのように進むのか不透明ですが、投資という一般的な概念では「みんなが売っている時こそ買い」なのかと思います。

不動産投資物件を購入する際に価格の指標となるのが、収益還元法による不動産評価です。不動産を評価する際には、収益還元法の他に、原価法、取引事例比較法があります。

収益還元法は、不動産を評価するとき、その不動産から得られる利益から期待利回りで割り返した手法。または、将来得られる一年あたりの利益と投下資本回収年数を掛け合わした手法。これで計算された価格を収益価格と言います。

例:年120万円の利益÷期待利回り10%=1,200万円
 :年120万円の利益×投下資本回収年数=1,200万円
   ↓
  100%÷投下資本回収年数=期待利回り
  100%÷10年=10%

ちなみに原価法は、同じものを作るときにどれだけの費用が掛かるか(原価)を出し、経過年数分を減価して不動産価格を評価する手法。計算上の性質から主に建物評価時に使用する。これで計算された価格を積算価格と言います。

取引事例比較法は、市場の取引事例と比較し物件の特性で調整して求める手法。主に土地評価時に使用するが、不動産は市場性が強いため、中古住宅や中古マンションでも原価法と併せて用いられる。これで計算された価格を比準価格と言います。

収益還元法に話を戻しますと、この収益還元法にも二つの手法があります。

一つは、上記の例に出した「毎年の利益を期待利回りのみで求める手法」で、基本となる部分です。不動産の転売価格は気にせず、投下資本と期待する利益を回収できれば、その後の転売価格(資産価格)は儲けものと考えれば、この計算式で構いません。

例:期待利回り10%であれば、10年で回収が終わり、その後の利益と転売価格分は儲けとなる。

もう一つは、将来の転売価値とそこまでの間に得られる利益から求める手法です。これはDCF法と呼ばれます。毎年の収益と転売価格(現在価値に換算する必要有)を合計して評価額を求める手法。

例えば、毎年100万円の利益がある、10年後に1,000万円で転売できる物件の場合、100万円×10年+1,000万円=2,000万円となるわけです。(回収資金)

しかし、2,000万円投資して2,000万円回収するのでは無利息で預金するようなものであり、リスクや諸費用などを考慮すると、このような投資をする人はいない。

そこで、投資による収入を期待する分、評価を落とさなければなりません。仮に10年間で500万円のプラスを得たいのであれば、1,500万円の投資で納めることになり、これが収益還元価格となります。

また、利回りから計算する場合は、利益×(“1+期待利回り”のn乗)を毎年求め、その和と転売価格を足したものが収益還元価格となります。※n乗のnは経過年数。上記例を計算すると約1,772万円となります。

これらの計算で自分の希望を取り入れた場合の価値は算出できます。しかし、不動産は市場であるため、自分の希望で利益額や利回りを想定しても、そこまでは多くなくてもいいという方がいれば、そこに誘導され、数多くの人が妥当と思われる利益額や利回りに落ち着きます。

不動産投資も広く一般の投資の一部であり、利回りは他の金融商品や金利動向などに影響されます。不動産投資の場合、長期投資が基本で、かつ、価格上昇によるキャピタルゲインよりも毎年の利益(配当)を求めることから、株よりも債権市場や預貯金との関係が深くなります。

換金するのに費用と時間がかかることや将来の価格変動リスクなどもあり、他の金融商品よりも高い利回りが期待されます。債券市場での利回りが落ちれば、不動産投資での期待利回りも落ちるというように比例して動く。さらに、不動産の市場動向の部分も加味して、不動産投資の期待利回りは変動します。

数学が苦手な私が計算したものであり、専門の不動産鑑定士が計算する手法は、もっと緻密であるが、考え方を理解するということでは、この程度でよろしいかと思います。

収益還元法で不動産価値を算出するときに気をつけたいのは、利益の基になる部分とリスクとの兼ね合いです。

利益をどこに設定するかには、単純な収入(例:家賃)だけのものと収入から経費を除いた手取りの二つに分かれます。単純な収入から計算したものを表面利回り、手取りから計算したものを純利回り(?)といいます。不動産会社や売主は高く売りたいわけで、高く評価される表面利回りで表示することが多い。購入側の場合、純利回りで計算しなおすことが必要。ただし、純利回りを市場一般の表面利回りじゃないとと欲張ると買えなくなる。(買いたいのはやまやまですが)

また、不動産投資の場合、空室リスク、修繕リスク、市場価値の変動リスクを考慮しなければならず、さらに、借入金で購入する場合、金利の負担やリスクも考慮しなければならない。

借入金で不動産投資をする場合の大原則として、純利益(手取り)が借入金の返済額を上回ること。さらに、空室リスクも加味することができればなお良い。

将来の収益や数年後の転売価格を予測することは非常に難しく(これができるのは神様のみぞ知る)、どのように考えるか、想定するかで、評価額に大きく変わる。この点も十分検討することが重要である。

この収益還元法での不動産評価は、不動産投資物件の際に利用されることが多いが、一般の住宅を購入する場合にも応用できる。

例えば、マンションの購入を検討する際、同じマンションでの賃料相場が年間120万円だとすると、120万÷期待利回り5%=2,400万円となる。販売価格が3,000万円であれば、この物件は割高となり、逆に2,000万円なら割安となる。

自宅の購入の場合、生活の状況や条件などもあることや、夢、希望などお金には代えられないものあって、収益還元法での算出結果だけで判断することはできないが、ひとつの参考にしてみると良いのではないでしょうか。

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2008年10月07日

買うなら、元付け?客付け?

最近の地価下落、マンション販売低迷の流れを受けて、経済専門誌を中心に不動産市況などの特集が組まれることが多いが、その中身はファンドや金融を中心とした内容であり、一般の方が直接参考になりそうな記事は少なかった。

そのような状況の中で、日経トレンディ(2008年11月号)でも“値引き合戦!住宅「買い」を見抜く”という特集が組まれた。日経系ではあるものの、“個人生活を刺激する流行情報誌”というフレーズを使う同誌では、主にマルチメディアに関する記事が多い印象があり、金融・経済に関することでもクレジットカードなどの日常生活に近い内容を取り上げてきたと思われるが、今回、日常生活に関わることではあるものの、重たい“不動産や住宅”に関する記事を特集したのは、意外な感じを受け、逆に興味を持ち、手にとってみました。

主な内容は、マンションの市況と値引き交渉・路線別の分析、中古戸建の現状と注意点、住宅ローンの比較と分析・金利交渉など。その中でも、これから浸透するだろう(浸透すべき)中古住宅の建物診断と評価を詳しく取り上げたのは、流行を追うという同誌の良さでしょうか。全体的に他の経済誌よりも購入者にとって興味深い記事が多いので、これから不動産を購入しようと思われる方が読んでみる価値があると思います。

さて、この特集の中で、とても難しく分かりづらい“仲介”という面も取り上げたのは、今後、中古住宅の流通が拡がること、その中で仲介会社との関わりが大事であることを読みきったものと思われ、感心させられました。

一般消費者が、不動産以外に“仲介”という形態で物を購入するという場面は少なく、仲介という形態そのものが馴染みづらいものです。さらに人生の中で不動産を購入する場面も少なく、また、その専門性、多岐に渡る要素から、不動産仲介というものをさらに難しくしています。

この特集では、どのように仲介会社と接すればいいのか、仲介会社をどう選べばいいのか、それぞれの良し悪しと併せ、≪仲介会社の「正体」を見破れ≫という題で紹介しています。

元付けとは、売主から売却を直接依頼されている会社。このため物件のこと、売主の状況や意向を把握している。客付けとは、買主側から購入を依頼された会社。売主の顔色を窺わずに買主側に立って行動する。元付け、客付けそれぞれにメリット・デメリットはあるが、目の前にいる担当者が元付けなのか、客付けなのかを知っておいて損はない、と仲介会社の立場を知ることの大事さを説いています。

※元付けでも客付け側になることも可能。これを業界用語で“両手(単独仲介)”という。この両手取引に関しては問題も多く、業界関係団体や行政側でも改善に向けて検討している。この注釈は記事とは関係ございません。

では結局のところ、元付と客付、どちらで買ったほうが得なのか。同誌記者が実際にそれぞれの会社で実際の物件を用いて検証した結果を紹介し、この結果では、物件に関する情報や知識、売主の状況把握からの値引き交渉など、元付けに軍配が上がるとしております。

しかし、この記事を読んだ率直な感想は、やはり現場を知らない人には難しかったか、というもの。

確かに、たったひとつの物件だけを見れば、売主の担当者(会社というよりはその人)が、その物件に関し、他の会社や担当者より詳しいのはその通りである。特定の物件を決めて、この物件を購入することを大前提とするなら記事の通りかもしれない。

現実では、一般消費者がたったひとつの物件を特定して検討することは少なく、複数の物件の中から、自分たちにとって、どの物件が良いのか比較検討する。その際、元付け担当者であれば、自分が担当する物件を、購入希望者にとって良いか悪いかは二の次に勧めてしまう。

逆に客付け側であれば、どの物件を購入してもらっても営業的には変わらないので、その人に一番合った物件がどれか、各物件の良し悪しを比較しながら客観的にアドバイスできる。

また、売主の状況を把握しているからといって、値引き可能な限度まで買主側に伝えるとは限らず、伝えたとしたら、同じ一般消費者である売主の利益が保護できない。このように担当者が恣意的意図的に取引を操作できる余地があることに、両手取引の問題点がある。これはどちらの消費者にも不利益になることで、この点に関し、消費者へ指針となるべき同誌が取り上げなかったことは残念である。

販売という形態では、性能比較、値引きなどの販売側を分析すればかなり網羅されることから、物を主体とした取り上げ方でも構わない。しかし、不動産の場合、購入しようとする物件と購入する人のそれぞれの相性を持って考えねばならず、物件側のみに焦点を当てたのでは片手落ちである。

ちょっと注文的な部分もありましたが、仲介そのものに注目して取り上げたこと、さらに、売主からの直接購入なら仲介手数料不要という消費者受けする内容をあえて否定し、直接購入の難しさと仲介の必要性を説いたのは、このような雑誌では画期的なことで、これからの時代を見抜いているのかと思われた。さすが、流行情報誌と感じております。

改めてにはなりますが、この特集記事は、これから不動産を購入しようとされる方に有益な内容となっておりますので、お読みになってみてください。

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2008年10月05日

埋立地

長男が社会の勉強をしていたので教科書を覗いてみたら、海沿いに拡がる工業地域が取り上げられていました。貿易立国である日本は、原料の輸入、工業製品の輸出に便利な海沿いに工業地域が拡がり、埋立地≒工業地域というイメージであったが、近年、埋立地に高層マンションや住宅地も増えてきました。

この埋立地、交通利便性が良いこともあって、地価が高い地域が多いのですが、そもそも、住宅地として埋立地は適しているのでしょうか。埋立地で一番気になるのは、人工的に作られた地盤が信頼できるものかどうかです。

(住宅地用の)埋立地は、土砂などを大量に積み上げることによって人工的に造成されます。この人工地盤は、長時間かけて形成された天然の陸地に比べると、土壌粒子の間隙が大きく保有水が多いため、地震による液状化現象が起きやすいとされています。

液状化現象とは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が、振動により液体状になる現象。これにより比重の大きい構造物が埋もれたり、倒れたり、傾いたり、地中の比重の軽い構造物(下水管等)が浮き上がったりする。

阪神・淡路大震災では、六甲山の土で埋め立てられた六甲アイランドや神戸ポートアイランドなどで、この液状化現象が起こり、道路から噴砂(地中の土砂が地下水と共に地表に吹き出したもの)が見られ、噴出した泥水状の土砂が全域で道路を埋め尽くし泥沼と化しました。

なお、水分を多く含む地層は揺れやすいと言われ、液状化現象も起こりやすく、近年の人工的な地盤以外に、川や海の堆積土で自然に作られた平野部でも液状化現象のリスクはあります。

地震以外での災害では、海面が近いことによる水害のリスクがあります。しかし、近年人工的に作られた埋立地では海面からの高さを確保することで、水害に対しては一応の対策は採られており、大きな被害は出ていません。瞬間的、局地的な気候の変動よりも、地球温暖化による海水面の上昇が気になるところでしょうか。

また、海が近いことは潮風による塩害を考えなければなりません。海から1km離れれば大丈夫という説もありますが、夏の南風が塩分を含んだ空気を数km先まで飛ばすことも考えれば、建物を含め鉄部に対して塩害対策を講じなければならず、プラスに評価はできない。

自然災害以外に埋立地で気になるのは、地盤の自然沈下です。関西国際空港では、埋め立てから20年以上経過した今でも地盤沈下は進んでおり、埋め立て当初から3m近くも沈下したデータも出ています。

この他に気になるのは土壌です。山などの土で造成された埋立地では問題ないかもしれませんが、残土や廃棄物が埋められているところでは、土壌が汚染され、有毒ガスが発生するところもあります。(このような場所は住宅地にはならないと思いますが)

近年、高層マンションが建てられた土地は、転用前に工場が建っていたところもあります。埋め立てをした際は問題がなかったかもしれませんが、操業中に土壌が汚染されることもあります。(築地市場の移転問題が有名)

(元々は海だから当然)人工的に作られた埋立地には元々の地主さんがいません。作られた土地はすべてを国などの行政が所有・開発・分譲したことから、計画的に作られた街並みが整い、(これも当然ですが)地形に起伏がなく平坦であることから、生活する人にとって好ましい環境が備わっています。

また、歴史的に海に近いところに従来からの都市があることから、交通アクセスが良く、利便性も高いエリアになることも地価を高くしています。

このように表面上はとても良い地域ではあるのですが、地中のことまで考えるとリスクを抱えており、高いお金を払ってまで購入するのは懐疑的になります。

建築物を構築する際は、地盤調査をして、杭工事などの対策を講じることはできますが、道路やライフライン、街全体としての地震対策まで出来ない限り、厳しいと思います。

建物に関して耐震性を意識しているにも関わらず、地域の耐震性を考慮しないのは、ちぐはぐで矛盾している選び方ではないでしょうか。

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2008年10月03日

住宅ローン10月分実行金利

各銀行より平成20年10月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な10月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.675%
      三井住友銀行:1.875%
      みずほ銀行:1.875%
      千葉銀行:1.875%
      住友信託銀行:1.475%
      中央三井信託銀行:1.575%
      三菱UFJ信託銀行:1.875%
      中央労働金庫:1.625%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.35%
      三井住友銀行:2.55%
      みずほ銀行:2.55%
      千葉銀行:2.45%
      住友信託銀行:2.05%
      中央三井信託銀行:2.25%
      三菱UFJ信託銀行:2.40%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.55%
      三井住友銀行:2.75%
      みずほ銀行:2.70%
      千葉銀行:2.75%
      住友信託銀行:2.15%
      中央三井信託銀行:2.40%
      三菱UFJ信託銀行:2.50%
      中央労働金庫:2.20%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.85%
      三井住友銀行:3.05%
      みずほ銀行:2.90%
      千葉銀行:2.90%
      住友信託銀行:2.35%
      中央三井信託銀行:2.60%
      三菱UFJ信託銀行:2.65%
      中央労働金庫:2.25%

・35年固定 三菱東京UFJ銀行:3.31%
      三井住友銀行:3.29%
      みずほ銀行:3.09%
      千葉銀行:3.07%
      中央三井信託銀行:3.09%
      中央労働金庫:3.40%

※三菱東京UFJ銀行は自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

10月の適用金利は、全行、ほとんどの金利体系で0.1%前後引き上げられました。長期金利はほとんど上がっていないと感じておりましたが、長期金利の上昇による引き上げとのことです。なにか難しいところで判断されているのでしょう。

今回の金利を確認していたところ、三菱東京UFJ銀行にて大きな改定がございました。

改定内容は、購入価格に占める自己資金の割合(自己資金比率)により、金利体系や優遇内容、(実質的に)選択できる固定期間を区別したことと、5年未満の当初優遇は廃止されました。※5年未満の全期間優遇は継続。

分け方には3つのパターンがあります。

◇自己資金比率20%以上の場合

 ・保証料無料(実質-0.2%優遇)
 ・全期間優遇の選択が可能

◇自己資金比率20%未満かつ購入価格以内

 ・保証料負担が必要
 ・全期間優遇の選択が不可

◇借入額が購入価格を上回る(諸費用も借りる)

 ・保証料負担が必要
 ・全期間優遇の選択が不可
 ・優遇金利幅の縮小(0.2%高い適用)

購入価格を上回る金額も借り入れることが可能であると金利体系で打ち出したことにも違和感がありますが、それ以上に、自己資金の有無や割合で優遇内容を明確に分けたことに驚きました。

簡単に言えば、自己資金をたくさん持っているような方には他行以上に優遇しますよ、当行で借りてください!。自己資金をあまり持っていない方は、他行へ行ってください!どうしても当行でと言うなら、金利を高くしますよ。ということでしょうか。

短い期間の当初優遇をなくし、かつ、実質的に自己資金が少ない人に短い期間の金利体系を選択できなくしたのは、サブプライムローン問題にも影響しているかもしれません。

自己資金の割合は関係なく、当初優遇期間が終了後に金利が優遇幅のギャップによる急激な上昇が家計の負担に大きな変化を与えることはよくないということ、自己資金が少ない人が短い固定期間を選択するのは、将来の金利上昇時に返済額が上昇したことが破綻につながりやすいということ。

銀行の本音が露骨に見えた金利体系の見直しでしたが、自己資金が少ないことによるリスクと、短い固定期間のリスクは、貸す側のリスクであるとともに、借りる側のリスクでもあります。

今回の改正を、区別差別のような嫌悪感をお持ちになる方もいるかもしれませんが、貸す側の責任ということを意識したものでもあるかもしれません。

銀行からのメッセージと受け止め、一度考えてみてはいかがでしょうか。

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posted by preseek_shibata at 17:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 住宅ローンとお金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする